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フェラーリの中古市場が「崩壊」?SF90や296系ハイブリッドモデルの驚異的な下落、一方でF355 / 458など買うべき/あるいは慎重になるべきモデルとは【動画】

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| 今、フェラーリの中古市場で何が起きているのか? |

これほどまでに「フェラーリの購入」が難しい時代はかつてない

現在フェラーリの中古市場は「混乱」状態にありますが、それについての考察を述べた動画が公開に。

フェラーリというと「(とくにミドシップ系は)買っても損をしないクルマ」の代名詞であり、優れた投資対象として長年認知されてきた存在です。

「ハイブリッド系」フェラーリの価値が大きく下がっている

ただし直近だと「損をしない」という部分においては大きな変化が生じており、そして最新のフェラーリの中古市場では、新旧モデル間で価値の二極化が進むという前例のない事態が発生していて、特に知っておくべきポイントは以下の通り。

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最新ハイブリッドモデルの価値急落: SF90系と296系は購入後驚異的なスピードで価格の下落が進行中。直近だと296GTSが18.1%減、SF90ストラダーレが15.5%減を記録しており、これは今までのフェラーリでは「考えられない」現象

旧ICEモデルの価格高騰: F8のようなICE(内燃機関)モデルの価格は安定、またはわずかな下落にとどまっています。特に360 チャレンジストラダーレや458 スペチアーレなどのスペシャルモデルは、40%以上も価格が高騰するという異常な事態に

市場全体は堅調: このハイブリッドモデルの急落は一般のスポーツカー市場やフェラーリのICEモデル市場の傾向とは逆行しており、市場全体が弱いわけではない

示唆される要因: 値落ちの激しさ「最新モデルのデザインが受け入れられない」からではなく、ハイブリッド・パワートレイン採用といった固有の要因に起因している可能性が高いと分析されている

フェラーリ中古車市場の現状と車種分析

上述の通り、フェラーリの新車は比較的価値を保つことで知られていたものの、最新のハイブリッド・パワートレインを搭載したモデル(SF90系や296系)はその常識を打ち破る速さで価値を失っているのが現在の状況です。

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これは単なる一時的な(コロナ禍以降の相場上昇による)価格調整なのか、それとも市場がフェラーリに対して何らかの明確なメッセージを送っているということなのか。

ここで動画の内容に基づき、最新モデルと旧モデルの価格動向、その要因を比較することで現在の市場の「異変」を考察してみたいと思います。

価格動向の徹底分析と異常な値下がりの「スペック」

市場の価格動向を分析すると、ハイブリッドモデルがいかに激しい減価償却に直面しているかが明確になりますが、「値下がり」は総所有コストの重要な部分であるため、これらの数値は非常に重要。

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異常な減価償却に直面するハイブリッドモデルの現実

上述のとおり、SF90系と296系は導入直後から驚異的なスピードで価格が下落し続けていますが、フェラーリのメインマーケットである北米だと以下の通りの状況です。

ハイブリッドモデルの年間減価償却データ(2023年実績)

モデル名形式直近の年間値下がり率補足情報
296クーペ18.1%減
SF90クーペ15.5%減MSRP+オプションで約74万ドルの車が30万ドル以上の損失を計上
296スパイダー14.4%減
SF90スパイダー11.7%減

特に注目すべきは「やはりオープンモデル(スパイダー)のほうが値落ち幅が小さい」ということ、SF90ストラダーレの大幅な値下がりによって296GTSと価格が重複し始めているという点。

なお、SF90ストラダーレは中古車の供給が減少し、直近だと販売速度が上がっているというトレンド逆転の兆候も見られるそうですが、「値落ち」は依然として高い水準にあるのが現実です。

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旧ICEモデルとの比較:減価償却率の決定的な差

このハイブリッドモデルの急落が、単に「新車だから」ではないことは他のモデルとの比較からも明らかで、F8や488系といった他のモデルは、同様の比較においてSF90系や296系よりもはるかに減価償却が少ないことが分かります。

したがって、この高い「値落ち」率は「新車だから」ではなく、ハイブリッドシステムといった固有の要因によって引き起こされている可能性が高い、と見られているわけですね。

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ただ、もう一つの理由として「ハイブリッドだから」のほか、「新車価格があまりにも高すぎる」という現実も否定できず、フェラーリの値付けが「市場の評価と乖離している」という事実をあらわす一つのシグナルなのかもしれません。

比較モデル期間ハイブリッドモデルの価格下落率ICモデルの価格下落率差の要因
SF90クーペ vs F8スパイダー2023年9月以降32.1%減9.9%減F8スパイダーの方がはるかに優位
2023 296クーペ vs 2023 F8スパイダー25%減8%減差は非常に大きい
SF90クーペ vs 488スパイダー2024年6月以降22.4%減10.5%減SF90の下落が倍以上

