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フェラーリ・ルーチェ騒動収まらず。日産は「リーフのパクリ」とSNSへと投稿した後に即削除、マツダはかつてのルーチェの画像を投稿し静かに抗議

フェラーリのEV、ルーチェ(ブルー)のエクステリア〜俯瞰図

Image:Ferrari

| ネットの標的となった跳ね馬。日米欧を巻き込む前代未聞のパロディ合戦 |

ある意味では「これだけ話題になった」フェラーリも他にない

高級スーパーカーの頂点に君臨するフェラーリが今、世界中のインターネット、そして自動車業界全体からかつてない「弄り(トロール)」の標的にされており、その理由はもちろん同社初のEV「ルーチェ」です。

ルーチェのスタイリングが発表されるや否やSNS上では批判が相次ぎ、株価が一時的に下落する事態にまで発展したのは御存知の通りではありますが、さらにこの騒動はファンだけには留まらず、日本を代表する自動車メーカーであるマツダや日産をも巻き込んだ前代未聞の「SNSバトル」へと発展している、というのが現状です。

この記事の要約

  • フェラーリ新型EVの危機: 発表されたばかりフェラーリ初の量産EV「ルーチェ(Luce)」のデザインに対し、ネット上では「酷すぎる」「100均のガジェットのよう」と批判が殺到
  • 日産の皮肉投稿と即消し: 新型ルーチェが「日産リーフにそっくり」と話題になると、日産アイルランドの公式SNSが「真似してくれて光栄です、フェラーリさん」と痛烈なジョークを投稿(のちに即削除)
  • マツダの無言の圧力: かつて自社が保有していた「ルーチェ」の名をフェラーリに使用されたマツダは1960年代の初代「マツダ・ルーチェ」の美しすぎる写真を投稿し無言の反撃を展開
フェラーリ・ポルトフィーノのフロントフェンダーとエンブレム
フェラーリが公式に「ルーチェの商標権については問題がないと認識」とコメント。マツダ「ルーチェ」との問題も回避か

| ただしルーチェの正式名称が「フェラーリ・ルーチェ」であるという但し書き付きで | 実際のところ、おそらく問題はないであろう さて、フェラーリが「ルーチェ」という車名を使用できないのではないかという ...

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フェラーリのEV、ルーチェのエクステリア〜フロント正面

Image:Ferrari


日産が仕掛けた「お調子者」なジョークと、大人の事情による即削除

新型フェラーリ・ルーチェが発表された直後、世界中のネット民が真っ先に指摘したのが「日産の新型リーフ(Leaf)にそっくりではないか」という点です(ぼくも一瞬そう思った)。

そこでSNS上には両車のサイドプロファイルを並べた比較画像が大量に拡散されることになるのですが、この流れに乗ったのがユーモアのあるSNS運用で知られる日産アイルランド(Nissan Ireland)の公式Instagramアカウント。

フェラーリのEV、ルーチェ(ブルー)のエクステリア〜フロント

Image:Ferrari

日産アイルランドは拡散されていた比較画像をリポストし、次のような挑発的なコメントを添えたというわけですね。

「正直、恐縮しています。模倣は最大の賛辞だと言いますからね。フェラーリさん、我が社のリーフを参考にしてくれてありがとう」

この「フェラーリが日産をパクった」とも受け取れる大胆なジョークにネットは狂喜乱舞したものの、投稿はわずか数時間で何の説明もなく突如削除され、これはおそらく、SNS担当者が悪ノリしすぎた結果、本社の法務部門や経営陣から「フェラーリを怒らせるな」と、大急ぎでストップがかかったものと推測されています(実際はどうなのかわからない)。

日産がはじめて「新型リーフ」の姿を公開。ハッチバックからクロスオーバーへと変身を遂げ、さらに日産は今後の大胆な新型車計画を公開

Image:Nissan

そこで今回の世界的な大騒動の中心にいる「フェラーリ・ルーチェ」、そして比較対象にされた「日産リーフ」の概要、そしてこの騒動の本質である「デザインの類似性」について考えてみると・・・。

フェラーリ・ルーチェ vs 日産リーフ の特徴比較

項目フェラーリ・ルーチェ(Luce)日産リーフ(Leaf / 最新型)
ブランドの立ち位置ウルトラ・ラグジュアリー・ハイパーEV量産型コンパクト・ファミリーEVの先駆者
パワートレインピュアEV(100%電気自動車)ピュアEV(100%電気自動車)
騒動となったデザイン要素・ブルーとブラックの2トーンカラー
・傾斜したリアハッチのシルエット
・サイド下部のブラックのロッカーパネル
・発表時のイメージカラーが酷似
・空力を意識したハッチバック形状
・EV特有の未来的なパッケージ
ネット上の主な評価「アップルのMagic Mouse(マウス)に似ている」「美しくない」「親しみやすい」「街乗りに最適」「コスパ最強」
元オフィシャルの発言元社長のモンテゼーモロ氏が「酷すぎて中国企業もコピーしない」と自虐日産公式が一時「真似してくれて感謝」と投稿
フェラーリのEV、ルーチェ(ブルー)のエクステリア〜リアサイド

Image:Ferrari

フェラーリ・ルーチェと日産リーフは本当に似ているのか?

