C8コルベットの購入者は先代コルベットに比較して「年齢が若く、年収が720万円も多い」。さらに販売台数も年々増え、C8コルベットは稀に見るヒット作となりそうだ

｜　購入者層の「リッチさ」に起因してC8コルベット購入者は多数のオプションを装着　｜

「旧来のファンを切り捨て、新しいファンを獲得する」というシボレーの大胆なチャレンジは大きな成功を収めたと言っていい

さて、C8コルベットは「エンジン位置をフロントからミッドに」という大胆かつ革新的な変化を遂げていますが、シボレーいわく、これによって客層が大きく変化かつ多様化し、世帯年収が高くなり、平均年齢も若くなっている、とのこと。

「C8世代のコルベットは、これまでのコルベットがまったく手を付けることができなかったジャンルに進出することが可能となり、ミッドエンジンの特性とプレミアムなインテリアが、単なるエキゾチックなスポーツカーではなく、本物のスーパーカーとして認識され、現在の成功に結びついた」とも語っており、実際にC8コルベットの購入者層の平均世帯年収は、これまでのコルベット購入者層に比べ、「約720万円ほども高い」とも。

アメリカンマッスルはベビーブーマーとともにその客層が「高年齢化」

なお、コルベットやカマロ、マスタングといったアメリカンマッスルの主要顧客層は「ベビーブーマー」。

第二次大戦終了後に生まれた子どもたちが運転免許を取得して乗るようになったのが「アメリカンマッスル」だったわけですが、そんな彼ら彼女らも今では60～70代となり、そのためマスタング購入者の平均年齢は「51歳」。

コルベットの購入者についてもほぼ同じ状況であったと思われ、シボレーとしては「これ以上、旧来のファンに頼っていてはいけない」と考え、新しいファンの獲得に乗り出したのがC8コルベット。

そのためC8コルベットでは「これまでのファンを切り捨て、未来に向かう」ために設計・デザインされていますが、そのチャレンジがみごと奏功したということになりそうです。

どの自動車メーカーも顧客の「高年齢化」には頭を悩ませている

なお、いずれの自動車メーカーも同様に状況にあり、ベントレーの顧客平均年齢は56歳、メルセデス・ベンツは51歳、BMWは50歳だと言われますが、そのためいずれの自動車メーカー/ブランドともに顧客の若返りに躍起になっている状態。

そのためには「若者向け」の商品を展開することが重要ではありますが、染み付いた「ブランドイメージ」はそうかんたんに拭えるものではなく、よって各車が重視しているのがSNSの重用、そして若者にアピールできるインフルエンサーの活用ということになりそうです。

コルベットの販売は年々増加

話をコルベットに戻すと、現行コルベットの販売は年々増加。

通常、スポーツカーは発売初年度がもっとも高い人気を誇り、その後にはホンダNSXのようにズルズルと販売が下がるのが常ですが、コルベットの場合はむしろ「販売が増加」。

先日日本向けの「右ハンドル仕様」が発売されたように、販売地域が増加していることも一つの理由ではありますが、それ以上に、メインとなるアメリカでの販売が伸びており、今後さらにZR1やZ06、「ZORA」等が追加されるであろうことを考えると、その販売数はまだまだ伸びることになりそうです。

参照：Muscle Cars & Trucks