| ひとまずはフェラーリ・ポルトフィーノの印象を無秩序に述べてみる |
思った以上にフェラーリは「高級」「上質」を意識していた
さて、先日納車となったフェラーリ・ポルトフィーノをはじめてドライブ。
試乗という形ではなんどか運転したことがあるものの、自分のクルマとしてこうやって運転するのはじめてであり、改めて「同じクルマであっても、自分の名義のクルマを運転するのは何かが違う」と感じています(「湾岸ミッドナイト」でもそういった記述があったように思う)。
ちなみにですが、こんな感じで独特な形状のドアミラー、そしてロッソコルサ、さらにはミラーに映る盛り上がったリアフェンダーを見ると、「あっ、いまフェラーリに乗ってる」と改めて認識させられ、そういった意味において、ぼくは「ほかのクルマとは異なるドアミラー形状を持つクルマ」が大好きです。
なお、ドアミラーの位置やAピラーの太さが斜め前方の視界をやや遮っているようにも感じるものの、これはドライビングポジションの調整によって今後ある程度改善できるかもしれません。
フェラーリ・ポルトフィーノの初期の印象はこんな感じ
今後もポルトフィーノについて感じたことは随時公開してゆきたいと思いますが、まず今回は「初ドライブ」ということで様々なインスピレーションを得ており、それらを総合して一言でいうならば「ポルトフィーノは非常に高級なGTカーである」。
そう感じた大きな要因はまず「乗り心地」。
2,670ミリという比較的長めのホイールベースに起因して非常に乗り心地に優れ、ロール、ピッチともにうまく抑え込まれて文字通り「フラットライド」といった印象で、きっちりサスペンションが動いてることが(特に段差を乗り越える際に)わかります。
もともとフェラーリはランボルギーニやポルシェに比較しても”しなやかな”足回りを持つことで知られ、しかしポルトフィーノは(フェラーリのラインアップの中ではGTカテゴリに属するためか)いっそうその印象が濃いように思います。
そのほか、インテリアではいたるところにレザーが使用され・・・。
サンバイザーはレザーもしくはレザー調素材にステッチが入るという他のクルマではあまりにない仕様です。
さらにドリンクホルダーの内側やセンタートンネルに設けられたトレイ、アームレスト内部のポケットには起毛素材が使用され、ドアインナーパネル下部のポケットについてもレザーっぽい素材が貼られるなど「樹脂むき出し」を極力避けているようでもありますね。
そのほか、細かい調整を電動にて行えるシート、電動ステアリングコラム(乗降時には昇降する)、ポジションメモリー機構など高級車に準ずる装備も数多く見られ(フェラーリは高性能で高額なクルマではあるが、高級車たろうとして作られたクルマではないと認識していただけにけっこう意外)、さすがはセレブに愛されるクルマであるといった感じ。
しかしそのハンドリングはやはりフェラーリであった
なお、こういった高級車っぽい仕上げを持つとしても跳ね馬のエンブレムを掲げるからには、このポルトフィーノも紛れもないフェラーリであり、そのハンドリングはシャープそのもの。
ステアリングホイールの操作感が軽いのでなおのこと「よく曲がる」という印象がありますが、その実、このハンドリングにもっとも貢献しているのは第三世代の電制デフ(E-Diff3)だと思われ、というのもコースティング状態でステアリングホイールを切るよりもアクセルオン状態でステアリングホイールを切ったほうがよく曲がるから。
加えてフロント46,リア54%という重量配分によって後輪にトラクションが掛かりやすく、いっそう「駆動力で曲がる」コントロールを行いやすいのだと思われます。
そしてこのハンドリングにつき(スポーツ走行を行わずとも)街なかを走行していたとしても「おお」と思うレベルで曲がってくれ、どんな環境においても楽しませてくれるフェラーリには感謝です(現代ではスピード=悪といった風潮があり、低速や通常の環境においていかに楽しめるようにするかということもスポーツカーメーカーにとっての重要な課題なのだと思われる)。
