| 「快適さ」を体が覚えるほどのマナーの良さを持つクルマはコンチネンタルGTをおいてそうそうない |
その巨体に似合わぬドライビングパフォーマンスもまた魅力
さて、ベントレー・コンチネンタルGT V8コンバーチブルに試乗。
先日紹介した「グランドニッコー淡路ホテル」での展示試乗会においての体験ですが、プロのレーシングドライバーとの同乗試乗あり、下道〜高速走行、そして急制動やスラロームの体験ありといった充実した内容となっており、あらためてこういった機会を用意してくださったコーンズさんには感謝です。
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ベントレー・コンチネンタルGT V8コンバーチブルはこんなクルマ
まずはベントレー・コンチネンタルGT V8コンバーチブルのスペックから。
主な数値は下記のとおりです。
ベントレー・コンチネンタルGT V8コンバーチブル
- エンジン・・・4リッターV8ツインターボ
- 出力・・・550馬力
- トランスミッション・・・8速DCT
- 駆動方式・・・4WD
- ボディサイズ・・・全長4,880ミリ、全幅1,965ミリ、全高1,400ミリ
- 車体重量・・・2370kg
- 0−100km/h加速・・・4.1秒
- 最高速度・・・318km/h
- 価格・・・2950万円
試乗時は雨天のため試乗車の写真を撮ることが難しく、よって屋内に展示されていたコンチネンタルGT(クーペ含む)にて外観をざっと見てみたいと思います。
近年のベントレーで顕著なのがこのプレスライン。
メタリックカラーだと一層引き立つように思われますが、とにかく「深く鋭く」折り曲げていて、これだけの角度で折り曲げることができるのは自動車業界広しといえどアウディやベントレーくらいのものかもしれません。
一方でヘッドライト周辺の丸みや・・・。
ボンネット中央に見られる「つまみ上げたような」優雅なラインも持っており、コンチネンタルGTのボディには多数のデザイン要素が混在している、ということになりそうです。
リアフェンダーはこんな感じで「マッスル」。
テールランプは特徴的な楕円形。
インテリアはベントレーらしい、重厚感と高級感にあふれる仕様を持っています。
そして内装の至るところに用いられるのがこのギザギザ、「ナーリング」加工。
これはベントレーならではと言えるもので、そのためベントレーは内装のみならず、ヘッドライト内部など外装においても強く押し出している意匠です。
そのほか内装だと、やはりベントレー特有の「ダブルダイヤモンドステッチ」など、他社には見られない、独自の手法による演出がなされています。
こういったところを見るに、ベントレーはその内外装において、「何にも似ていない」排他性を持つように思われ、よって購入する人にも”指名買い”が多いのかもしれません。
ベントレーの試乗はこうやって行われた
試乗コースは淡路島内の下道や高速道路を走り、その後は急加速と急制動、そしてスラローム走行を行なうというもので、なんとレーシングドライバーがつきっきりの同乗走行。
試乗開始から自分で運転することも可能ですが、ぼくはせっかくなのでレーシングドライバーの方の運転にて往路を体感することに。
なお、このドライバーの方はベントレーはもちろん、フェラーリやランボルギーニ、マクラーレン等にてレースを走った経験があり、ル・マン24時間レースにも3度ほどの出場経験があるとのことで、楽しくお話させていただきました。
そして復路では運転を交代して自分でステアリングホイールを握ることになりますが、まず驚かされるのはその静粛性。
サイドウインドウはその開閉時に「普通のクルマの倍」くらいある厚みを確認できますが、実際にドアを閉めると車内は静粛そのもので、エンジンをスタートさせてもわずかに排気音が(おそらくは意図的に)車内に入るのみ。
振動は完璧に抑えられており、エンジン始動時や変速時、加速時のバイブレーションが完全に抑えられているようです。
その印象としてはまさに「大船に乗った」というのがぴったりで、おそらくはこのサイズや重量でしかなしえないと思われる安定感を誇ります。
そしてその安定感はどうやら「体に刻まれる」ようで、試乗を終えて動画や画像を整理していると、それらを見てそのときの安定感、快適さをありありと思い出すことができ、「加速や制動力を覚えているクルマはあるが、その快適さを体が覚える」クルマはベントレーだけじゃないかと思ったり。
かつ、ステアリングやブレーキ、アクセルの操作に対する反応が非常に優れており、全く違和感がないことにも驚かされます。
実際に(特設のクローズドコースで)スラロームを走ってみると、これだけのサイズと重量を持つにもかかわらず、ピッチ、ヨーともに最小限に抑えられており、「ついさっき」このクルマに乗ったばかりのぼくでも安心して踏み、ステアリングホイールを切ることができるほど。
特にブレーキフィールには時筆すべきものがあり、急制動での制動力はもちろん、高速道路走行中での減速、タウンスピードからの減速そして信号停止時の「最後の一瞬」に至るまでナーバスさが感じられず、もちろん姿勢も安定したまま。
そのほか運転していて気づいたのは、思いのほか(内装の)フロアが高いこと。
これに起因してシート位置も高くなっていますが、これは乗降性を意識したものかもしれません。
さらにはサイドウインドウの前方には三角窓があるので巻き込み確認を行いやすく、シート位置の高さもあって、視界に優れるクルマだと思います。
今回はかなり長時間、そして内容盛りだくさんの試乗であり、そのぶんベントレーの魅力を満喫することができたと考えていて、「もうちょっと歳をとったら、こういったクルマがいいんだろうな」と思ったり。
高いデザイン製、高級感、そして優れた動力性能や安全性を兼ね備えており、極端なスポーツ性さえ求めなければ、これほどバランスのいいクルマもまたとないかもしれません。