市場の寵児となるICEモデルたち

ハイブリッドモデルの価格が落ち込む一方、ICEモデルの中古価格は”強含み”。

特に、スペシャルモデルの価格上昇は「前例のない」レベルに達しています。

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  • スペシャルモデルの高騰: 360チャレンジストラダーレ、488 ピスタ、458 スペチアーレ、F430 スクーデリアはすべて対前年比で40%以上価格が上昇し、特に458 スペチアーレの上昇は、過去のパンデミック時の上昇をも上回る勢い

  • 安定または上昇する通常モデル: F8系や488系のような比較的最近のICモデルも価値を保っており、F12や812の価格トレンドも安定期を経て上昇に転じ始める。F355、458イタリア/458スパイダーといったクラシック/ネオクラシック系は価格上昇傾向

  • 要注意: 360モデナ/360スパイダー、F430は未来予想が不確実であり、手を出すのは「一種のギャンブル」

この傾向は、市場全体が弱体化しているわけではないことを裏付けていて、一般的なスポーツカー/スーパーカー市場の(北米における)平均年間値落ち率は、2025年には約4.8%から1%に減少しており、市場全体はむしろ強化されているという状況。

マクラーレン・アルトゥーラでさえ8.3%の値落ち率にとどまっているというので、いかにフェラーリSF90系 / 296系の値落ちが大きいかがわかるかと思いますが、アルトゥーラの場合は「新車価格がSF90系 / 296系ほど高くない」という事情も関係しているのかもしれません。

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結論:賢明なバイヤーが今取るべき戦略

SF90系 / 296系の値落ち率は、他の新しいフェラーリや、全体として反対方向に動いている市場と比較しても、異常に高い状態が続いています。

よって動画では、「もしあなたが価値を意識するバイヤーで、中古のフェラーリを探しているならば、低走行距離の296系やSF90系を選ぶことは、価値の観点からは”悪いアイデア”である」とまで言及しており、これらは「オススメしない」リスト入り。

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対照的に、F8系のような少し古いモデルの方がはるかに価値を保持しており、また価格が高騰している458 スペチアーレや488 ピスタなどのスペシャルモデルは市場で非常に強く評価されていて、これらのICEモデルを選択することはパフォーマンスと減価償却のバランスを考慮した場合のスマートな選択肢である、とも。

もちろん、パフォーマンスの観点では最新のハイブリッドモデルに軍配が上がり、しかし現在の市場データはパフォーマンスよりも伝統的な内燃機関の価値、特にその「希少性」を評価する傾向が強まっていることを示唆しているのかもしれません。

更に補足するのであれば、フェラーリの「通常モデル」と「限定モデル」では大きく事情が異なり、限定モデルだと「希少性」「資産価値」が評価されて価格が上がっていると考えられるものの、通常モデルでは「必ずしもそうではなく」、単にスーパーカーあるいはスポーツカーの中の選択肢の一つとして選ばれる傾向が強いとも考えています。

よって、それら通常モデルはフェラーリの新車や中古車、あるいはフェラーリ以外のポルシェやマクラーレン、ランボルギーニなどの新車や中古車との「比較」によって検討されることになるのだとも考えていますが、SF90系や296系は単に「(新車価格が)高すぎる」ため、スーパーカー市場全体の「平均相場」に落ち着くべく値下がりしているのかもしれません。

そしてその平均相場は「新型車の値付け」によって引き上げられる傾向にあり、F8系や488系といった「非限定」フェラーリはこの「最新モデルの新車価格」の影響を受けて相場が上昇している可能性も考えられ、とにかくここ最近のフェラーリの「中古相場」には複雑な要因、そしてここ最近ならではの「ハイブリッド」「インフレによる新車価格の高騰」など様々な要因が絡んでおり、当面は”読めない”状況が続くこととなりそうです。

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フェラーリ社の現状

興味深いことに、ハイブリッドモデルの価値が急落しているにもかかわらず、フェラーリ社そのものは非常に好調であり、多くの競合他社よりも業績が優れています。

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受注残は満杯であることから、新規顧客はこれらの高い値落ち率をまだ気にしていないか、もしくはスペシャルモデルへのアクセス権を得るためのコストとして受け入れているのかもしれません。

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その一方、将来的にはハイブリッドモデルの中古市場における価値下落が問題を引き起こす可能性も指摘されており、もちろんフェラーリはこれを理解しているはずで、「中古市場でのテコ入れをどこかで行うのか」「このまま新車価格を引き上げ続けるのか」など疑問もたくさんありますが、849テスタロッサ、そしてアマルフィの値付けを見るかぎり、フェラーリが「割安な価格設定を行う」ことは期待できないのかもしれませんね。

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