■そのほか自動車関連/ネタなど■

ポルシェ911レストモッドの雄、シンガーとルイ・ヴィトンとがなにか「特別なコラボ」を発表するようだ。自動車業界とルイ・ヴィトンとの関わりとは

シンガー・ヴィークル・デザインとルイ・ヴィトンとのコラボレーション予告画像

Image:Singer Vehicle Design

| おそらくは「旅」に起因する何かだと思われる |

ルイ・ヴィトンのルーツは「旅」である

さて、ポルシェ911のレストモッドで知られるシンガー・ヴィークル・デザインが2026年のモントレー・カーウィークにて「ルイ・ヴィトンとのコラボレーションによる何か」を発表するとアナウンス。

現在ルイ・ヴィトン、そして同ブランドが率いるLVMHグループはF1やグランツーリスモなど様々な分野において「モータースポーツ」と「自動車」への関わりを強めている最中ではありますが、今回の組み合わせは「非常に意外」です。

そしてティーザーの内容によれば「旅とアート」をテーマにするとあり、よってこのコラボは「旅とクルマ」に関するものだと思われます。

シンガー・ヴィークル・デザインによる「DLSターボ」のエクステリア(ホワイト~サイド)
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この記事の要約

  • ポルシェ911のレストモッドで知られるシンガー・ヴィークル・デザインがルイ・ヴィトンとコラボレーションを実施:モンタレー・カーウィークにて「旅とアート」にかかわる何かを発表
  • ルイ・ヴィトンと「旅」とは:ルイ・ヴィトンのルーツはトランクにあり。平らなトランクを発明したのはルイ・ヴィトンである
  • ルイ・ヴィトンと自動車業界とのかかわり:自動車の黎明期から関わりを持ち、古くから車載トランクを作っていた

ルイ・ヴィトンと「旅」とは?

ルイ・ヴィトンというと「高級ブランド」の代表格ではありますが、実はルイ・ヴィトンの起源は「旅行鞄」、つまり旅に根ざしています。

京セラ博物館にて開催されたルイ・ヴィトンのトランクイベント
Life in the FAST LANE.

創業者のルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)は1821年、フランス東部のジュラ地方に生まれ、14歳のときに「徒歩でパリを目指す旅に出た」のがブランドとしてのルーツでもあり、2年以上かけて仕事をしながらフランスを横断し、1837年、16歳でパリに到着することに。

そこで当時著名だった荷造り職人ロマン・マレシャルのもとで「箱」を作り、荷物を詰める技術を学ぶことから「トランク」を考案するわけですね。

そしてここで重要なのが、

「人が旅をするとき、どうすれば大切なものを安全かつ美しく運べるか」

ということ。

そして1854年、33歳になったルイ・ヴィトンはパリのヌーヴ・デ・カプシーヌ通りに最初の店舗を開き、ここから本格的にトランク作りを始めるのですが、当時のヨーロッパでは、鉄道や蒸気船の発達によって、人々の移動が大きく変わり始めていた時代であり、「旅が貴族だけのものから、より大規模な移動文化へ変わっていく」という時代です。

そこでルイ・ヴィトンが考えたのが、従来とは違うトランクで、当時のトランクには、雨水を流すために丸いドーム型の蓋を持つものが一般的であったそうですが、そこでルイ・ヴィトンが作ったのが「平らなトランク」。

京セラ博物館にて開催されたルイ・ヴィトンのトランクイベント
Life in the FAST LANE.

それまで平らなトランクがなかったのがある意味では意外ではありますが、これによって以下のメリットが生じることとなり・・・。

  • 積み重ねられる
  • 輸送しやすい
  • 船や鉄道で扱いやすい
  • 限られたスペースを有効利用できる

つまり「見た目が変わった」だけではなく、「旅という行為そのものを変えたプロダクト」と作り出したということに。

そして今回、「レストア+モディファイ」によってレストモッドという新しいジャンルを確立し、自動車業界に革命をもたらしたシンガー・ヴィークル・デザインと手を組むというのは、「時代を作り上げたもの」どうしの必然のタッグともいえるものかもしれません。

