| 相変わらずテスラに関する話題には事欠かない |
加えてアメリカではファントムブレーキに関する集団訴訟が発生する気配
さて、ノルウェーのテスラオーナーが「ハンガーストライキ」を行ったとして話題に。
これはテスラ車の品質に対する不満を世間に広く知ってもらうための主張であり、ウエブサイトを立ち上げ、さらにはツイッター上でもテスラに対する抗議を行うことに。
ただしその主張は過激なものではなく、「我々は、テスラ車の品質に不満があるだけです。イーロン・マスクに我々の悩みが届けば、きっと状況を解決してくれると信じています」というもので、その不満の内容というと「寒冷時にシステムがスタートしない」「寒冷時にドアハンドルが展開しない(テスラのドアハンドルは格納式)」「暑いときにシステムダウン」「シートに気泡が入る」「トランクに水が貯まる」「ディスプレイ周囲が黄色くなる」、さらには「バッテリー寿命が公称値よりも短い」「充電が無料という触れ込みだったのに、充電器の規格を変更され、スーパーチャージャーに対応しなくなった」というものも。
ノルウェーは世界で最もEV普及率が高い
ちなみにですがノルウェーは世界で最もEV化率が高い国であり、国民一人あたりの「テスラ率」も一番高い国です。
そして彼ら自身もそれを十分に理解しており、テスラは彼ら自身を「炭坑のカナリア(有毒ガスを検知するための生贄のようなもの)」だと表現しており、実験台にされているとも認識しているもよう。
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さらにはクルマのみではなく、テスラのカスタマーサービスの対応についても不満を書き連ねており、そういった経験を「これからテスラを買おうとする人たちに広く知ってもらおう」と考える向きもあるようですね。
現在このハンガーストライキは終了していますが、主催者は「テスラが我々の主張に耳を傾けてくれることを願います。これは彼らの利益になもなることであり、彼らはEV市場を支配するとても良い位置にいますが、もし多くの人がこのようなトラブルを経験すれば、他の自動車メーカーがその座を奪う準備をするでしょう」とも語っており、一方的にテスラを非難しているわけではないところは注目に値します。
#TESLA HUNGER STRIKE IN TESLA COUNTRY #1 🇳🇴 NORWAY 27. aug 2022 @elonmusk
— Erlend Mørch (@monstermasten) August 27, 2022
NORWEGIAN TESLA OWNERS ARE SUFFERING pic.twitter.com/2XkiIiG6df
テスラは「ファントムブレーキ」にて訴訟を起こされる寸前
そして物理的な品質のほかにもテスラは「ソフトウエア上の問題」をかかえており、ちょっと前から報じられるのが「オートパイロット起動中、なにもないところで勝手に車両がブレーキを勝手にかけてしまうファントムブレーキ」問題。
これについては現在米国道路交通安全局(NHTSA)の調査を受けていますが、カリフォルニア州サンフランシスコに住むテスラのオーナーが「テスラが半自律運転システムの市場投入を急いだためにユーザーが被害を被った」として集団訴訟を起こそうとしているもよう(すでに訴状が提出されている)。
NHTSAは数百件の苦情を受け、今年2月にファントムブレーキ問題の調査を公式に開始し、5月には750人以上のドライバーが問題を報告したと発表し、テスラに対して6月20日までにクレームに対応するよう求めたものの、今のところテスラは対応しておらず、テスラがこのまま対応しない場合、民事罰として1億1500万ドルを支払わねばならない可能性がある、とも報じられています。
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テスラからウインカーやワイパーレバーが無くなる?
そしてもう一件テスラに関するニュースが流れており、それは「2023年モデルのモデルYとモデル3から、ステアリングコラム上のレバーが無くなる」というもの。
このレバーとはつまりウインカーやワイパー等の操作に使用するものですが、ウインカー、ハイビーム、ワイパー制御はステアリングホイール上の左側タッチセンシティブボタンに統合され、ドライブポジションのチェンジ、オートパイロットの有効化、緊急ブレーキの作動などは右側のスクロールホイール横に配置されるのでは、と言われています。
もしくはステアリングホイール上ではなくインフォテイメントシステムへと(部分的に)移される可能性もあり、結果的に最新版のモデルSと近いデザインになるの可能性がありそう。
もちろんこれはテスラがミニマルなデザイン(これもテスラの魅力のひとつでもある)を追求しているからでもありますが、パーツ点数を減らせばそのぶんコストも削減されるという実利的なメリットを狙っていると考えていいのかも。
さらにはモデルラインアップ間にてパーツを統一すればそのぶんコストが下がることになりますが、物議を醸したヨーク型ステアリングホイールはモデルYとモデル3に採用されない可能性が高く、というものモデルS、モデルYでヨーク型ステアリングホイールを採用したのは、その奥にあるメーター表示を見やすくするためだったから。
ただ、モデルYとモデル3は「そこ」にメーターはなく、よってヨーク型ステアリングホイールを採用する意味はない、ということになります。
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参照:InsideEVs, Erlend Mørch,