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ホンダ含む大手自動車メーカー4社が計上した「EV政策の失敗による損失」は合計で11兆円に。「EVは未来という風潮」は何だったのか、底にあった誤算とは

ホンダ「0 EVサルーン」「0 EV SUV」が向き合うサイドからの画像

Image:Honda

| 現時点で「得をした」のはテスラ、そして一部中国の自動車メーカーのみとなりそうだ |

ここからは「中東情勢の不透明さ」がさらに状況を悪化させる可能性も

かつて「自動車の未来はすべて電気になる」と信じられていた潮流がいま猛烈な勢いで逆回転を始めており、直近だとホンダがEV3車種の開発中止、そしてトータルで約2.5兆円(157億ドル)もの巨額損失計上を発表したばかり。

しかしこれはホンダ一社の問題ではなく、これまでに報じられた内容によれば、フォードやGM、ステランティス、そしてホンダを含めた大手自動車メーカー(グループ)4社が、EVへの過度な投資によって合計約700億ドル(約11兆円)もの損失を抱えたということにもなるわけですね。

なぜ、あれほど熱狂的だったEVシフトはこれほどの巨額損失を生む結果となったのか、ここでその背景を振り返ってみたいと思います。

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この記事の要約(30秒チェック)

  • ホンダの撤退: 新型EV「0シリーズ」や「アキュラRSX」など3車種の開発を中止。2.5兆円の特別損失へ
  • 米国市場の激変: 12月のEV登録台数が48%減。補助金撤廃と政策転換が直撃
  • 11兆円の代償: フォード、GM、ステランティス、ホンダの4社で計700億ドルの「EV投資の失敗」が露呈
  • エンジン車回帰: 各社はEVからガソリン車・ハイブリッド車へ再び舵を切り始めている
マセラティ
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ホンダを襲った「EV逆回転」の舞台裏

ホンダが今回中止を決めたのは、同社の次世代EVブランド「0(ゼロ)シリーズ」のセダンとSUV、そして昨年プロトタイプが公開され期待を集めていた「アキュラRSX(EV)」です。

  • 需要の蒸発: 米国における12月のEV登録台数は前年比48%減という歴史的な落ち込みを記録。市場シェアも9.9%から5.3%へほぼ半減
  • 政策の壁: 米トランプ政権による7,500ドルのEV税額控除の撤廃が、購入意欲に冷や水を浴びせる
  • 内燃機関への再投資: 需要が冷え込むEVに資金を投じ続けるリスクを避け、GMやフォードと同様に「売れる」ガソリン車やトラックへの回帰を優先せざるを得ない状況

さらに中国市場では「安価で、かつデジタル面で先行した」地元メーカーのEVに対して機能や性能・価格面での優位性を発揮することが叶わず、やはり販売面で苦戦しているというのが現在の状況です。

ホンダ(アキュラ)RSXプロトタイプのリアサイド(イエロー)

Image:Honda

中国ではトヨタやホンダ、日産などの日本車が「壊滅状態」。実際に路上を走るのは中国車ばかり、そして実際最近の中国車はけっこうカッコいい【動画】
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EV投資の失敗による巨額損失の現状

「EV地獄」とも揶揄される現状において、各メーカーが被った打撃は計り知れず・・・。

大手4社のEV関連損失・費用(2026年時点)

メーカー名推定損失・費用主な動き
ホンダ約2.5兆円 ($15.7B)「0シリーズ」2種、アキュラRSX EVの中止
ステランティス約4.1兆円 ($26B)複数のEVモデル計画をキャンセル
フォード約3.3兆円 ($21B)3列シートEV SUV中止、F-150ライトニング減産
GM(多額)EV工場をガソリン車用に転換、一部EVバン生産停止
合計約11兆円 ($70B)※各社の累積的な投資損失・方針転換費用
フォードが決算を発表しEV部門で82億ドルの赤字を計上、しかし撤退ではなく「さらにこの道を突き進む」。これでこそフォード
フォードが決算を発表しEV部門で82億ドルの赤字を計上、しかし撤退ではなく「さらにこの道を突き進む」。これでこそフォード

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マセラティのキー(レヴァンテ)

今後の展望:自動車市場はどう変わるのか?

今回のホンダの決断は、同社独自のプラットフォーム戦略を白紙に戻すことを意味しますが、しかしこれは「敗北」ではなく「現実的な生存戦略」とも言えるもの。

  • ハイブリッド車の再評価: EV需要が減退する一方で、現実的な選択肢であるハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)への注目が再び高まっている
  • ポルシェやアルピーヌも追随: 以前の記事でも触れた通り、ポルシェもEV一本槍からガソリン車併売へと戦略を修正しており、業界全体が「マルチパスウェイ(全方位)」戦略へ戻りつつある
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結論

「2.5兆円」という授業料はあまりに高額ですが、ホンダはこの痛みを伴う決断によって、さらなる底なし沼に沈むリスクを回避したとも評価でき、米国の政策シフトと消費者の現実的な選択が一致した今、自動車メーカーは「理想」ではなく「収益」を重視した厳しい時代へと突入した、というわけですね。

ホンダ
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ホンダのキー

ただ、ここから考慮しなければならないのが「中東における情勢」で、これによって世界的なガソリン価格の高騰がトレンドになると考えており、つまり「EVシフトを見直し、感情を揺さぶるマルチシリンダーエンジンへの回帰」「中国車と競合しにくいトラックや、手っ取り早くお金を稼げるSUVへの集中」といった戦略に黄信号が灯る可能性も。

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どういうことかというと、ステランティスのように「せっかくパワフルなV8などのガソリンエンジンの開発を行い、エモーショナルなハイパフォーマンスカーの開発にかかった」、フォードやGMのように「いかにもアメリカン、そしてワイルドさを強調したトラックやSUVに注力しはじめた」ものの、ガソリン価格の高騰によって人々の現実的な選択が「大きなトラックやSUV、ハイパフォーマンスカーから、コンパクトで低燃費で安価なクルマ」に向かう可能性があるということで、自動車メーカーにとっては”せっかく仕切り直した戦略が”また修正の必要に迫られる未来をも示唆しているのが現在の状況ということに。

もしかするとこの状況が再び「やっぱり自動車業界の未来はEV」という風潮を呼び戻す可能性も否定できず、とにかく先行き不透明なのが昨今の自動車業界でもある、と考えられます。

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技術の進化をもってしてもユーザーの利便性満たせなかったことが11兆円の損失を生んだ最大の要因とも考えることができますが、今後は「EVシフトの失敗を正すための修正戦略をまた修正するためのコスト」が発生しないともかぎらない、というわけですね。

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