
| 誇張ではなくフェラーリF80は「レーシングカーに市販車のガワを被せた」クルマである |
この空力ボディは「モノコック」では実現できない
さて、フェラーリF80の実車を見てぼくが感じたこと「後編(とても前編1本だけの内容では収まらなかった)」。
フェラーリF80のデザインにおける素晴らしさは「画像や動画では伝わりにくい」と述べましたが、それは近年のデザイン技術が大きく向上し、それまでに比べると「複雑なデザインが可能になり」「微妙な面構成ができるようになって」「表現の自由度が増したこと」にあるとも考えています。※そう考えると、画面で見る以上の情報を実物から読み取ることができる人間の目はかなり高性能である
たとえば、フェラーリF80のように「実車と画面上とでは印象が異なる(つまり写真写りが実車のレベルに達していない)」クルマとしてはアストンマーティン各モデルが端的な例だとも考えているのですが、今後は「実車を見ないと」魅力が伝わりにくいクルマが増えてくるのかもしれません。

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誰だ「F80がイマイチ」と言ったのは・・・。フェラーリF80の実車を初めて見たがとんでもなくカッコいい。まさにフェラーリの「集大成」である【動画】
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フェラーリF80のハイライトは「サイドのインテーク」
前編では「フロントからサイド、そして下回り」を見てきましたが、今回ぼくが声を大にして伝えたいのが「サイドのエアインテーク」。
このエアインテークはF40に採用されていたNACAダクトを現代風に解釈したもので、そしてフェラーリのデザインチームはこれを「今風にするだけではなく」立体構造をもたせるという「建築物的な」部位へと仕上げています。

そしてカーボンパーツと塗装部分につき、単に「色が塗られているかどうか」ではなく、機能や役割そのものが異なっていることについても触れましたが、F80の「上半分」について、カーボン部分はキャビン部分というかクルマの「コア」を形成しているように感じます。

そして塗装部分がその上に被せられる「ガワ」というか「スキン」という印象で・・・。

その印象は塗装部分が「フロート」していることで一層顕著に。

ラップアラウンド形状を持つフロントウインドウからサイドを伝わったエアがこのNACAダクトを通じてリヤセクションへと吸い込まれるわけですね。

拡大するとこう(ダクトの中にはいくつかのエアチャンネルがあり、それぞれ別のルートへとエアが導かれるようだ)。

ちなみにリアカウル上にあるダクトもF40へのオマージュ(6気筒なのでダクトは6つ)。

このダクトも「ただ穴が空いているだけ」ではなく、ダクト周辺が複雑な形状を持っていることがわかります(ここも画像や動画ではなかなか理解が難しい)。

さらにはリアフェンダー後部(ウイングステーあたり)にもエアインテークがあって、F80は全体的に見て「積極的に空気を取り入れて出す」という構造を持つことがわかり、そしてこれを可能とするのは「レーシングカーである499Pと同様の思想で設計された」車体構造であると考えられ、モノコックボディではとうてい実現し得ない(レーシングカー同様の)骨格を持つことがわかりますね。

なおリアウイングはもちろんカーボンファイバー製で・・・。

テールランプは「埋込式」ではなく独立したパーツとなっていますが、車体形状と完全にマッチしたデザインに。
なお近年のフェラーリは「クルマとして必要なパーツ、たとえばライティング類やドアハンドルなどを隠す」傾向にあり、これが最新のフェラーリを「未来っぽく」見せているのだと思われます。

一方で「テールパイプ」については隠そうとしておらず(むしろ違和感があるレベルで原始的なデザインが採用されている)、これはフェラーリがそのパワートレインを誇示するための矜持なのかもしれません。

こんな感じで「見どころ満載」、そしてレーシングカーとロードカーとの融合、さらには機能を視覚化したのがF80というわけですが、ビッグファイブに次ぐ最新作としてふさわしい、あるいはそれ以上の存在であるという印象。
もともとフェラーリのスペシャルモデルは(イコーナシリーズとは異なって)その時代の最先端を表現し、次世代を担う技術やデザインを示す存在でもありますが、その意味においてもこのF80は「ビッグシックスとして」完璧な存在であるといえそうですね。

フェラーリF80 / A.C.P. モーニングドライブ関連動画はこちら
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