そのほか、カーボンセラミックディスクブレーキを有するにもかかわらず全ての速度域で扱いやすさを発揮し、特筆すべきは「完全停止する前の最後の一瞬」でカクっとならず「すっと」停まることで、逆にこれは停止状態からの出だしであっても同じことが言え、全くショックなくすっと発進することが可能です。
ちなみにフェラーリには「クリープ」が備わらず、最初はちょっと(街なかでのストップ&ゴーや、バックしての車庫入れなど)戸惑いがあったものの、こちらについてはすぐに慣れてしまうことに。
なお、フェラーリはそのスイッチ類の配置など「奇抜」と思える部分もあるのですが、実はこれらは人間工学に基づいて設計されているといい、たしかにこれらについても実際に運転して走るとすぐに慣れてしまい、最初からそのスイッチがそこにあるのを知っていたかのように感じることも。
そういった意味では、スイッチ類だけではなくブレーキやハンドリングといったところにおいても、フェラーリは「人間の感覚に沿うように」設計を行っているのかもしれません。
さらにそういった制御が優秀だと感じるのは「ヒルスタートアシスト」作動時(というかリリース時)で、坂道からアクセルオンでスタートする際、パーキングブレーキがリリースされる瞬間がまったくわからないほどスムーズに解除され、これは「スポーツカーでは他に類を見ないほど」優秀な制御だと認識していますが、このあたりもぼくが「ポルトフィーノが高級車然としている」と感じることろ。
そのほか、2017年登場のクルマとしては珍しく大型ディスプレイを持つインフォテイメントシステムを採用していますが(フェラーリは最初にアップルカープレイを導入した自動車メーカでもある)、フェラーリは意外やこういった先進装備、そして新しいテクノロジーを取り入れることには非常に積極的であり、ここも流行に敏感なセレブに支持されるところなのかもしれません。
ただ、現代の水準からするとディスプレイの解像度や反応速度についてはやや劣ると感じるものの、登場した時期を考えると「むしろ立派」なのだとも捉えています。
なお、ちょっと面白いのは楽曲をスキップしたときの「仕様」で、そのまま次の曲に飛んだり前の曲に戻ったりするのではなく、現在の曲を一旦フェードアウトしてからスキップするようにしており、これは正直「上品な制御」だと感じるところ。
そして細かいところだと「エアコン」の優秀さにも触れる必要があり、というのも非常にその効きが強力だから。
「たかがエアコン」かと思うかもしれませんが、効きが悪く風量を最大にせねばならないようなエアコンだと高級感や上質感を著しく阻害してしまうことになり、しかしポルトフィーノの場合はエアコンが強力なために「エアコンが作動しているのを認識しなくてもいいほど」の風量にて快適な室温に保つことができるようですね。
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こういった「目に入る部分、手に触れる部分、耳で感じる部分、さらにはブレーキングや発進時のフィーリングなど全て」においてエレガントさが感じられるのがこのポルトフィーノであると言ってよく、フェラーリは「パフォーマンス最優先」を掲げるスポーツカーメーカーではあるものの、実はパフォーマンスと同じくらい快適性や上質さを重要視しているということを強く意識させるクルマだとも思います。
そしてフェラーリは快適性すら新たな次元に引き上げようとしているということを(このポルトフィーノ以外からでも)感じ取ることができ、こういった先進的な取り組みやチャレンジングな姿勢が多くの消費者にも伝わることとなり、だからこそフェラーリは支持され、ポルトフィーノはその顧客の70%を「はじめてフェラーリを購入する層」が占めることとなったのかもしれません。※フェラーリはローマの発表の際に「高級サルーンのユーザーをも取り込む」とコメントしていたが、その考え方の元祖がこのポルトフィーノなのかもしれない
フェラーリ・ポルトフィーノ「初ドライブ」の様子を収めた動画はこちら
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