| 12台製造されたコルベットZR2の中でもコンバーチブルはわずか2台 |
信じられないことに当時の購入に関する書類も付属
さて、わずか2台しか製造されなかったシボレー・コルベットZR2コンバーチブルが5月13日から開催される競売に登場し、最高で120万ドル(約1億6000万円)にて落札されるというエスティメートが出されて世間を驚かせることに。
この「コルベットZR2」は当時シボレーが「レーシングカーを町中で乗りたい人」に向けて製作した究極のロードゴーイングカーで、そのうち「プロ ZR2 スペシャルパーパス LS6 エンジンパッケージ」になると(454キュービックインチ)LS6自然吸気V8エンジンとマンシー製M22クロスレシオ”ロッククラッシャー”4速マニュアル・トランスミッションを組み合わせるなど、数多くのスペシャルパーツが組み込まれているといいます。
加えてトランジスタ式ACデルコ製イグニッションシステム、前後サスペンションには特注スプリング、さらには強化されたショックアブソーバー、スタビライザーバーなどのパーツが組み込まれ、大容量アルミラジエターやヘビーデューティーディスクブレーキも装備されることに。
あまりの高価さのため販売台数は合計で12台
そしてシボレーはこのコルベットZR2を1971年に7,672ドルにて販売しますが、これはインフレを考慮して現在の貨幣価値になおすと54,400ドル(約708万円)になるといい、当時あまりの高額さのためわずか12台しか販売されず、そのうちの2台がコンバーチブル、そしてそのうちのさらに1台が今回オークションに登場するこの車両。
さらにこのコルベットZR2コンバーチブルは、現存する(クーペ含め)ZR2の中では最も走行距離が短く(8702マイル=14004km)、ボディカラーはブランズハッチグリーン(オリジナルペイントのまま)、ブラックのソフトトップを持ち、ボディカラー同色のハードトップも付属しています。
今見ても非常に斬新かつ美しいスタイルを持つように思われ、むしろ現代のクルマでは持ち得ない独特の雰囲気も感じられますね。
このコルベットZR2は、MCACNトリプルダイヤモンド賞、NCRSトップフライト賞、MCACNコンクールゴールドなど長年にわたって数々の賞を受賞しており、さらに驚かされるのは「レストアがなされていない」ということ。
クラシックカーにおいては「きちんとレストアされたクルマ」も人気ではありますが、「レストアされていない、つまり当時そのままの仕様を持ち、しかし美しいコンディションを保っている」個体のほうが遥かに価値があるとされ、まさにこの個体がそれに該当します(さらにこのコルベットZR2は、唯一レストアされてないZR2でもある、とのこと)。
加えて当時の車両購入指示書、出荷明細書、オリジナルのタンクステッカーなど、完全な書類や付属品が残っているといい、存在自体が「奇跡」と言えるかもしれません。
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