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新型BMW M3の最新ティーザー画像が公開、ル・マン・レーサー「M V8ハイブリッド」直系の「黄色い眼光」を移植。新デザイン要素「左右の4つのドット」も

新型BMW M3のティーザー画像(M V8ハイブリッドとともに)

Image:BMW

| まさか新型M3が「V8エンジン」を積むことはないと思われるが |

ただしBMWはそのプレゼンスを強化するために「V8を積まない」とは限らない

世界中のスポーツセダンがベンチマークとし、走りの絶対王者として君臨し続けている「BMW M3」。

40年近い歴史の中で、時代の要求に合わせてその心臓部や姿を変えてきた名車ではありますが、まもなく迎える次世代へのフルモデルチェンジ(G84型およびEV版のZA0型)では、これまでにないほどドラスティックな変革を迎えようとしています。

そしてBMWの高性能車部門「BMW M」のCEOであるフランシスカス・ファン・ミール氏が自身のInstagramに投稿した1枚のティザー画像が今、世界中のエンスージアストたちの間で大きな波紋を呼んでいて、暗闇の中に浮かび上がるのはル・マン24時間レースなどを戦う耐久レーシングカー「M Hybrid V8」のDNAを色濃く反映した”鋭く光る「イエローのLEDライト」”のグラフィック。

まずは、今回のティーザー画像から判明した次世代M3に関する重要ポイントをチェックしてみましょう。

この記事の要約

  • 「イエローLED」の全面採用: これまでCSやCSLといった超限定モデル専用だった「黄色い眼光(DRL)」が次世代のスタンダードM3にも標準採用される可能性が浮上
  • 伝統のライトシグネチャーが縦型に: 伝統的な水平基調から、ル・マンレーサーや新型EV(i3/iX3)の流れを汲む「垂直(縦型)スラッシュ形状」のデザインへと刷新か
  • V8ハイブリッド搭載の噂も: ニュルブルクリンクでのテスト走行で目撃された排気音やティザーの文脈から、直6ターボの継続だけでなく、まさかの「V8ハイブリッド」復活という驚愕のシナリオも浮上

ル・マンのDNAを宿す「黄色い眼光」がストリートへ

まずBMW MのCEO、フランシスカス・ファン・ミール氏はインスタグラムへの投稿にて「イエローLEDはBMWのレーシングDNAの一部であり、それが間もなくストリートへやってくる」と明言。

現在、イエローのデイタイムランニングライト(DRL)は「M4 CSL」や「M3 CS」といった、モータースポーツ直系の最高峰プレミアムモデルにのみ許された特権的なデザイン要素でもあり、しかし公開された最新のティザー画像では、次世代M3と思われるシルエットの中にこの象徴的な黄色い光のラインをはっきりと確認することが可能です。

さらに注目すべきはその「形状」で、BMWのアイコンである2灯式のヘッドライト・シグネチャーが、これまでの横型から「垂直(縦型)」へと配置を変更しているようにも見え、これは同社のLMDh(ル・マン・デイトナ・h)プロトタイプEVレーサーである「BMW M Hybrid V8」がフロントマスクに採用している垂直LEDライトと完全にリンクしています。

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BMWの歴史においてヘッドライトが縦型に配置されたのは、過去を振り返ってもオープンロードスターの「Z4(G29型)」くらいであり、非常に大胆なデザイン改革がいま行われようとしている、というわけですね。

なお、フロントバンパーには、やはりM V8ハイブリッドと同様の「片側2つ、縦並びの」ドットを確認できますが、これは先日「リーク」された画像とも一致しており、新型M3は非常に大きなデザイン的進化をたどることとなりそうです(そして今回ほど市販車とレーシングカーとがシンクロする例はBMWの歴史において見られない)。

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直6マイルドハイブリッドか、それとも衝撃の「V8ハイブリッド」か?

デザイン以上に世界中のファンを震撼させているのが、その「パワートレイン」の予測であり、次世代3シリーズ(G50型)およびM3は100%電気自動車(BEV)となる「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」プラットフォームを採用したEV版(ZA0型)、そして従来のCLARプラットフォームを進化させた内燃機関(ICE)版(G84型)とが併売されることが確実視されています。

今回のティーザーに登場したモデルがガソリン(ICE)車かEV車かは明言されていませんが、自動車ファンの間では「内燃機関モデルに、ル・マンレーサー譲りのV8ハイブリッドシステムが載るのではないか」という期待が最高潮に達しており、というのも、以前にニュルブルクリンクで目撃された次世代M3の開発車両(テストミュール)の4本出しマフラーからは、従来の直列6気筒(S58型)とは明らかに異なる、地を這うような「低く図太い排気音(V8特有のドロドロ音)」が響いていたという証言が相次いでいるから。

