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伝説のGT40の「非公式後継車」がアウディR8ベースで登場。「CAV GT MkII」はスーパーチャージャー装着で800馬力、MTも選択可能

ケープアドバンスドビークルズ(CAV) GT Mk IIのフロント(ドアオープン)

Image:Cape Advanced Vehicles

| 伝統の枠を飛び越えた次世代のGT40 |

単なるレプリカの終焉と「ハイテク・レストモッド」の幕開け

世の中には多くのGT40レプリカが存在し、そのうちの大多数では1960年代の黄金期をできるだけ忠実に再現することに心血が注がれていたものと思われます。

しかし今回、1999年から実に223台ものハイクオリティなGT40を作り続けてきた南アフリカの名門ビルダー「CVA(Cape Advanced Vehicles)」が、「フォードによる”フェラーリ破りの伝説”を、まったく新しい、高次元”ドイツ製ハイテク・ディメンション”へと突入させると発表し、限定わずか40台のみの「GT MkII」を発表することに。

そしてこの、フォードのル・マン制覇60周年を記念して発表された「GT MkII」は、伝統的なレプリカではなく、ある意味での後継車とも呼ぶにふさわしい、アウディR8をベースにした異端のモンスターマシンに仕上がっています。

ケープアドバンスドビークルズ(CAV) GT Mk IIの俯瞰図

Image:Cape Advanced Vehicles

新型「CAV GT MkII」を知るための4つの要点

  • アウディR8ベースの異端児: フォード製V8ではなく、アウディR8をドナーに選んだ現代的な構造
  • 驚異の800馬力(789 hp): 4.2リッターV8にツイン・スーパーチャージャーを武装し、レプリカを凌駕するスペックを実現
  • 選べる変調、マニュアルも健在: 6速自動MT、DCTに加え、ファン垂涎の「純粋なマニュアル(MT)」も選択可能
  • 世界限定わずか40台: フォードの歴史的勝利を祝う、超希少なアニバーサリーエディション

なぜアウディR8なのか?伝統に縛られない「レストモッド」哲学への転換

有名なブルーとオレンジの「ガルフカラー」や、丸型のテールランプ、ボディサイドのデュアルインテーク、リアデッキのシュノーケルなどは、一見するとオリジナルGT40との繋がりを強く連想させるもの。

しかし、その中身は完全に「別物」で、CVAは「私たちは『レストモッド』の哲学を完全に再構築する」ともコメントしており、あえてオリジナルの再現に固執せず、アウディR8のアルミ&カーボンファイバー構造をベースにしたことで、以下の現代的な恩恵を手に入れています。

  • 4WD(全輪駆動)による圧倒的なトラクション
  • 現代的な電子運転支援システム(ESCやトラクションコントロール等)
  • アクティブ・エアロダイナミクスと最新の安全基準

フロントマスクは非常にスリムかつコンパクトに仕上がっている反面、リアまわりはやや独特なプロポーション(アウディの骨格に起因するやや大柄なディメンション)となっており、これは従来の「コンティニュエーション・モデル(継続生産車)」とは一線を画す、挑戦的なデザインだといえそうですね。

なお、各部の仕上げを見る限り、(デ・トマソまでとはゆかないが)非常に高いクオリティを持つことがわかり、このクルマが「コレクションに値する」存在であることもわかります。

最高出力789馬力、最高時速330km/h。現代のハイパーカーにも匹敵するスペック

心臓部に宿るのは、フォード製ではなく、ドナーとなったR8譲りの4.2リッター・アウディV8エンジンで、これにツイン・遠心式スーパーチャージャーをドッキングさせることで「オリジナルGT40を遥かに置き去りにする、最新スーパーカー顔負けの数値」を叩き出すことに。

CAV GT MkII 主要諸元・スペック

項目スペック
エンジン4.2リッター アウディ製V8 + ツインスーパーチャージャー
最高出力800 PS @ 7,800 rpm
最大トルク880 Nm
レブリミット9,000 rpm
駆動方式全輪駆動(AWD)
0-100 km/h 加速3.0秒
最高速度204 mph(330 km/h)
トランスミッション6速自動変速(標準)、DCT、3ペダルマニュアル(オプション)
主な足回り装備KW製3way調整式ダンパー、Brembo製ブレーキ、Inconel製エキゾースト
生産台数世界限定 40台(60th Anniversary Edition)
価格非公表
ケープアドバンスドビークルズ(CAV) GT Mk IIのフロント

Image:Cape Advanced Vehicles

この圧倒的なパワーを受け止めるため、足回りにはKW製の3way調整式ダンパーやブレンボ製ブレーキ、そして官能的なサウンドを奏でるインコネル製エキゾーストシステムといった一流のハードウェアが惜しみなく投入されており、そして何より、2026年というこの時代において「ちゃんとした(機械的なリンケージを持つ)マニュアル・トランスミッション」を選べるという事実だけで、熱狂的なギアシフターたちは価格を見る前に財布を開きたくなるのかもしれません。

南アフリカとGT40レプリカの深い関係

南アフリカというとフォードGT40とは直接の関係はなく、高品質なレストモッドとも無縁というイメージではありますが、実は南アフリカ(特にケープタウン周辺)は世界最高峰のコンポーネントカー(キットカー)やレプリカの製造拠点として世界的に有名なのだそう(実際にこれまでにも多数の魅力的なカスタムカーが南アフリカからやってきている)。

今回のCVA(Cape Advanced Vehicles)だけでなく、映画『フォードvsフェラーリ』の劇中車を製作したことでも知られる「スーパフォーマンス(Hi-Tech Automotive)」も南アフリカに拠点を置いており、BMW「M」発足のきっかけとなったレースシリーズも南アフリカで開催されてたということもあって、南アフリカはモータースポーツとも関係性が深いとされ、「意外や」クルマ文化に関する穴場的スポットとも言える場所なのかもしれません。

参考までに、このCVAはこれまでにも様々なレプリカを製造しており、高い技術力を持つ職人文化、かつて右ハンドル市場向けに独自の自動車生産を行ってきた歴史、そして欧米に比べてリーズナブルな製造コストが絡み合い、同社製のGT40やシェルビー・コブラ(レプリカ)は本国アメリカやヨーロッパのコレクターからも「本物以上のクオリティ」と極めて高く評価されているようですね。

結論:このクルマは伝統の破壊か、それとも「伝説の正当なる進化」か

約30年間にわたり、ひたすら純粋なGT40インスパイア系マシンを作り続けてきたCVAにとって、この「GT MkII」は非常に野心的であり、同時にきわめて勇敢な(あるいは危険な)賭けともいうべき存在です。

なぜなら、フォードとの決別を選んだ瞬間、60年前にフランスの地で1-2-3フィニッシュを飾ったフォードの栄光との肉体的な繋がりが極めて薄いものになってしまったからで、さらにCVAは今後、これまでのクラシックなGT40製造を段階的に縮小していく方針を固めているのだそう(法的な問題もあるのだと推測)。

ケープアドバンスドビークルズ(CAV) GT Mk IIのフロント

Image:Cape Advanced Vehicles

実際のところ、昔ながらのフォードV8の爆音とスリルを愛するファンにとって、この「ドイツの心臓を持ったGT40」は異端に映るかもしれません。

しかし、現代のハイパフォーマンステクノロジーを毎日気兼ねなく、かつ圧倒的な速さで楽しみたい層にとって、最も洗練された選択肢と言えることも間違いはなく、そして何より「800馬力をマニュアル・トランスミッションで操る」という快感はなにものにも代えがたいものとなりそうですね。

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参照:Cape Advanced Vehicles)

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