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| ついに日本でも「マンタイキット」が公道とサーキットの境界を破壊する |
非常に高額なオプションではあるが、その価値はあるだろう
すでに欧州、として米国の一部にて提供されていた992.2世代向けの911 GT3「マンタイキット」がついに日本でも購入と装着が出来るように。
この「マンタイ」とはポルシェを使用してニュルブルクリンクを舞台としたレースを中心として大きな成功を収めた「マンタイ・レーシング」を指しており、そのマンタイ・レーシングが豊かな経験を活かして開発した「ニュル必勝パッケージ」がこのマンタイキットというわけですね。
この記事のポイント
- ニュルブルクリンクで6分52秒981の驚異的タイムを記録※マンタイキット非装着(992)では6分59秒927
- 最大540kgのダウンフォースを発生させる、最新の空力パッケージ
- 工具不要で4段階調整可能な専用アルミ製コイルオーバー・サスペンション
- 約940万円(税込)という価格に見合う、ポルシェ純正保証維持の安心感

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伝統のコースで証明された「本物」の性能
ポルシェはもちろん、全スポーツカーにとっての聖地、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ。
全長20.8kmのこの過酷なコースを「どれくらいのタイムで走ることができるか」はスポーツカーにとっての重要な指標でもありますが、マンタイキットを装着した911 GT3は、DTM王者アイハンカン・ギュベンの手によって6分52秒981というタイムを叩き出しています。
マンタイキットについて特筆すべきは「パワーアップを伴わないこと」で、つまることろエンジンパワーに頼らずエアロパーツ(空力)、サスペンション、そしてブレーキのみによってタイムの圧縮がなされていること。
このキットの開発にはおよそ1年を要したそうですが、風洞実験と数千キロのテスト走行による「精密な調律」の結果を見てみましょう。
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911 GT3 マンタイキット:主要スペックと構成
このキットは上述のとおり空力・足回り・ブレーキの三位一体で構成されており・・・。
| カテゴリー | 主な装備・特徴 |
| エアロダイナミクス | 540kgのダウンフォース(285km/h時)、カーボン製大型リアウィング、12mm延長されたフロントリップ |
| アンダーボディ | 150cmサイズのエアディフレクター、平滑化されたフロントアンダー |
| サスペンション | アルミ製4way調整式コイルオーバー(工具なしで減衰調整可能) |
| ブレーキ | スチールメッシュ・ブレーキライン、レーシング・ブレーキパッド |
| ホイール(オプション) | 20/21インチ軽量鍛造アルミホイール(標準比-6kgの軽量化) |
| 価格(税込) | ¥ 9,408,300(フロントリフト装着車用) |
詳細:細部に宿るモータースポーツの魂
1. 「形は機能に従う」究極のアンダーボディ
このG911 GT3用マンタイキットに含まれるアンダーボディパーツは同キット史上「最も効率的」だといい、150cmにおよぶ「ターニングベーン」を設置することでフロア下の気流を最適化。路面に吸い付くような安定性を実現し、コーナリングスピードを異次元のレベルへと引き上げます。

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2. 精密なコントロールを可能にするサスペンション
専用のコイルオーバー・サスペンションは、フロントで+20%、リアで-7%のスプリングレート調整が施されており(リヤが柔らかく変更されている点には要注目)、最大の特徴は工具なしで減衰力を4段階に調整できる点で、サーキットの路面状況に合わせて、その場で最適なセットアップが可能なのだそう。
3. 視覚的な満足度を高めるカスタマイズ
性能だけでなく、所有欲を満たす演出も抜かりなく・・・。
- イルミネーション付カーボンドアシルパネル
- LEDドアプロジェクター(Mantheyロゴ)
- カーボン製エアロディスク(ホイール装着)
- オプションでカーボンボンネットアウトレットや牽引フックも選択可能

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GT3 RSとの関係
マンタイキット装着のGT3は、ある意味で「GT3 RSに最も近いスタンダードGT3」へと911 GT3を進化させるもの。※911 GT3 RSのニュルでのタイムは6分49秒328
GT3 RSが極端な空力とワイドボディでサーキットに特化しているのに対し、マンタイキット装着車はGT3のスマートなボディラインを維持しつつ、RSに匹敵する走りを手に入れることが可能です。
さらにはポルシェ正規販売店での取り扱いとなるため、車両保証が継続される点は他のチューニングメーカーにはない圧倒的なアドバンテージとなり、マンタイキットの提供はポルシェを愛する純粋主義者にとって「天啓」にも近い福音となるのかもしれません。
なぜ「940万円」を払う価値があるのか?
一見すると高価なキットではありますが、その価値は「調和」にあり、サスペンション、ブレーキ、空力パーツを個別に社外品で揃えたとしても「これほど高い次元でバランスさせる」のは至難の業。
特に「ハイダウンフォース専用のタイヤ承認(ミシュランCup2/R等)」まで含めたトータルパッケージは、ポルシェとマンタイとの深い協力関係があるからこそ実現したものであり、「公道を走ってサーキットへ行き、ベストタイムを更新して、また快適に自走して帰る」。このポルシェの理想を最も高いレベルで体現したのが、このキットということになりそうです。

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結論
新型911 GT3 マンタイキット(Type 992.2)は、週末のサーキット走行をこよなく愛するポルシェオーナーにとって究極のアップグレードとなることは間違いなく、940万円という投資はパーツ代への投資ではなく、ニュルブルクリンクで証明された「絶対的な自信」と「コンマ秒単位のタイム」を買うことに他ならない、と考えています。
マンタイキットの装着を検討する際、リセールバリュー(再販価値)への影響を気にする人も多いかもしれませんが、ポルシェ公式のパフォーマンスキットは、中古車市場でも「希少な付加価値」として非常に高く評価される傾向にあり、将来的な価値も含めた投資だと考えるのがスマートな判断なのかもしれませんね(940万円のうち、いくばくかは返ってくるであろうという考え方)。
なお、マンタイキットの取扱は一部ポルシェセンターに限られており、現時点でのリストは以下の通り。
マンタイキット取り扱いポルシェセンター(日本国内)一覧
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