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テスラが「25,000ドルの」安価なモデル2計画をキャンセルしたとの報道。イーロン・マスクはこれを否定するも、株価は「マイナス成長」発表時よりも大きく下がる

テスラ

| 現時点では事実かどうかは判断できず、しかし事実であればテスラが短期的には「より厳しい状況」へと追い込まれるであろう |

もちろんこれが事実であったとしても、イーロン・マスク氏は状況を打開するだけの策を持っているはずであるが

さて、テスラの救世主と見られていた「25,000ドルの」EVの開発・生産がキャンセルもしくは棚上げされたとの報道。

現在は知っての通り「EVに対する需要が減退」しており、かつBYDはじめ安価にEVを提供する中国の自動車メーカーが勢力を増しているという状況です。

これによって多くの自動車メーカーがEVの販売を落としており、よってその生産規模を縮小するという状況にまで達していますが、一方で「在庫処分のために価格を下げる」と飛ぶようにEVが売れるという現状もあるわけですね。

つまり、人々はEVに対する関心を失ったわけではなく、単に「EVが割高である」と考え購入を控えているということが明らかになっており、よって販売不振にあえぐテスラが「25,000ドル」という驚異的なロープライスを持つEVを投入できれば飛躍的にその販売を伸ばすことができると考えられていた、というのがここまでの話です。

フォードがマスタング・マッハEを123万円値下げ→販売ペースが一瞬で6倍に。やはりEVの販売を阻害していたのは価格であり、適正価格であれば「売れる」ことが証明される
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内部からの情報によれば「テスラは25,000ドルのEVの生産を棚上げした」

そこで今回ロイターが報じたのが「テスラは、モデル2として知られる25,000ドルのEVの生産を棚上げした」。

これは複数のテスラ関係者の話として報じられているもので、以下のように述べています。

  • テスラ関係2人は、テスラのモデル2計画のキャンセルを、従業員数十人が出席した会議で知ることになった
  • このキャンセル(あるいは棚上げ)は2月に決定されていたようだ
  • イーロン・マスクの指示は「モデル2のかわりに、ロボタクシーに全力で取り組むこと」である
  • また別の関係者によると、このモデル2の計画中止を認め、新たな計画ではロボタクシーの生産が求められているが、その生産量はモデル2で予想されていたよりもはるかに少ない
  • サプライヤーはH422/NV91(モデル2のプロジェクト名)に関連するこれ以上の活動を停止するようにという通知が出されている
  • 一部のエンジニアはすでに配置転換されている
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ただし実際のところはどうなのかわからず、というのもイーロン・マスクCEOがXにてこの報道を否定し「ロイターは死にかけている」とまで非難しているから。

実際のところ、イーロン・マスク氏の掲げたマスタープランでは「販売台数の追求が至上命題」「アメリカでもっとも安価なEVを作る」という項目があり、地球の環境を変えるためにより多くのEVを販売し、そのためには手の届く価格にまで価格を引き下げる必要がある、と常々言及しているわけですね。

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そのイーロン・マスク氏が「より台数の少ないロボタクシー」へとシフトするとは考えにくく、よってロイターの報道にはやや疑問が残ります。

しかしながら実際に計画をキャンセルした可能性も

しかしながらこの「キャンセル」にはいくつかの現実味もあり、まずはイーロン・マスクCEOが「AI」へと会社の軸を変更する可能性があること。

同氏はテスラにつき、以前より「自動車メーカーではなくソフトウエア会社である」と言及していて、AIに対しては随分前(2008年頃から)強い興味を示しています。

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よって、ここで競争が厳しい低コストEVへの見切りをつけてAIに集中する可能性も否定できず、そして現在開発を進めている「アンボックス」生産ラインの導入によってモデルYとモデル3の生産コストを引き下げ、「25,000ドル」とまではゆかないものの、それに近いレベルに価格を引下げることでモデル2の代替とすることも考えられるわけですね。

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ただ、いずれにせよ事実を知ることはかなわず、今後の報道やイーロン・マスクCEOのコメントを待つしかなく、しかし株価は(販売台数がマイナス成長となったという発表がなされたときよりも大きい)3.63%の値下がりを記録していて、いかに人々がこのモデル2に対して大きな期待を寄せていたかもわかります。

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参照:Reuters

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