ぜひブレーキダストの出ないブレーキをどの車にも標準化してほしい
ホイールとブレーキに奇妙なデバイスを装備したフォルクスワーゲン・ゴルフが目撃に。
これはどうやら「ブレーキダストフィルター」を装着し、ブレーキダストを出さないようにする装置とのこと。
これには理由があって、ドイツのフィルターメーカー、MANN+HUMMELによれば、1年間にドイツ中のクルマが発生させているブレーキダストはなんと1万トン。
これまで問題視されなかったのが不思議かも
さらにMANN+HUMMELによると、ブレーキダストは(人体の)肺の中に入り込み、深刻な病を引き起こす可能性もある、としています。
つまりEVは「ゼロエミッション」といいつつも「ブレーキダストを出す」限りはゼロではないということになり(他もタイヤダストなどもありますが)、一部で「ブレーキダストを出さない」、文字通りゼロエミッションへの研究が進んでいるようですね。
そしてこのVWゴルフがその車両ということになりますが、ホイールハウス前後にはダクトテープで固定されたコードが見え、これはセンサーとデータロガーとを繋ぐ配線のようです。
そしてブレーキローター下側に目立たないように装着されているのが「ブレーキダスト回収装置」。
このフィルターはブレーキダストの80%を回収できる、とされています。
ただ、ここでぼくが思うのは、「ブレーキダストがホイールを汚さなくなるのはありがたい」ということと同時に、「バネ下重量が増すので嫌だなあ」「結局このブレーキダスト回収装置内のフィルターも定期交換しないといけないのでメンテナンスコストが増える」ということ。
たしかにブレーキダストは深刻な(健康と美観両方においての)問題であり、これを解決してほしいとは思いますが、であればクルマの性能を同時に向上させたり、根本から「ダストが出ない」方法を考えてもらえるとたいへん助かる、と思うわけですね。
たとえば軽量でブレーキダストが出ず、交換の必要もほとんどないカーボンセラミックディスクの採用はその一案(高価ですが、国が補助金を出してスチールブレーキ並みの価格にしてほしい)。
加えてポルシェが最近開発した、「ブレーキダストの出ない」PSCB(ポルシェ・サーフェス・コーテッド・ブレーキ)の技術を転用したブレーキなどが普及すれば「根本の解決」になるのかもしれません。
VIA:CARSCOOPS