
新型CLAが魅せた驚異の安全性と高電圧バッテリー保護性能
意外や「2台を使用した」クラッシュテストはこれまでに存在しなかったようだ
「世界で最も安全な自動車を造る」——その強固な理念を掲げるメルセデス・ベンツが、また一つ自動車安全の歴史に刻まれる前代未聞の実証実験を行うことに。
一般的な衝突安全テストでは固定バリアや台車(インパクター)が使われることが大半ですが、メルセデス・ベンツは実際の市販量産車2台を交差点事故さながらの高速で激突させる公開実験を行った、と発表しています。
ここでは新型「CLA」の安全性能を極限まで検証した今回の一般公開クラッシュテストの内容、そしてそこから浮き彫りになった高い乗員保護技術・EVバッテリー保護技術を見てみましょう。
Image:Mercedes-Benz
この記事の要約
- メルセデス・ベンツは、量産実車2台(電気自動車のCLAと電動化ガソリンエンジン搭載のCLAシューティングブレーク)を使用した世界初の公開高速側面衝突テストを実施
- 交差点事故を想定し、それぞれ重量2トン超の車両がノーブレーキの時速56km/hで側面に激突するという極限環境下で、乗員保護性能とEV用高電圧バッテリーの無傷状態が立証される
- あわせて、事故発生時に救急隊へ車両状態や乗員数などの重要データをリアルタイム提供する最新システム「Mercedes-Benz Rescue Intelligence」が初公開
メルセデス・ベンツ CLA「公開高速側面衝突テスト」の概要
2026年10月20日、メルセデス・ベンツは量産実車2台を直接衝突させる世界初の公開側面衝突テスト(Side-Impact Crash Test)を披露しており、テスト車には、それぞれ車両重量2トンを超える「完全電動化(EV)仕様の新型CLA」と「電動化ガソリンエンジンを搭載した新型CLAシューティングブレーク」が用意され、どちらもブレーキを一切踏まない状態(時速56km/h)でEV仕様CLAの運転席側側面へダイレクトに激突させるシナリオが組まれています。
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通常、市街地の交差点事故において「時速56km/h同士のノーブレーキ側面衝突」は、現実の交通事故調査における最悪レベル(上限クラス)の厳しい条件下に分類され、しかしクラッシャブルゾーン(衝撃吸収空間)が少ない側面への高重力エネルギー直撃に対し、今回の結果はメルセデス・ベンツの最新安全構造が”見事な回答”となったことを示しています。
検証データ
極限のクラッシュテストを経て得られた実証データと、メルセデス・ベンツが追求する「リアルライフ・セーフティ(現実の事故に基づく安全開発)」のテクノロジーは以下の通りとなっていて・・・。
- 乗員客室(キャビン)の維持とダミー人形の計測値:双方の車両ともに乗員保護空間(キャビン)の骨格は潰れることなく完璧に構造を維持。大人4体・子供4体を模した合計8体のクラッシュテストダミー(各ダミー最大150箇所の計測ポイント)のバイオメカニカルデータは、いずれも業界基準の制限値を大幅に下回り、乗員の重傷・致命傷リスクが極めて低いことが実証される
- 床下高電圧バッテリー(HVバッテリー)の完全保護:EV仕様のCLAにおいて最も強固な防護が求められる床下の高電圧バッテリーは、側面に直接強烈な衝撃を受けたにもかかわらず、変形や破損・損傷を受けることなく無傷の状態を維持
- 「リアルライフ・セーフティ」に根ざした膨大な開発シミュレーション:メルセデス・ベンツは1969年からドイツ、中国、インドなどの事故調査チームと共に約6,000件もの実際の交通事故を解析してきたという実績があり、新型モデル1車種の開発にあたりAIを活用した約15,000回の仮想クラッシュシミュレーション、そして法規制基準(約30〜40回程度)を遥かに超える約150回の実車クラッシュテストを重ねて安全性を磨き上げている
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| 項目 | メルセデス・ベンツ CLA 公開側面衝突テスト要約 |
| テスト対象車両 | 完全電動(EV)CLA + 電動化ICE CLAシューティングブレーク |
| 衝突速度・条件 | 双方が時速 56 km/h(ノーブレーキ直撃 / 交差点事故想定) |
| 車両重量 | 各車 2 トン(2,000 kg)超 |
| キャビン保持状態 | 両車ともに乗員空間(キャビン)は完全維持・変形なし |
| ダミー人形測定 | 全8体(大人4名・子供4名)のバイオメカニカル限界値以下 |
| HVバッテリー状態 | 側面直接打撃にもかかわらず完全無傷・破損なし |
競合比較・市場での位置付け 第三者機関によるNCAP等の安全アセスメント規格を超えた実戦テストの実施は、自動車安全におけるメルセデス・ベンツのアドバンテージを象徴しているかのようで・・・。
- 公的規格テストとメルセデス・ベンツの独自基準:一般の公的衝突安全テスト(Euro NCAPやNHTSA等)では、固定壁や移動式の台車(可動バリア)を衝突させる規定条件で行われ、しかしメルセデスは「現実に発生する交差点事故の約25%が人身事故を伴う側面衝突である」というリアルデータに基づき、現実世界で最も過酷な「2台の移動実車(重量級EV同士)」での衝突テストを選択することに
- EV時代の「バッテリー火災・破損不安」に対する解答:EVの普及に伴い、事故時のバッテリー損傷や発火リスクに対するユーザーの不安は根強く存在し、今回のテストで重症事故レベルの横腹への直撃に耐え抜いた実績は、プレミアムEV市場において同社への信頼を絶対的なものにする大きな強みとなる
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補足情報
今回の公開発表では、車両の構造的安全性だけでなく、事故後のレスキュー活動を劇的に変える新技術も初公開されることとなっており・・・。
- 初公開の救急連携システム「Mercedes-Benz Rescue Intelligence」: 2027年以降に段階的導入が予定されている本機能は、事故発生時に救急隊や消防隊へ車両データをリアルタイム伝送するシステムで、現場へ向かうレスキュー車内のモニターに「乗員数」「エアバッグ・シートベルトの展開状況」「ドアの開閉状態」「バッテリー温度」「高電圧システムの遮断状態」などが瞬時に表示される
- 一分一秒を争う現場での救出スピード向上:事前に事故状況や危険度を把握できることで、救急隊は現場到着前に最適な救助資機材を選択・準備でき、救出までの時間を大幅に短縮することが可能になる
- イノベーション140周年の節目:1886年にカール・ベンツが最初のガソリン自動車の特許を取得してから140周年を迎えるメルセデス・ベンツ。「140 Years. 140 Places」ワールドツアーのフィナレとともに示された今回のテストは、同社が「自動車の発明者」から「未来の安全基準の創造者」であり続けていることを示している
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結論
あえて「時速56km/hの実車同士の側面激突」という最も厳しい現実の条件を世界に見せつけ、乗員の無事とバッテリーの完全性を証明してみせたメルセデス・ベンツ新型CLA。
2027年からの「Rescue Intelligence」の導入も含め、事故の未然防止(先進支援システム)から衝突時の乗員保護、事故後の迅速な救助支援に至るまで妥協なく追及するメルセデスの姿勢は、これからのEV・自動運転時代の安全基準をリードし続ける指標ともなりそうですね。
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