次世代BMW M3 パワートレイン予想・スペック比較

【有力説】直6マイルドハイブリッド(G84)【期待説】ル・マン直系 V8ハイブリッド
エンジン形式3.0L 直列6気筒 ツインターボ(S58改良型)4.0L V型8気筒 ツインターボ(P66/3ベース)
過給機/電動化ターボ + 48Vマイルドハイブリッド(Euro7対応)ツインターボ + 高出力モーター内蔵ハイブリッド
最高出力(予想値)約 650 hp 〜 700 hp700 hp 〜 800 hp オーバー
駆動方式xDrive(4WD / 後輪駆動モード付)xDrive(4WD / 後輪駆動モード付)
ライバル想定メルセデスAMG C63 S E-PERFORMANCE(直4 PHEV)アウディRS 5 次期型、ポルシェ911 カレラGTS(T-Hybrid)

もしBMWが、ティザー画像で「M Hybrid V8」を引き合いに出した理由がライトのデザインだけでなく、その「心臓部」にもあるとすれば、耐久レーサーが積む4.0リッターV8ツインターボ「P66/3」型エンジン(レース規制下で640馬力)をストリート用にデチューン、あるいは市販V8をハイブリッド化して搭載する可能性が考えられます。

これが実現すれば、システム総合出力は700〜800馬力の大台に乗ることは確実で、直4プラグインハイブリッドへと舵を切った宿敵「メルセデスAMG C63(ただし不人気につき直4は廃止)」や、電動化を進めるアウディ「RS 5」に対し、圧倒的なパフォーマンスで引導を渡す“絶対的な悪魔”が誕生することになる可能性もあるわけですね(ただ、BMWが直6を捨てるとは考えにくいが)。

「直6至上主義」を覆してきたM3の破壊的イノベーションの歴史

ここで、古参のBMWファン(ピュアリスト)の視点に立つと、「M3の伝統であるシルキーシックス(直列6気筒)を捨てる(あるいはハイブリッド化する)とは邪道だ」という意見が必ず出てくるのではないかと思います。

しかし、BMW M3の40年の歴史を振り返ると、実は彼らは「勝つため、そして時代をリードするために、常に過去の伝統を破壊し続けてきた」という事実が見えてくるのもまた事実。

  • 初代(E30型): レースで勝つための超高回転型「2.3L 直列4気筒」
  • 2代目・3代目(E36/E46型): 伝説の「直列6気筒(NA)」時代。ここで直6のイメージが定着
  • 4代目(E90/E92/E93型): 直6を捨て、F1由来のテクノロジーを投入した高回転型「4.0L V型8気筒(NA)」を搭載し世界を驚かせる
  • 5代目・6代目(F80/G80型): NA(自然吸気)を捨て、時代の要請に合わせて「直列6気筒ツインターボ」へと回帰・進化
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このように、M3は決して「直6だけのクルマ」ではなく、かつてE90系がV8を積んだ時のように、今回の次世代モデルが「過酷な欧州の排ガス規制(Euro7)をクリアしつつ、ライバルを圧倒するパワーを得る」ために、ル・マン譲りのV8ハイブリッド、あるいは高度に電動化された新世代パワーユニットを選択することは、Mの歴史においては極めて正当な進化の系譜であると考えることも可能です。

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そしてM3がV8を積むことについては、上述のような「BMWの立ち位置を示すうえで」非常に有効でもあり、すでにV8ハイブリッドが存在するという事実、モータースポーツとの関連性を強調しMブランドの優位性を確立するという戦略(とくにBMWはここを意識しているはず)を考慮しても「理にかなって」おり、しかし懸念されるのは(M5で指摘された)その重量、そしてM5との「差別化」。

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さらにこのV8ハイブリッドシステムは非常に高価でもあり、性能面はもちろん価格面においてもM3とM5との差が小さくなるうえ、M3の価格がアウディRS、メルセデスAMGの発売する対抗車種と大きくかけ離れてしまい、もしかすると「ポルシェ911のベースモデルや”S”よりも高価になる」可能性すら出てきます。

そう考えるならば、パフォーマンスよりも「自社内と他社との」バランスを考慮して、直6+マイルドハイブリッドにてM3を発売するほうが「トータルでの販売を伸ばせる」のかもしれません。

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Image:BMW

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結論

BMW Mのボスが仕掛けた今回のティザーは、「ヘッドライト(デイライトランニングランプ)の色が変わる」という外観上の予告に留まらず、次世代M3がモータースポーツのテクノロジーをかつてないレベルでダイレクトに市販車へ移植してくるという、強力なステートメント(宣言)にほかなりません。

新世代3シリーズ(G50型)のベースモデルは2026年後半にもワールドプレミアされる予定ですが、本命であるフルファットのモンスター「M3(G84/ZA0)」がそのベールを脱ぐのは2027年〜2028年頃と予想されています。

1,000馬力級の異次元の加速を手に入れる4モーターの「M3 EV」と、ル・マンの咆哮を轟かせるかもしれない「M3 ハイブリッド(ICE)」。

どちらを選んでも、フロントでギラリと光るイエローの眼光は、バックミラーに映るだけで先行車を震え上がらせる恐怖の象徴となるに違いなく、王者の次なる一手に、世界中が固唾を呑んで注目している、というのが今の状況です(ただ、イエローの発光色は許可されていない国や地域があり、その場合はホワイトになるものと思われる)。

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参照:Franciscus Van Meel(Instagram)

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