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シボレーはこれまでのコルベットファンを切り捨てる?先代を最大100万円値下げし、先代の人気オプションを”流行遅れ”として廃止する

2019/08/11

| これによるC7以前の中古コルベット相場が崩れるのは必至 |

シボレー・コルベットはミドシップレイアウトへと変更したC8へと移行していますが、そこで問題となっているのが先代「C7」世代コルベットの在庫。

ちょっと前までは「6,000台」の在庫があると報じられていましたが、今回なんと「8月3日から、C7コルベットの価格を最大で9,404ドル(約100万円)引き下げる、とシボレーが発表しています。

シボレーは「旧来の」コルベットファンを切り捨てる?

これはかなり衝撃的とも言える内容ですが、アメリカでのクルマ含む様々な商品の販売価格は流動的で、クルマだと「インセンティブ」を出して末端での販売価格を調整するほか、iphoneでも「ニューモデルでも、売れなければ」すぐに価格を引き下げた、といった事例も。

いわゆる「マーケティングの4P」を構成する要素のうちのひとつは価格(Price)ですが、とにかくアメリカはこれについてかなり敏感だと考えています(価格弾力性が高い)。

そして、ぼくがここで思うのは、「コルベットは、フロントエンジンモデルとともに、旧来のファンを切り捨てようとしている」ということ。

コルベットのファンのメインは「ベビーブーマー」で、彼ら彼女らが成人するあたりを境にコルベットの販売はピークを記録し、その後はずっと下がっている状態です。

そして今やコルベットを購入するメインの客層もベビーブーマーであり、そして彼ら彼女らも60~70代となり、シボレーとしては「これ以上、旧来のファンに頼っていてはいけない」と考えた可能性が大。

実際のところ、シボレーはこれまで(コルベットにおいて)大人気だった”クロームの”ホイールをオプション設定せず。

これについて、最初は「クロームは環境負荷が高いので、環境への配慮か」と考えていたものの、シボレーいわく「クロームは古臭いイメージがあり、若者はこれを好まない」からだと説明。

つまり、これまでのファンの要望を無視してでも「新しい、若い」コルベットオーナーを求めている、ということになりそうです。

今回の値下げにて、コルベットの在庫処分が加速すると考えられるものの、その一方で懸念されるのが「中古相場の下落」。
つまりC7コルベットの中古相場はこれによって大きな影響を受けると思われるものの、シボレーはそれももちろん考慮の上で今回の判断を採用したと思われ、となると「シボレーはC7以前の世代の中古相場は崩れても構わない」と考えているのかもしれません。

そうなると、シボレーはC8世代のコルベット発売を期に「これまでのコルベット」と決別しようとしている、ということになりますが、気になるのが現在のコルベットの購買層。

すでに1年分の台数を販売したと報道されるものの、この購入者たちが「これまでのコルベットオーナーなのか」「他のクルマから流れてきた、新しい層なのか」によっても今回の戦略の成否が異なると考えていて、現在の注文の大多数が「コルベットオーナーの乗り換え」であり、新しいオーナーを呼び込めていないのであれば、すでに「新しい客層を呼び込みたい」シボレーの戦略は失敗しているということにもなります。

その場合、旧来のファンを切り捨てようとしたシボレーの姿勢は、これまでのコルベットオーナーからも不信感を招くことになりこういった認識が蔓延「してしまうと、現在の「新車効果」が薄れた後のコルベットの販売は「大変厳しい」ものとなりそうですね。

VIA: Cars Direct

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