
Image:Bugatti
| ブガッティは以前にも陶器をイメージしたグラフィックを公開したことがあるが |
今回の表現手法は今までにない「新しさ」を持っている
自動車の域を超えた「動く芸術品」を生み出し続けるブガッティ。
今回またしても世界を驚かせる唯一無二のワンオフモデルを発表することになり、その名も「ブガッティ W16ミストラル・ブラン・エテルネル(Bugatti W16 Mistral Blanc Éternel)」と命名されています。
このモデルは、ブガッティの高度なカスタムプログラム「シュール・ムジュール(Sur Mesure)」によって誕生した世界限定1台の特別仕様車で、最大の特徴は、なんとパーツの要所に「本物の磁器(ポーセリン)」があしらわれている点にあり、ここでは伝説的なW16エンジンの終焉を飾るにふさわしい、この究極の1台が持つ魅力に迫ってみましょう。
この記事の要約(この記事が30秒でわかるポイント)
- 世界に1台の衝撃作: ブガッティのパーソナライズ部門が、ドイツの老舗磁器メーカー「KPM」と15年ぶりにコラボした限定ワンオフモデルを発表
- 贅の極み: エクステリアのエンブレムやインレイだけでなく、インテリアのシフトレバーやスピーカーカバーにまで「本物の磁器」を採用
- W16エンジンの終焉: 最高出力1600馬力を誇る伝説の8.0LクワッドターボW16エンジンを搭載する、最後のロードスターモデルとしてのエレガントな幕引き
伝統の磁器メーカー「KPM」との15年ぶりの運命的な再会
ブガッティが磁器を車両のデザインに組み込んだのはこれが初めてではなく、今から15年前の2011年、ブガッティはドイツの歴史ある王立磁器製陶所「KPM(Königliche Porzellan-Manufaktur Berlin)」とパートナーシップを組み、伝説的なモデル「ヴェイロン・グランドスポーツ・ロル・ブラン(L'Or Blanc)」を発表しています。

Image:Bugatti
その際に用いられた「陶器に光が当たって反射する」様子を視覚的に反映したグラフィックは大きな反響を呼び、その後「バギュ・ドゥ・ルミエール」を名付けられて数多くのバリエーションを生んだのも記憶に新しいところ。
そして今回の「ブラン・エテルネル(フランス語で『永遠の白』の意)」は、その歴史的なコラボレーションへのオマージュであり、KPMの職人技とブガッティのハイエンドなエンジニアリングが再び融合した奇跡的な1台というわけですね。
内外装を彩る高貴な磁器アクセントとアニメ調の流麗なデザイン
「W16ミストラル・ブラン・エテルネル」の美しさは細部に宿る磁器の輝き、そして見る者を圧倒するカラーリングにあり・・・。
磁器(ポーセリン)が採用された贅沢なディテール
本物の磁器は、過酷な走行環境に耐えうる耐久性を持たせた上で、以下のパーツに精巧にはめ込まれています。
- エクステリア(外装): 「EB」エンブレム、フューエルキャップ(給油口カバー)、エンジンインレイ(エンジンルーム内の装飾パーツ)
- インテリア(内装): ギアシフター(シフトノブ)、スピーカーカバー、アームレスト部分

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アニメーション映画を彷彿とさせるコントラスト
もう一つの視覚的特徴は、純白のボディに描かれた、まるで走るラインアートのような漆黒のグラフィック。
この外装の美しいブラックラインは内装のコックピットにも忠実に再現されており、実車でありながら「まるで精巧なアニメーション映画から飛び出してきたかのような」、あるいはマンガ塗りともいうべき非現実的でエッジの効いた立体感を醸し出しているかのようですね。

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スペックで見る「W16ミストラル・ブラン・エテルネル」
ベースとなっている「W16ミストラル」の主要スペックおよび本ワンオフモデルの特徴は以下の通り。
- エンジン: 8.0リットル W型16気筒 クワッド(4基)ターボチャージャーエンジン
- 最高出力: 1,600馬力(hp)
- 最大トルク: 1,600 Nm
- 駆動方式: 4WD(全輪駆動)
- 最高速度: 時速420km(リミッター作動時)
- 生産台数: 世界限定1台(ベースのミストラル自体は世界限定99台で既に完売)
- 特別装備: KPM製本磁器インレイ、専用カスタム内外装ペイント
新世代ハイブリッド「トゥールビヨン」へと繋ぐ、W16のグランドフィナーレ
自動車の歴史において、ブガッティの「8.0L W16エンジン」は他メーカーが決して真似のできないアイコンであることは間違いなく、しかし、ブガッティはこの記念碑的なマルチシリンダーエンジンを段階的に廃止することを決定しており、そしてこの「ミストラル」シリーズこそがW16エンジンを搭載して公道を走ることができる「最後のロードスター(オープンモデル)」ということに。
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伝統のW16から、革新のV16ハイブリッドへ
ブガッティはすでに、ミストラルの後継となる次世代のフラッグシップモデル「トゥールビヨン(Tourbillon)」を発表していて、パワートレインの構成を比較するとブガッティが迎えた大きな転換期がよく分かり・・・。
- W16ミストラル(現行・最終章): 8.0L W16 クワッドターボ(純内燃機関としての圧倒的なパワーとエキゾーストノート)
- トゥルビヨン(次世代): 8.3L V型16気筒 自然吸気エンジン + 3基の電気モーター(プラグインハイブリッド)
ミストラル・ブラン・エテルネルは、単に高価な素材を使ったカスタム車両というだけでなく、ひとつの偉大な「怪物エンジン」の時代を華やかに、そして最もエレガントに締めくくるための退職祝い(送別記念碑)のような意味合いを持っているというわけですね。

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結論
ブガッティ W16ミストラル・ブラン・エテルネルは最高峰の自動車工学、そして何世紀にもわたり受け継がれてきた伝統工芸が融合した、文字通りの「究極のワンオフ(one-of-one)」モデル。
カーボンやチタンといった最先端の軽量素材が重視されるハイパーカーの世界において、あえて「磁器」という繊細で高貴な素材を散りばめるセンスはブガッティの持つ圧倒的な格式の高さを証明しています(性能や機能だけを追い求めるのならば、むしろ仕様すべき素材ではない)。
次世代の電動化ハイブリッドモデル「トゥールビヨン」への移行を前にして、これほどまでに美しく贅を尽くしたW16エンジンのフィナーレを繰り出す姿勢を見せられるに際し、改めてブガッティというブランドの底知れぬ創造力に脱帽するほかはない、とも考えています。

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