欧米でも大人気のスズキ・ジムニーですが、カーメディア、CarAdviceが「ワールド・カー・アワーズ」決定のためにテストを行ったところ、そのABSに問題が発生。
かなり珍しい例ではあるものの、ジムニーに装備されるスタビリティ・コントロールが「特定状況下で」誤作動を起こしてデュアルセンサー・ブレーキサポートが走行中勝手にブレーキをかけてしまう、というものです。
まさに予期しない問題が発生
このジムニーは同アワード評価のためにスズキから直接CarAdviceに貸し出されたものだそうですが、CarAdviceがカリフォルニア州のワインディングロードにてこれをテストしたところ、ジムニーのデュアルセンサー・ブレーキサポートが「ガードレールを対向車だと勘違いして」断続的に作動するという現象が発生。
この現象は複数回発生しており、CarAdviceのオーストラリア支局からテストに参加したスタッフが動画に収めたのがこちら。
たしかに動画を見るとブレーキの影響で車体が大きく揺れていることが分かります。
そしてテストを行ったスタッフはこの問題をスズキに報告。
スズキはこのジムニーを貸し出す際、ジムニーの開発主任を含む2名の社員を同行させており、開発主任は即座にこの動画を本社に送信するも、本社のテストコースではこの問題は再現せず。
そこでスズキはさらに二名の社員をカリフォルニアまで派遣し、同じ環境でテストしてみたところ、実際にこの問題が再現された、と報じられています。
現時点ではスズキ本社からなんらかのコメントは出ておらず、しかしスズキ・オーストラリアからは「特定の状況、たとえば特定の傾斜、特定のカーブの角度、特定のスピードなど、様々な要因が重なった場合のみに発生し、ドライバーにとっては不快に感じるかもしれないが、クルマの進路を乱す原因とはなり難い」という声明が発表に。
よって現段階では「対策しない」ということになり、今のところは「次年度モデルからソフトウエアの修正によって改善する」方針のようですね(ただし日本のスズキ本社がこれを看過するとは思えず、何らかの対策が納車済みの車両に対しても行われる可能性は高いと思う)。
「偶然」が重ならないとこの問題は発生しないとも言えますが、同じテスターで複数回発生し、さらに意図的に発生させようとして実際に再現しているので、他の人や他の場所においても発生する可能性も否定出来ないかもしれません。
ほかにも発売後に大きな問題が発見された例も
なお、今回のジムニーのように、発売後にメディアのテストで問題が発見される例もあり、有名なのは初代メルセデス・ベンツAクラス。
これはメディアによる「エルクテスト(ムース・テストともいう)」でAクラスが転倒し、発売早々(2017年)回収を行っています。
そのほか、初代アウディTTも発売後(1998年)にテールリフトによる事故が発生し、こちらも回収してリアスポイラーが装着される、という対策が施されていますね。
VIA:CarAdvice-Youtube