| その点、モデルL100コンセプトはその外観だけにでも進んでお金を払う富裕層が存在しそう |
リンカーン・モデルL100コンセプトには未来派高級コンセプトカーの「お約束」がてんこ盛り
さて、「リンカーン大統領が乗るような」ゴージャスなクルマづくりをイメージして立ち上げられたブランド、リンカーン。
そのリンカーンより、一気に未来へと飛んだかのようなL100コンセプトが公開されていますが、これは1922年に発表されたモデルLにインスパイアされたものだといい、見ての通り両側ドアは「逆開き」、そしてルーフまでも開くというSFっぽいコンセプトカーです。
ちなみにリンカーンはヘンリー・リーランドによって設立された自動車メーカーですが、1922年にフォードに買収され、そこでフォード二世であるエドセル・フォードが(大衆車の製造に力を入れた父とは異なる)新しい柱として育て上げた高級車ブランド。
そして今年はフォードがリンカーンを手に入れからちょうど100年、ということになりますね。
リンカーン・モデルL100コンセプトはこんなクルマ
このモデルL100は見ての通り雄大なクルマで、低く、長く、エレガントなスタイリングを持ちますが、リンカーンの考える「ラグジュアリー」を体現したコンセプトカー。
ちなみにオマージュ元となるモデルLは1922年に発売されるものの、フォードが買収する前のヘンリー・リーランド体制下で発表されたクルマであり、高級車を標榜しながらも「あまりにスタイリングが普通だったので」売れなかったといい、この不振が一因となってリンカーンの税制状況が悪化し、フォードによって買収されたという、ある意味ではフォードにとっても天気となったモデルと言えるかもしれません(高級車におけるスタイリングの重要さはブガッティが証明している)。
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なお、この逆開きドア、ルーフの開閉は「立ったままクルマに乗降できる」ことをイメージしたものだと思われ、未来における一つの高級車の要件だと言えるかもしれません。
タイヤのように見えるものは実際にはタイヤではなく「フルカバー」なのかもしれませんが、これは10年ほど前にコンセプトカーで流行したスタイルであり、ちょっと前に話題となったジャスティン・ビーバーのカスタムしたロールス・ロイスのようにも見えますね。
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ボディパネルはシームレス、そしてキャビンはガラスにて構成されるようですが、これもボディパネルとの境界線なく連結されています。
リンカーン・モデルL100コンセプトのインテリアはこうなっている
そしてこちらがリンカーン・モデルL100コンセプトのインテリア。
外観から分かる通り「グラスルーフ」を持っており、この開放感のあるルーフ、というのも高級車の一つの要件だと思われます。
上から見た透過図はこんな感じ。
このリンカーン・モデルL100コンセプトは完全自動運転を標榜していて、そのためにシートアレンジの自由度が高く、運転席を反転させて後部座席と「向かいあわせ」とすることも可能です。
このフローティング構造というのもまた未来の高級車にとって欠かせないデザインであるようにも思えますが、とにかくリンカーンL100コンセプトは「ありとあらゆる手段において」高級さを演出しているようですね。
ちなみにフロアパネルもモニターとしての役割を持っており、乗員にとっての聖域(サンクチュアリ)を形成する、と紹介されています。
現時点ではあくまでも「デザインスタディ」にとどまるが
もちろんこのリンカーン・モデルL100コンセプトは現時点では実現がおよそ不可能なデザインや技術を持つため、あくまでも未来を示唆するにとどまるコンセプトカーでありデザインスタディ。
よって市販化を期待できるものではありませんが、このモデルL100コンセプトに採用されるディティールのうちいくつかは未来のリンカーンに採用されることになるのかもしれません。
リンカーン・モーターカンパニーのCEO、ジョイ・ファロティコ氏によると「我々は今、リンカーンの歴史の中で特別な瞬間にいます。この100年間、リンカーンは様々なイノベーションを起こし、デザインの限界を押し広げ、今日の私たちのブランドを定義するようになりました。モデルL100コンセプトは、リンカーンの聖域が、明日のお客様にとってどのようなものであるかを再想像し、リンカーンのストーリーの次の章を定義するために前進させるものです」とコメントしており、このクルマがこれからの100年を踏まえ、今後の100年を迎えるにあたってのリンカーンの決意であることを示しています。