またまたトヨタの広告が「禁止」の憂き目に。例によって環境団体がクレームをつけハイラックスの動画とポスターが発禁に

｜　トヨタはこれまでに何度も放送禁止の憂き目に遭っている　｜

トヨタとしては納得しかねることだろう

さて、英国の広告基準局（ASA）が「社会に対する責任感」が欠如しているとして、トヨタ・ハイラックスの広告2件（動画1件、ポスター1件）を禁止したとの報道。

 ガーディアン紙の報道によると、広告基準局が”環境に対する社会的責任を十分に果たしていないとしてトラック広告を禁止した”のはこれが初めてなのだそう。

いったいトヨタの広告の何が問題だったのか

そこでこの問題の広告についてですが、まず動画には数十台のハイラックストラックがオフロードを走行して川を渡り、その後舗装された道路に戻って市街地を走行する様子が映されているもよう。

 2 番目の「問題」であるポスターでは丘を登って土を巻き上げる 2 台のトラックが問題視されたとのことで、さらにその後ろを多数のトラックが追いかけている様子も広告基準局の神経を逆撫ですることになったと報じられています。

 広告基準局によれば、これらの広告は「自然や環境への影響を無視した方法での車両の使用を容認しており、社会に対する責任感を持って準備されているとはいいがたい」。

なお、広告基準局がこういった声明を発表し広告を禁止した背景には「アドフリー・シティーズ（Adfree Cities）と呼ばれる擁護団体のクレームがあるといい、このほかにもバドバータイジング（Badvertising）なる団体がこれに続いたと報じられています。

アドフリー・シティーズのディレクター、ヴェロニカ・ウィグナル氏は声明において「これらの広告は、川や草原を猛スピードで走行する、巨大で汚染度の高い車両をクローズアップすることで、トヨタの自然と気候に対する無関心を表現していると言えるでしょう」と述べています。

 さらには「これは信じられないほどのダメージを自然に与えることを促進するため、自然を舞台とするという皮肉でもある」とも。

トヨタの広報担当はこれに反論

なお、トヨタの広報担当者はこれに反論しており、以下のように語っています。

トヨタは環境に有害な行為を容認しません。 実際、過去 30 年にわたり、トヨタは自社の車両全体での炭素排出量削減の点で自動車分野のリーダーの 1 つであっただけでなく、何百もの（電動化技術に関する）ロイヤルティ フリーライセンス を共有してきました。 他の企業はその電動化技術を使用して電動化車両を製造しています。

トヨタは、グローバルに展開する幅広い車両の一環として、最も過酷な地形でも確実に使用できるモビリティオプションを必要とする顧客、つまりオフロードや僻地で作業する顧客に応える義務があると考えています。

加えてトヨタは「この動画が撮影されたのは英国国外の私有地であり、生態学的な影響が生じにくい環境で撮影されたものであり、ポスターはコンピュータで生成された画像である、ともコメント。

なお、トヨタは「気候変動に対して無関心」として環境団体の槍玉にあげられることも少なくはありませんが、英国では（トヨタ以外に対してでも）様々な広告に対してクレームがつけられることがあり、ちょっと前には「わずか数秒」エンジン音が入っていたBMWのラジオ広告が放送禁止となったことも。

そのほか各国では様々な「放送禁止」事例が報告されていますが、それぞれ異なる観点からクレームがつけられており、トヨタは過去にこれを皮肉った動画をYoutubeに公開し、ささやかな抗議を試みているようです（Youtubeは公共の放送とは異なり、その許容範囲が広い）。

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