中国ではEVよりもPHEVのほうが人気があり前年比72％の伸び。なおEVは14％増、逆にガソリン車は11％のマイナス、通常のハイブリッドも15％マイナス

｜　中国での自動車事情は日本のそれとは全く異なる　｜

なんとガソリン車よりもPHEVのほうが安い場合も

さて、中国ではBEVの販売比率が世界で最も高くなったと報じられて久しい状況ですが、今回は「中国にてPHEVの需要と販売が高まっている」との報道。

そして現在中国ではPHEVの需要がBEVを上まりつつあるとされ、その理由はズバリ「安価だから」。

中国では一部のハイブリッド車がガソリン車よりも安価である

なお、世界中のほとんどの市場ではPHEVのほうがガソリン車よりも高い価格で販売されていますが（ガソリンエンジンのほかにエレクトリックモーターやバッテリーを内蔵しているので当然ではある）、中国だけは例外であるようで、一部のハイブリッド車は標準的なガソリン車よりも安く、さらにBEVよりも23％以上安いのだそう。※中国でPHEVがガソリン車よりも安価な理由は不明

実際の販売台数を見てみると、2023年1月～9月におけるプラグイン・ハイブリッド車の販売台数は昨年の798,164台から72%プラスの1,370,324台に急増しており、エクステンデッド・レンジ・ハイブリッド車（EREV）の販売台数は、153,925台から395,390台へと157％増加しています。※EREVとはレンジエクステンダーつきEVだと思われる

ロイターが発表した中国汽車工業協会のデータによると、BEVの販売台数は307万6,827台から350万3,366台へと14％増加し、通常のICE（内燃機関搭載）車の販売台数は1,063万4,847台から949万8,793台へと11％減少しているとのことなので、PHEVの72％増、EREVの157％増がいかに大きな伸びであるかがわかります。

一方、通常の（マイルド）ハイブリッドの人気も低迷しているとされ、ハイブリッドの販売台数は15％減の525,096台だと報じられ、現地での販売の多くをハイブリッド車に頼っているトヨタの（中国での）販売低迷もここに理由がありそうですね。

なお、プラグイン・ハイブリッドを提供する現地自動車メーカーの中だと、BYDは圧倒的な存在感を示しており、なんと中国国内で最も売れているPHEVモデル10車種のうち8車種がBYD製。

そして9月末現在、中国で販売されている電動化車両のうちBEVは60％を占め、次いでPHEVが24％、従来のハイブリッド車が9％、EREVが7％となっているそうですが（水素燃料電池車は今年わずか300台しか販売されていない）、いま最も勢いがあるBYDのポートフォリオはBEVとPHEVにて構成されており、つまり「一番売れているところ」を抑えているということになりそうですね。

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