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度重なる苦難からリビアンが不死鳥のように蘇る。新興EVメーカーには珍しく目標生産台数を引き上げ、「2025年まで生き残る資金を確保した」とコメント

2023/08/13

度重なる苦難からリビアンが不死鳥のように蘇る。新興EVメーカーには珍しく目標生産台数を引き上げ、「2025年まで生き残る資金を確保した」とコメント

| 多くの新興EVメーカーが消え去ろうとしている中、リビアンは非常によくやっている |

一時は他と同様、このまま消え去る運命にあるかと思われたが

さて、数々の訴訟、生産遅延、従業員削減、幹部の流出などによって危機的状況が続いていた米EVスタートアップ「リビアン(Rivian / リヴィアン)」。

今回2023年第2四半期の決算報告を行い、年間生産目標を50,000台から52,000台に引き上げると発表しています。

なお、この5万台というのはテスラに比較すると数十分の一、そして引き上げ幅もわずか4%ではあるものの、瀕死の状態にあったリビアンにとっては大きな数字であり、そして倒産や「一向に生産が進まない」新興EVメーカーが多い中、特筆に値すると言ってよいかと思います。

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リビアンは度重なる困難から立ち上がる

新興EVメーカーにとって生産目標を公言すること、そして引き上げることは非常にリスキーであり、というのもそれを守ることは非常に困難であるため。

実際のところ、これまでのリヴィアン、そしてルシード、フィスカー、ローズタウン、ファラデー・フューチャーなど「目標を超えたEVメーカー」はひとつもなく(当初のテスラもそうであった)、つまりそれだけ新しい会社がEVを量産するということには高いハードルがそびえ立つわけですね。

Rivian (3)

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ただ、こういった生産目標を公表することは顧客と投資家の信頼を高めることにつながり、それを達成することはさらに信頼を高めることを意味します。

そしてリビアンは今回果敢に目標を掲げたわけですが、RJ・スカリンジ最高経営責任者(CEO)によれば、リビアンには2025年まで問題なく事業を継続できるだけの手元資金があるとのことで、これは経営が軌道に乗り始めている、ということを示しているのかもしれません。

リビアンは小型SUVを発表予定

なお、リビアンは今年のはじめに「小型SUV」を発売するとコメントしていますが、この”R2”は2026年に発売される予定となっており、計画どおりに進めば「2025年までの手元資金」に加え「2026年からの活動資金」を獲得することになりそうです。

もちろんそれまでにもリビアンは様々な計画を実行することになるかと思われ、しかしRJ・スカリンジCEOがもっとも懸念しているのはサプライチェーンだといい、現在その問題は解決でき、いいポジションを確保しているとしながら「サプライチェーンには常にリスクがつきまといます」とも。

Rivian (2)

つまり、直近でよほど苦労したものと思われますが、今後も車体を製造するための資材、コンポーネント、そしてメインのバッテリーの調達には「不安が残る」と考えているのかもしれません(実際のところ、多くの自動車メーカーがバッテリーの確保が困難になるであろうと予測し、自前のバッテリー工場を建設する方向で動いている)。

まだまだ今後のリビアンがどうなるのかはわかりませんが、今年2月にはコスト削減のために従業員の6%を削減し、3月にも同じ理由でさらに500人を削減しうえ、幹部がほぼ総辞職してしまったことを考慮すると、現在のリビアンは「かなりうまくやっている」ということになりそうですね。

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参照:Rivian(Twitter / X)

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