京セラ博物館にて開催されたルイ・ヴィトンのトランクイベント
Life in the FAST LANE.
ルイ・ヴィトン トランクイベント in 京セラ博物館 Louis Vuitton Kyoto Japan Part
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ルイ・ヴィトンは「自動車旅行」の黎明期から自動車に関わっていた

ルイ・ヴィトンは現在特定ブランドとのパートナーシップ契約を結んでいないため、自動車業界との関わりがさほど強くないようには思えますが、自動車が普及し始めた20世紀初頭からルイ・ヴィトンは「自動車旅行のためのトランク」を作っていて、当時は「自動車に積むためのトランク」を考案し商品化しています。

なお、この時代はそれぞれのクルマが「架装業者(コーチビルダー)によるオリジナルの車体」を持っていたために収納スペースがクルマごとに異なっていて、そこでルイ・ヴィトンは「そのクルマにあわせて」オーダーメイドにてトランクを製作するというビジネスを開始することとなったようですね(ここ最近、イベントなどでよく見かけるようになったバンもその流れのひとつである)。

京セラ博物館にて開催されたルイ・ヴィトンのトランクイベント
Life in the FAST LANE.

「移動をより洗練させる」という思想のコラボ

そして時が移って現代だと、BMW(i8)やインフィニティとのコラボレーションを行ったことがあるほか、1990年代以降、クラシックカーを使ったイベントを開催するなど自動車業界との関わりを強めていますが(2026年にも「Dolomites Classic Run」が予定されている)、ここで注目すべきは自身のルーツを活かし、「自動車での旅行をイベント化している」こと。

つまり、単に冠スポンサーとなるのではなく、イベントを通じ「旅」を楽しみ、そしてルイ・ヴィトンへの理解を深めるという試みを行っていて、ここで「クラシックカー × 旅 × ラグジュアリー × 芸術」という概念が登場し、これが今回シンガー・ヴィークル・デザインとのコラボレーションにも持ち込まれることとなるのかもしれません。

京セラ博物館にて開催されたルイ・ヴィトンのトランクイベント
Life in the FAST LANE.
京セラ博物館にて開催されたルイ・ヴィトンのトランクイベント
ルイ・ヴィトンの「トランク」イベントへ(3)。トランクはブランドの威信をかけたフラッグシップ、提携するF1のトロフィーケースもやはりトランクである

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F1との関係は、さらに大きい

そして現在、ルイ・ヴィトンと自動車・モータースポーツの関係で最も大きなものが「Formula 1 × Louis Vuitton」で、2025年からルイ・ヴィトンはF1とのパートナーシップを開始し、2026年には10年間の契約として各グランプリのトロフィー・トランクを製作しています。

これもまた非常に「ルイ・ヴィトンらしい」コラボレーションだとも考えていて、というのもF1そのものをイメージしたバッグを作るのではなく、「勝利のトロフィーを運ぶケース」をルイ・ヴィトンが作るという、ここでもまた「移動」「大事なものを運ぶ」という概念が登場しているから。

ちなみにルイ・ヴィトンはそのイニシャルのひとつ、「V」をデザインに多用していますが、これは「Vuitton」のほか、Voyage(旅)そしてVictory(勝利)も意味している、と言われていますね。

ルイ・ヴィトンのスマートウォッチ「タンブール ライトアップ」
Life in the FAST LANE.
京セラ博物館にて開催されたルイ・ヴィトンのトランクイベント
ルイ・ヴィトンのルーツは「トランク」にあり。京セラ美術館で開催のイベントにはこんなトランクたちが並んでいる。「家の中で使う」家具としてのトランクも

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自動車ブランドとの関係を整理すると

ルイ・ヴィトンと自動車の関係は、大きく4つの世代に分けると理解しやすく、つまり、「自動車に荷物を積む」から始まって、「自動車で旅する」へと進み、さらに、「自動車文化そのものをラグジュアリーとして演出する」ところが現在地ということに。

時代ルイ・ヴィトンとの関係
1890年代~自動車旅行用トランク
1990年代~クラシックカー・ツーリングイベント
2010年代~自動車メーカーとの共同プロジェクト
2020年代~F1・モータースポーツとの公式パートナーシップ

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参照::Singer Vehicle Design

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