
Image:Alpina
| BMWはアルピナを「維持するために」多数のモデルを発売する必要はない |
そのため「限られたモデルにて」パズルの欠けたピースを埋めてゆくことになるであろう
BMWによる完全買収を経て2026年に新たなサブブランド「BMWアルピナ(BMW Alpina)」として再スタートを切った名門アルピナ。
独自の洗練されたデザインや伝統のマルチスポークホイール、そして溢れるトルク特性は引き継がれると期待されていたものの、ファンにとって見過ごせない「重大な転換期」を迎えているというのが今回のニュース。
BMW、アルピナ、およびロールス・ロイスのラグジュアリーカー部門プロダクトディレクターを務めるフィリップ・ケーン氏へのインタビューにより、これまでアルピナの基幹モデルであった「3シリーズ」や「5シリーズ」をベースとした手の届く価格帯のモデルが、次世代では用意されない可能性が極めて濃厚であることが明らかになり、アルピナは今後、さらなるアッパーマーケット(超高級セグメント)へと舵を切る見込みでであることについても言及がなされています。
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この記事の要約(30秒チェック)
- 歴史的方針転換: BMWアルピナは、3シリーズベースの「B3」や「B4」などのエントリーラインを次世代へ継続しない可能性を示唆
- 狙うは「空白の地帯」: BMWの最上位とロールス・ロイスの最廉価モデルとの間に存在する「約3,500万〜5,000万円の空白地帯」へ進出
- ライバルは「メルセデス・マイバッハ」: メルセデス・ベンツが誇る最高峰「マイバッハ GLS」や「マイバッハ Sクラス」に直接対抗する超高級ブランドへ昇華
- 第1弾は1年以内に登場: 2025年のヴィラ・デステで披露された「Vision BMW Alpina」の市販版や「BMW XM」に代わる超高級PHEV「XB8(仮称)」の上陸が噂される
- 「希少性」によるブランド構築: 大量生産ネットワークを活用するのではなく、年間生産数を絞ることで「職人技・デザイン・GT性能」の神格性を高める戦略へ

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なぜ「B3」や「B5」は存続できないのか?
これまでアルピナの象徴であり、多くの熱狂的なファンを魅了してきた「B3(3シリーズベース)」や「B5(5シリーズベース)」。
日常の扱いやすさと、Mモデルとは一線を画すグランドツアラーとしての極上の乗り心地を両立した名車たちではありますが、高級化路線を進める新生BMWアルピナの戦略とはミスマッチを起こしつつあるといい、ケーン氏はメディア向けのラウンドテーブルにて次のように述べています。
「BMWのすべてのモデルにアルピナの兄弟車が存在するようでは、私たちが目指す超高級セグメントでの位置づけとして機能しなくなってしまいます。それは少し奇妙なアプローチと言えるでしょう」

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例えばB3セダン(現在は生産終了)の価格は1430万円に設定されており、しかしアルピナを「BMW以上、ロールス・ロイス未満」という超富裕層向けへ再定義するにあたり、3シリーズベースの価格帯では「プレミアム性と希少性が足りない」と判断されたということに。
加えて創随期からの「限定された数、厳選されたモデルに注力する」という哲学へ立ち返るため、安価なモデルの契約更新は見送られる公算が大きくなっているというわけですね。
なお、BMWは「アルピナを買収した」といえど、取得したのは「商標権のみ」だとされ、つまり前アルピナの工場や従業員については「前アルピナにそのままのこされている」ため、BMWとしてはこれらを維持するために様々なモデルを展開する必要はなく、よってグループ全体のシナジー効果を考慮して「美味しいところだけ」を取り込んでゆければいい、ということなのだと思われます。
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ターゲットとなる価格帯の比較
新生BMWアルピナが狙いを定めているのは、ラグジュアリーカー市場における最大の「ホワイトスペース(空白地帯)」で・・・。
- BMW最上位(M760i xDrive ): 約2500万円
- BMWアルピナの主戦場(ホワイトスペース): 約3500万円〜5000万円
- ロールス・ロイス最廉価(ゴースト シリーズII): 約5700万円
現在、この領域を事実上独占しているのが「メルセデス・マイバッハ(Mercedes-Maybach)」であり、V8エンジンを搭載したSUVの「マイバッハ GLS 600」が約3200万円、V12エンジンを積んだ究極のセダン「マイバッハ S 680」が約4000万円以上という価格帯にて君臨しています。
BMWグループとしては、ロールス・ロイスを「下げる」ことなく(むしろ上位移行させたいと考えているはず)、マイバッハの牙城を崩すための刺客として「アルピナ」をリブランディングする戦略だというわけですね。

