
Image:TAG Heuer
| F1はやはり「セレブの次なる拠り所」となりそうだ |
モータースポーツの聖地で発表された、スクエアアイコンの劇的進化
1969年の誕生以来、スティーブ・マックイーンをはじめとする多くのレーサーやクルマ好きに愛され、モータースポーツのDNAを色濃く受け継いできたスクエア型時計の金字塔、タグ・ホイヤー(TAG Heuer)「モナコ」。
誰もが「レーシング・クロノグラフ(ストップウォッチ機能付き時計)」として認知しているこの名作ではありますが、これまでの常識を完全に覆す、驚くべき進化を遂げたニューモデルが発表され、その名は「タグ・ホイヤー モナコ スピード12(Ref:WBW2180.FT8133)」。
2026年5月のF1モナコグランプリ(ルイ・ヴィトンが冠スポンサーを務める特別な一戦)にて突如発表された最新作となりますが、なんと伝統のクロノグラフ機能をあえて排除し、その代わりとして自動車の頂点に君臨する「V型12気筒(V12)エンジン」のピストン運動をそのまま文字盤上に再現するという、前代未聞の超絶メカニズムを引っ提げての登場です。

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ここでは、ルイ・ヴィトンが誇る最高峰の時計工房との共同開発によって生まれた「キャリバー TH84-00」の仕組みや詳細なスペック、そして世界限定わずか50本というこのハイエンドピースが、なぜクルマ好きの心をここまで激しく揺さぶるのか、関連する自動車文化を交えて考えてみましょう。
この記事の要点
- 伝統の破壊: 1969年以来の伝統である「クロノグラフ」を捨て、V12エンジンをオマージュした革新的な時間表示システムを搭載
- 12本のピストンが回転: 文字盤外周に配置された12本のロジウム仕上げピストンが、1時間ごとに90度回転して「時(アワー)」を表示する驚愕のギミック。
- ルイ・ヴィトンの頭脳: LVMHグループの強みを活かし、最高峰の時計工房「ラ・ファブリック・デュ・タン ルイ・ヴィトン」が手がけた特許機構「スピンタイム」をベースに専用開発
- 超希少な限定: 軽量・高剛性なグレード5チタンケースを採用し、世界限定わずか50本、価格は87,000ドル(日本円換算で約1350万円クラス)というコレクター垂涎のラグジュアリーモデル※日本国内価格は「要問い合わせ」

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文字盤を「エンジンルーム」に変えた、LVMHグループ究極のシナジー
新型「モナコ スピード12」の最大のハイライトは、文字盤そのものがまるで「ハイパフォーマンスカーのエンジンルーム」のように機能する点で、一般的な時計のように「短針(時針)」は存在せず、代わりに文字盤の周囲に円状に配置された12本のシリンダー(ピストン)が時間を表すという構造を持つのですが、中心のスケルトン加工された分針が1周(60分)するとカム機構が連動し、次の時間を担当するピストンが「ガシャリ」と90度回転。
刻印されたアラビア数字が現れることで現在の時刻を示し、それまで時間を表示していた前のピストンは再び回転して数字が隠れるという「スピンタイム」機能(ルイ・ヴィトンの十八番でもある)を採用しています。※広義では「ジャンピングアワー」の一種ともいえる。下の画像では「10時10分」

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この驚異的なキネティック(動的)芸術を可能にしたのが、新開発の自動巻きムーブメント「キャリバー TH84-00」で、これは同じLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループに属し、高度な複雑時計(ハイ・ホロロジー)を専門に手がけるジュネーブの超名門工房「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン(La Fabrique du Temps Louis Vuitton)」が開発した特許機構「スピンタイム」がベースとなっています。
このラグジュアリーな複雑機構を、タグ・ホイヤーが持つ「モータースポーツへの情熱」というフィルターに通すことで、見事にV12エンジンのピストン運動へと昇華させたというわけですが、274個の精密パーツで構成されたその動きは、シースルーバック(裏蓋サファイアクリスタル)だけでなく、文字盤側からもその骨格(オープンワーク)を通して隅々まで堪能することができ、所有する満足度を最大限に高めてくれることとなりそうですね。

