ポルシェのブレーキ性能は相対的に低下した?
ポルシェのブレーキは「宇宙一効く」と言われますよね。
ただしこれは「モデルとグレードによりけり」で、ぼくの経験上ではあるものの、ケイマン、そしてボクスターのエントリーグレードについてはやや効きが弱いように感じます。
これはぼく自身がポルシェを4台乗り継いだ、そしていろいろと試乗してみた印象ということになりますが、ポルシェの名誉のために言えば、ケイマンとボクスターのエントリーグレードであっても、ほかメーカーのスポーツモデルよりはずっと強力なブレーキをを持っていて、高速域からガツンとブレーキを踏んでも「まっすぐ」止まることができる稀有なクルマ。
現実的にはポルシェのブレーキ性能も絶えず進化しているが
ただ、最近はポルシェよりも強力なブレーキを持つクルマが多数登場していること、ポルシェであってもGT3RSやGT2RSなどはそれまでのポルシェと比較しても相当に高いストッピングパワーを持っていることや、最近はそういったクルマをぼく自身が運転する機会が増えていて、つまりは「相対的に」ボクスターやケイマンのエントリーグレードのブレーキの効きが弱いと感じるだけなのかもしれません。
なお、ポルシェのエントリーモデルと言えどもケイマンやボクスターはモデルチェンジ/フェイスリフトごとにパワーアップしていて、そしてポルシェは「エンジンパワーの3倍の容量」を持つブレーキを装備することをモットーとしていると言われるため、それらのブレーキに不足はないはずなのですが、それでも「やや効きが弱い」と感じるのは、ほかにランボルギーニ・ウラカンに乗っていたり、ほかのスーパーカーを運転する機会が増えたからなのだろう、と思います。
なお、ランボルギーニ・ウラカンのブレーキは協力無比というよりほかの表現が見つからず、どのような速度域からでも必ず予想よりも短い距離で停止することができ、一切の不足を感じたことがなく、それはマクラーレンの各モデル、フェラーリ488GTBでも同様。
一方で完全にブレーキ性能が「不満」なクルマも
なお、今まで乗ってきたクルマのなかでブレーキの効きが弱いと感じたのはBMW i3。
これはもともと最高速が150km/hに制限されているのでブレーキ性能もそれにあわせた容量となっている(つまりキャパシティが小さい)からだと思われ、加えてタイヤの接地面積も(抵抗を考慮して)小さいため。
ほかにブレーキに不満というか「もう少し性能が良ければ」と感じたのはアウディTT(8S)、そしてミニクーパーS(R56)。
これらは「効かない」わけではないものの、強くブレーキを踏むとジャダーが発生するために姿勢の制御が難しくなり、スポーツモデルであればここはもうちょっとなんとかなればな、という感じです(しかし通常の走行ではまず不満は出ない)。