冷静に2台を見比べると、カラーリング(青×黒の2トーン)やリアハッチの傾斜ライン、サイドの黒い樹脂パーツの配置など、視覚的な記号としての共通点はあるものの、全体のプロポーションや細部のプレスページ(造形)は大きく異なるのもまた事実。

ただ、その印象的なカラーとコントラスト、ブラックの使用部位に「共通性が見られた」ために第一印象が近くなってしまい、今回のような反応となってしまったのでしょうね。

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Image:Nissan

そしてマツダの「大人の反撃」

しかし、この炎上にさらに油を注いだのがマツダ(Mazda)であり、実は「ルーチェ(Luce)」という名称は1960年代から1990年代にかけてマツダがロータリーエンジンなどを搭載して販売していた伝統的な高級セダンの車名です。

マツダがこの国際商標の更新をうっかり失効させた隙にフェラーリがこの名前を静かに「登録」して自社のEVに名付けたという背景があるとも言われていて(事実はもっと複雑である)、マツダはこの権利関係について直接文句を言う代わりということなのか、1960年代の傑作と名高い「初代マツダ・ルーチェSS」の美しい写真を公式SNSにただ1枚、静かに投稿することに。

そしてこの投稿につきキャプションは一切なく、しかしそれは「本物の美しいルーチェとは、こういうクルマのことを言うのだ」という、フェラーリに対する最高にエレガントで強烈な皮肉(リベンジ)だと受け止められており、この投稿には「マツダがあのフェラーリを煽り倒している」として、瞬く間に数千件のいいね!が集まっているというのが現在の状況です。


なぜフェラーリの最新デザインはこれほどまでに叩かれるのか?

今回のフェラーリの”デザイン的失態”とされる一件は非常に興味深いテーマでもあり、かつてピニンファリーナなどの名門デザインハウスと共に、世界で最も美しいスポーツカー(355や458イタリアなど)を生み出してきたフェラーリではありますが、近年、自社デザイン(インハウス)に切り替えて以降、その造形を巡って議論が起きることが増えています。

さらに今回はブランド初となる「完全電動化(EV)」への挑戦という事情もあり、EVは内燃機関の車と異なってフロントに巨大なエンジンを積む必要がないためにフロントセクションを短く取って(Aピラーを前に移動させて)室内の居住空間を広く取れるというメリットも。

しかしそのメリットを追求した結果、従来の「ロングノーズ・ショートデッキ」というフェラーリのフロントエンジン車が持つ”伝統の美しいスポーツカーの黄金比”が崩れてしまい、どうしても一般的なコンパクトカーや、効率重視のワンボックス(ハッチバック)形状に近づいてしまうという技術的・デザイン的なジレンマ(罠)が表面化してしまったわけですね。

元フェラーリの最高経営責任者(CEO)であるルカ・ディ・モンテゼーモロ氏でさえ、「このデザインは酷すぎる。これでは普段なら何でもコピーする中国のメーカーですら、真似するのを躊躇するレベルだ」と漏らしたと報じられており、今回のデザインに対する風当たりの強さは一過性のものとは言えそうにない、というのが現在地です。

フェラーリのEV、ルーチェのエクステリア〜リア
フェラーリ初のEV「ルーチェ」のデザインに対して”元身内”、かつて同社CEOを努めたモンテゼーモロが「中国人もコピーしない」「跳ね馬のバッジを外すべき」と酷評

Image:Ferrari | ただしルーチェの発表によってフェラーリは一気に「これまでリーチしなかった層にその名を轟かせる」ことになる | さらにイタリア副首相までもがルーチェに対して批判的な発言を ...

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最後に笑うのはネット民か、それとも予約を埋め尽くすフェラーリか

さらにはスイスの老舗チョコレートブランド「トブラローネ(Toblerone)」までが公式SNSでフェラーリを揶揄するパロディ画像を投稿するなど、現在のインターネットはまさに「フェラーリいじり」のお祭り状態となっていますが、自動車業界のみではなく異業種をも巻き込んでここまで公然と(そしてユーモラスに)火花を散らす例は非常に珍しく、同時にこれは今の時代を象徴するエンターテインメントとも言えるもの。

しかしこの状況を逆手に取ったのはフェラーリであることも間違いなく、ネットによる炎上を見越して「ルーチェは今までのフェラーリとは異なる」ということを世界中に知らしめることに成功し、おまけにフェラーリはルーチェを従来の客層とは異なる人々へとアピールし、これまでフェラーリに関心を持たなかった富裕層にリーチすることにも成功したのだとも考えられ、どれだけネットで「Appleのマウス)のようだと叩かれようとも、ルーチェのオーダーシートは世界中の大富豪たちのサインによってすでに数年先まで埋まり始めているのかもしれません。

よって、今がどうであろうとも、そしてネット上でどれだけ叩かれようとも、最後にチェッカーフラッグを受けて高笑いをするのは日産でもマツダでもなく、イタリアのマラネロ(フェラーリ本社)なのかもしれませんね。

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参照:CARSCOOPS,MAZDA, etc,

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