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「もう一つのアルピナ」。創業者一族がBMW M4をベースに製作した「ボーフェンジーペン・ザガート」受注開始。M4「4台分の価格」に611馬力、世界限定99台

BMW M4ベース、ボーフェンジーペン・ザガートのフロント(ブルー)

Image:Bovensiepen

| M4が4台買える?ただし「ザガート」としてはかなりお求めやすい部類でもある |

ザガートらしい「ダブルバブルルーフ」も健在

BMW公認のチューナーとして名を馳せた「アルピナ」創業家が”新たなプロジェクト”を始動させると発表したのがほぼ1年前。

そして今回、そのプロジェクト第一弾となる「ボーフェンジーペン・ザガート」の受注を開始したとアナウンスしており、イタリアの名門デザインハウス「ザガート」とタッグを組み、BMW M4をベースに究極のエクスクルーシブを追求したこの一台の詳細を見てみましょう。

BMWに買収されたアルピナの創業者一族がザガートとのコラボによる超高級GT「ボーフェンジーペン」を発表。ベースはBMW M4
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この記事のポイント

  • 世界限定99台のみ、アルピナの本拠地ブッフローエで製造
  • 611馬力(602hp)を発揮し、0-100km/h加速はわずか3.3秒
  • 全てのパネルをカーボン製に刷新。ザガート伝統の「ダブルバブルルーフ」を採用
  • 価格は36万9495ユーロ(約6,700万円)。標準のM4約4台分に相当
BMW M4ベース、ボーフェンジーペン・ザガートのリア(ブルー)

Image:Bovensiepen

アルピナの遺伝子とザガートの美学が融合

BMWがアルピナを完全子会社化した後、アルピナの創業者ブルカルト・ボーフェンジーペンの息子であるアンドレアス氏が率いる新会社が放つ第一弾プロジェクトがこの「ボーフェンジーペン・ザガート」。

ベース車両はBMW M4 コンペティションだとアナウンスされているものの、しかし実に400点以上の専用パーツが投入され、熟練の職人が250時間以上をかけて1台を組み上げるという珠玉の一台です。

詳細:「ボーフェンジーペン・ザガート」

ボーフェンジーペン・ザガートは、スペックと芸術性の両立を目指しているといい・・・。

主要スペック一覧

項目スペック詳細
ベース車両BMW M4 Competition (G82)
最高出力611 PS (602 hp)
0-100km/h加速3.3 秒
トランスミッション8速オートマチック
排気システムアクラポビッチ製チタンエキゾースト
外装フルカーボンボディパネル、ダブルバブルルーフ
生産台数世界限定 99台
価格約6,500万円(€369,495)

デザインの特徴:ザガート流の「再解釈」

最大の特徴は、その独創的なスタイリンにあるとも考えられます。

  • フロントマスク: BMW伝統のキドニーグリルを再構築した新しいフェイス
  • ルーフライン: ザガートの象徴である「ダブルバブルルーフ(2つの隆起)」を採用
  • リヤ周り: カーボンパネルを多用し、i8を彷彿とさせる複雑な曲面構成でワイド感を強調

なお、アルピナのお約束でもあったフロントバンパー下部の「ALPINA」ロゴは「Bovensiepen」へと置き換えられ、やはりアルピナ独特とも言える20スポークホイールは新しく解釈された「10スポーク”ダブル”」へ。※つまりアルピナの雰囲気を継承している

BMW M4ベース、ボーフェンジーペン・ザガートのサイド(ブルー)

Image:Bovensiepen

BMWアルピナが再始動。「最初のティーザー画像」として伝統の20本スポーク刷新を提示、現代的にリニューアル
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一方でインテリアはBMWの面影を強く残しており、最高級のラバリナ・レザー(Lavalina Leather)を全面に使用した贅沢な仕立てを持ちつつも、ダッシュボードや操作系はM4の機能性をそのまま引き継ぐことで日常の使い勝手も犠牲にしていないことがわかります。

競合比較とそのポジション

このクルマの競合はもはや通常の量産車ではなく・・・。

  • BMW M4との比較: ドイツ国内でM4が約1,600万円〜に対し、ボーフェンジーペン・ザガートはその4倍近い
  • 位置付け: ポルシェの「911 S/T」やフェラーリの「限定モデル」に匹敵する”コレクターズ・アイテム”としての側面が強い

「M4は街中に溢れているが、自分だけの特別な1台が欲しい」という超富裕層にとって、アルピナの技術力とザガートのデザインが保証されたこのクルマは究極の選択肢となりえるのかもしれません。

新会社「ボーフェンジーペン」が示す未来

アルピナという偉大なブランドがBMW傘下に入った今、ボーフェンジーペン家は「少量生産のコーチビルド(特注車)」という道を選択していて、これはかつてのフェラーリやランボルギーニがそうであったように、「量産メーカーが作れない、より過激でアーティスティックなクルマ」を求める層に向けたメッセージです。

電動化が進む自動車業界において、あえて3.0L直6ツインターボのエンジンフィールにこだわり、伝統的なイタリアンデザインを纏わせる。これは内燃機関時代の最後を飾る、贅沢な「恩返し」とも言える存在ではないかとも考えています。

結論

ボーフェンジーペン・ザガートは「高級なだけのBMW」と断じることではできないクルマであり、それはドイツの精密なエンジニアリングとイタリアの情熱的なデザインが「かつてのアルピナの拠点で結実した」コーチビルドの歴史を体現するかのような一台。

6,700万円という価格は決して安くはありませんが(それでもザガートの名を冠した少量生産モデルとしては高くはない)、世界でわずか99人しか所有できないその希少性、そしてアルピナ創業家の新たな門出を祝う価値を考えれば、即座に完売することは間違いないと目されています。

なお、オンラインコンフィギュレーターも公開されており、そのカスタマイズの奥深さを体験するだけでもクルマ好きにはたまらない時間になりそうですね。

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参照:Bovensiepen

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