テスラ・モデルYのオーナーが「車体フレームにひび割れを発見」。テスラに修理を依頼し確認してもらうも「問題なし」との回答によって膠着状態に陥る

｜　即座に破断に至るようには見えないが、放置するとどんどんひび割れが拡大しそうだ　｜

それにしてもこれを「問題なし」と言い切るテスラもまた恐ろしい

さて、これまでにも「走行中にリアバンパーが外れた」「走行中にルーフが飛んでいった」「走行中にステアリングホイールが外れた」といった奇想天外なトラブルが報告されているテスラですが、今回は「フロントのストラット付近に亀裂が入っていた」という問題がネット上を賑わせています。

そしてこのテスラ・モデルYのオーナーは自身のSNSへとその画像を投稿してテスラが対応を行ってくれないことについても言及し、ますますこの問題が拡散することとなっているもよう。

本来は別の問題をチェック中であったが

ことの発端としては、このテスラ・モデルYのオーナーが（ネット上で多くのユーザーから緩みが指摘されていた）ブレーキフルードのリザーバータンクキャップをチェックしていたところ、ふと周囲に目をやるとストラット付近に「ひび割れ」を見つけたというもの。

なお、このパーツは話題の「ギガキャスト」によって一体成型されていますが、このギガキャストは「通常、多くの小さなパーツを溶接して作り上げる」車体の構造材（サブフレームなど）に代え、最初からそれらが一体化した大きな鋳造パーツとして成形するもので、より速く、そしてより安価に製造を行えるというメリットが存在します。

その一方、事故の際の修理が困難であったり、（ギガキャストで成形したパーツに）製造上の不具合があればサブフレーム全体が使い物にならなくなったりというデメリットもあり、かつギガキャストに対応したプレス機が非常に高価ということもあって、この導入に二の足を踏む自動車メーカーがほとんどというのが現在の状況です。

実際のところ、テスラのギガ・ベルリンでは車体製造時に今回と同様の問題が多数発見され、工場の廃棄スペースには「ひび割れ」の入ったパーツがうず高く積まれていたという報告もなされています。

テスラは本件に関し「問題ない」とコメント

このたび問題が生じたモデルYにつき、テキサス州オースティンの工場で生産された個体のようですが、現時点ではギガ・テキサスで製造された車両に同様の欠陥は報告されていないといい、しかし今回の件が広く知られるようになると、同工場にて生産されたモデルYに乗るオーナーが自身のクルマにも同様の欠陥を発見し、「ME TOO」状態となってしまうのかもしれません。

なお、今回この問題に遭遇してしまったモデルYのオーナーは、「納車時に、他の（モデルYの）オーナーが確認するようにとアドバイスしてくれたチェックリストに基づいて車を点検した」ものの、まさかフレームや構造部材に問題があるとは思わず、よってそれらについてはノーチェックだったといい、そのためにひび割れの発見が遅れたのだとも。

そしてこのオーナーによると、今年5月に修理依頼を出したにもかかわらず、このモデルYはいまだに修理されていないとのことで、7月にサービステクニシャンが車両を確認したにもかかわらず、"車は安全に運転できる "と何度も言い、技術者からも安全だと保証されたと述べています。

さらにこのオーナーは、テスラに対して「安全だという根拠」を示して欲しいと申し入れるものの、テスラ側はいまだ回答を提示しておらず、事態が全く進んでいない、とも。

たしかにこういったひび割れは非常に恐ろしく、ここから拡大するようであれば車両の破損に繋がりかねず、早急な対応が望まれるところですね。

Hey @Tesla my 2023 Model Y has cracks though the metal on its front cast, is this normal? @elonmusk any thought on this build quality? #Tesla #modely #teslahelp pic.twitter.com/arfr2QRmkr

— Nizar Kamel (@Nizzysaurus) August 24, 2023

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参照：Nizar Kamel（X）