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なお、現在F1は「もっともセレブから注目を集めるスポーツ」へと変化しており、グッチの参入、そしてその前にはルイ・ヴィトンとの提携を通じて「ハイブランドが続々なだれ込む」という状況。
そしてLVMH傘下のディオールはルイス・ハミルトンとの関係性を強め、タグ・ホイヤーもまたスポンサーとして復帰することとなり、当面この流れが収まる気配はなさそうです。
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タグ・ホイヤー モナコ スピード12:製品概要
ケースデザインは40mmの「モナコ」伝統のスクエア形状を維持しつつ、中身のメカニズムに合わせて極めて現代的かつテクニカルに仕立てられています。
主要スペック表
| 項目 | タグ・ホイヤー モナコ スピード12(Ref. WBW2180.FT8133) |
| ケースサイズ | 直径 40 mm(スクエア形状) |
| ケース素材 | グレード5 チタン(サテン、ポリッシュ、サンドブラスト加工の組み合わせ) |
| 風防 / ベゼル | ドーム型サファイアクリスタル / スクエア型サファイアベゼル |
| ムーブメント | キャリバー TH84-00(自動巻き / ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン共同開発) |
| パワーリザーブ | 約 45 時間 |
| 振動数 | 28,800 振動/時(4 Hz) |
| 主な機能 | 回転式ピストンによるジャンピングアワー表示、中央分針(先端レッド仕上げ) |
| 防水性能 | 30 m(3気圧防水) |
| ストラップ | ブラックラバー(テキスタイル調の型押し、レッドのハンドステッチ入り)、チタン製フォールディングクラスプ |
| 世界限定数 | 50 本(2026年12月より順次デリバリー開始) |
| 参考価格 | 87,000 米ドル (ユーロ圏:77,000 EUR / スイスフラン:70,000 CHF) |
新作 #タグホイヤー モナコ スピード12は、274個部品が融合し、レーストラックのアドレナリンをハイエンド時計製造の精度へ昇華させたタイムピース。12気筒エンジン着想の12個回転マーカーはピストン型に象られ、ダイヤル中央溝は高性能車のエンジンカバーを模しています。https://t.co/vaWg0AZtmS pic.twitter.com/gA56hUGBwz
— TAG Heuer Japan / タグ・ホイヤー ジャパン (@TAGHeuerJapan) June 5, 2026
スーパーカーオーナーのための「腕に纏うエンジン」
外観の特徴として、文字盤の中央には自動車のエンジンカバーを想起させる縦方向のグルーブ(溝)ラインが刻まれており、ケースの四隅に配置されたブラックPVDコーティングのアーチ構造によってムーブメントが宙に浮いているかのように固定されています。
これまでのモナコ(数万円〜100万円台のクロノグラフ)とは全く異なり、価格は87,000ドル(日本円換算で約1350万円以上 ※為替による)という完全にハイエンドウォッチの領域に達していて、リシャール・ミルやロジェ・デュブイ、あるいはウブロの限定モデルといった、「スーパーカーやハイパーカーのオーナーが、愛車のステアリングを握る際に合わせるためのタイムピース」としてのポジションを明確に狙っていることは間違いなさそう。
新作 #タグホイヤー モナコ スピード12は、12気筒エンジンのエネルギーを機械的なスペクタクルへ変貌。12個の回転ピストンがダイヤルを周回し、分針が一回転するごとに時間を刻み、高性能エンジンのダイナミックな動きを彷彿させる魅惑のジャンピングアワー機構を実現。https://t.co/1jbaCVHYsT pic.twitter.com/YLPYQY9c2W
— TAG Heuer Japan / タグ・ホイヤー ジャパン (@TAGHeuerJapan) June 5, 2026
なぜタグ・ホイヤーは「V12エンジン」を腕に閉じ込めたがるのか?
高級時計ブランドが「自動車のエンジン、特にV12」をテーマにする背景には、単なるデザインの模倣を超えた「エモーショナルな価値の共有」があるものと考えられ・・・。
① 「絶滅危惧種」だからこそ高まる、12気筒へのノスタルジーとリスペクト
自動車業界が電動化(EV)やダウンサイジング(4気筒・6気筒+ハイブリッド)へと急速に舵を切る中、フェラーリやランボルギーニ、ロールス・ロイスといった一握りのトップブランドが守り続けている「V型12気筒自然吸気エンジン」は、もはや生きた伝説であり、富とエンジニアリングの究極の象徴です。
機械式時計もまた、クォーツ(電池式)やスマートウォッチがあれば正確な時間は分かる現代において、「あえて複雑な歯車の組み合わせを楽しむ」という贅沢品であることは間違いなく、「効率性や実用性を完全に無視し、ただ最高峰のロマンと美しさを追求する」という点で、V12エンジンと高級機械式時計は完全に同じソウル(魂)を共有しているのかもしれません。
そしてタグ・ホイヤーは、この「消えゆくV12の咆哮と美学」を、電池を一切使わない機械式時計のマイクロメカニズムで見事に表現し直したというわけですね。
「ラ・ファブリク・デュ・タン・ルイ・ヴィトン」とのコラボレーションにより誕生した #タグホイヤー モナコ スピード12は、モータースポーツの伝統とハイコンプリケーションの熟練技が融合し、互いの限界を押し上げています。https://t.co/F09YhbjCdR pic.twitter.com/oaL3UzZs8C
— TAG Heuer Japan / タグ・ホイヤー ジャパン (@TAGHeuerJapan) June 5, 2026
② クロノグラフの先にある「ラグジュアリーの再定義」
これまで、モータースポーツと時計の繋がりといえば「タイムを計測する(クロノグラフ)」ことがそのメイン。
しかし、デジタル計測が当たり前になった現代、高級時計におけるモータースポーツ表現は「計測」から「エンジンの躍動感を体感する(キネティック・シアター)」ことへとシフトしており、文字盤のピストンが1時間ごとに「パチッ」と動くドラマ性は、オーナーに対して、まるで愛車のアクセルを踏み込んでタコメーターの針を跳ね上げた時のような、純粋な高揚感を提供してくれることになりそうです。※その動きはなかなかスペクタクルであり、たしかに魂を揺さぶられる

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結論:常識を打ち破る挑戦こそが、1969年からの「モナコ」の伝統
「クロノグラフじゃないモナコなんて、モナコとは呼べないのではないか?」
そんな風に感じる伝統的な時計ファンもいるかもしれませんが、しかし思い返せば1969年に登場した初代モナコ自体が「世界初の防水スクエア型自動巻きクロノグラフ」という、当時の時計界のタブーや常識をすべて破って生まれた反逆児。
誕生から半世紀以上が経過し、円熟味を増したモナコが2026年に選んだ道は、過去の栄光にすがり、守りに入るのではなく、再び「時計製造の限界を押し広げる」というアバンギャルド(前衛的)な挑戦です。
超軽量なグレード5チタンのボディへとルイ・ヴィトンの最高峰の知性を宿した12本のピストン。この「モナコ スピード12」は、時計という枠を完全に超え、モータースポーツとエンジニアリングへの最大のリスペクトを捧げた、歴史に残る彫刻作品と言えるのではないかとも考えており、世界にたった50人しか手に入れることのできないこの特等席は、まさに「伝説をコレクションする」にふさわしい、究極の贅沢ともいえるものです。
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参照:TAG Heuer











