| さすがに「死亡」となると当局も黙っていることはできない |
さて、いい話にせよ、そうでない話にせよ、とにかく話題には事欠かないテスラ。
今回は中国にて、走行中のテスラの車両が壁に激突し、乗員1名が死亡したという事故が報じられています。
現時点では事故の原因について判明していないものの、テスラとしては「当局の調査に全面的に協力する」というコメントを出しており、今後の成り行きに期待したいところですね。
さらに上海モーターショーにおいては女性による抗議も
なお、上海モーターショーにおいては、モデル3のオーナーだとされる女性が抗議のためにテスラのブースを訪れ、そこで中国語にて「ブレーキがきかない」と書かれたTシャツを着用し、展示されているテスラ車の上に乗って大々的にパフォーマンスを繰り広げることに。
この女性はテスラのブースに入る前からライブストリーミングを行っていたといい、準備したTシャツを見ても、最初から展示車の上に乗って抗議を行う予定だったのかもしれませんね。
その後関係者は傘を用いてTシャツのメッセージを周囲から見えないように試みるものの、女性は傘を奪っては投げ捨て、終いには警備員に引きずり降ろされることになり、その後逃走したと報じられています。
A female Tesla owner climbed on top of a car’s roof at the Tesla booth to protest her car’s brake malfunction at the Shanghai auto show Monday. The booth beefed up its security after the incident. pic.twitter.com/ct7RmF1agM
— Global Times (@globaltimesnews) April 19, 2021
テスラによると、この女性は「ブレーキが故障していると抗議し続けてきた」ことで知られているといい、実際にテスラ・モデル3にて走行中、家族4人ともども死にかけたと主張。
テスラ側では車両のデータ解析によって、事故の際にはブレーキ、運転支援システムが正常に作動したことや、ブレーキをかける直前の速度が120km/hであったことも示しており、さらには「消費者の権利を尊重し」第三者による検証含むさまざまな解決策を提示するものの、この女性はそれらをすべて拒否したともコメントしています。
テスラは中国に対して「特別扱い」?
ただ、別の報道では、本件に対して「すぐに問題を解決できず申し訳ない」という謝罪を行っているとも報じられていて、これが事実であれば、中国のユーザーに対してはかなり「甘い」対応となっているようにも。
加えて、先日中国にて発生した「車内カメラによるデータ取得」問題についても早急に対応しており、これら一連の動きを見ても「中国市場のリスク」を適正に判断し、当局の機嫌を損ねないよう、そして中国の国民感情を逆なでしないように対処しているという印象を受けますね(でないと、ドルチェ&ガッバーナのように、一夜にして巨大市場を失うことになる)。
アメリカではテスラ乗車中、2名の死亡事故も
ところ変わってアメリカでは、テスラ・モデルSに乗っていた2名が死亡するという事故が発生しているものの、これは「運転席に誰も乗っておらず」、乗っていたのは助手席と後部座席のみであったという奇妙な状況にて発生しています。
すでに米国道路交通安全局(NHTSA)と国家運輸安全委員会(NTSB)とが調査を開始しているそうですが、テスラCEO、イーロン・マスク氏によれば、「この車両は完全自動車運転(FSD)を装着しておらず、オートパイロット機能がオンにもなっていなかった」と主張。
事故の状況としては、クルマがカーブを曲がりきれずに木に衝突して炎上したとされますが、鎮火までには4時間を要し、画像の通り「もう元のクルマがわからない」ほどに燃え尽きています。
いずれの案件も「テスラ側に問題があるのか、それともユーザー側に問題があるのか」はっきりしない事故ではあるものの、「テスラ」が絡むだけで大きな注目を集めるニュースとなるのは間違いなく、もしかすると、今後は”注目を集めたいがために”事故を装う人々も出てくるかもしれませんね。
参照:ANNnewsCH,