現行および今後のラインナップ予想
新生ブランドの足がかりとして、ひとまず既存の大型SUVである「XB7(日本だと約2700万円で販売されていた)」は継続される可能性が高いと見られていて(スペックは以下の通り)、しかしこれに次ぐ「BMW アルピナ版」超高級SUVの計画も進行している、と考えるべきなのかもしれません。
| 項目 | BMW ALPINA XB7(現行参考スペック) |
| ボディタイプ | フルサイズ・ラグジュアリーSUV |
| エンジン | 4.4リッター V型8気筒 ツインターボ + マイルドハイブリッド |
| 最高出力 | 640 PS @ 5,600 rpm |
| 最大トルク | 800 Nm @ 1,800 rpm |
| トランスミッション | 8速オートマチック(アルピナ・スイッチトロニック) |
| 駆動方式 | 4WD(xDriveベース・アルピナ専用セッティング) |
| ベース価格 | 約2700万円 |

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新潮流への考察:1年以内に登場するであろう「最初の新型車」とは?
ケーン氏は、新生BMWアルピナとしての最初のプロダクトが「1年以内(2027年前半まで)」に登場することを明言していますが、それは親会社であるBMWの通常のコアラインナップには存在しない、まったく新しいラグジュアリーセグメントになるとしており、自動車メディアやコレクターの間では、主に2つの可能性が噂されています。
- BMW 8シリーズの後継となる超高級グランドツアラー:2025年5月にイタリアのコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで披露された「Vision BMW Alpina(ビジョン・BMWアルピナ)」の市販版。流麗なクーペシルエットを持つラグジュアリーGTであり、マイバッハのクーペモデルのような立ち位置を狙うモデルに
- 物議を醸した「BMW XM」を再定義する「XB8」:現在、BMW M専用モデルとして販売されているPHEVの「XM」は、そのアグレッシブすぎるデザインと硬すぎる乗り心地からラグジュアリー層への販売が苦戦していると報じられ、アルピナがこのプラットフォームと「XB8」の商標を活用し、XMの特性を「圧倒的な直線スピードと極上の長距離快適性(コンフォート)」へと調律し直し、真の魔法の絨毯的SUVとして仕立て直すのではないかというウワサ(XMには相当な開発コストが投じられているはずなので、BMWはなんとかその費用を回収したいものと思われる)
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結論
「手作りの極上インディビジュアル・3シリーズ/5シリーズ」としてのアルピナの時代は事実上終わりを告げようとしており、かつてのように「いつかはアルピナに」と夢見ていたBMWオーナーにとっては、少し寂しいニュースかもしれません。
しかしこの変革はアルピナというブランドが激変する自動車業界の中で生き残るための「最も贅沢な最適解」でもあり、BMW Mが走行性能を重視したサーキットウェポンとしての道を極める一方、アルピナはロールス・ロイスの手前で「職人技の極み」を表現する存在へと昇華するということになり、大量生産による利益追求ではなく、圧倒的な「希少性」と「ストーリー」で富裕層を魅了するのが新生BMWアルピナということに。
1年以内に発表されるというその第1弾モデルがぼくらにどんな新しい景色を見せてくれるのか、期待して待ちたいと思います。
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参照:CARBUZZ











