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日本で開催されたBHオークション。ホンダNSX Type Rが3080万円、NSX-Rが4840万円、ポルシェ911カレラRSが7282万円など高額落札相次ぐ

2019/06/10

| 一方で落札不成立も |

日本発によるレアカーのオークションとしてスタートした「BHオークション」。
これまでにも世界最高速「421km/h」を記録した”ボンネビル(フェアレディ)Z”、スモーキー永田による世界最高速度違反記録を持つ”V12スープラ”などが競売にかけらられていますが、6月9日にも総勢23台のレアカーが出品され、そのうちいくつかは高額落札が記録されています。

中でも高価だったのはポルシェ911カレラRS 2.7ツーリングの72,820,000円ですが、ホンダNSX-Rが48,400,000円、ホンダNSX Type-Rが30,800,000円という驚くべき価格で落札に。

ここでその内容を見てみましょう。

ポルシェ911カレラRS 2.7ツーリングは日本正規輸入13台のみ

ポルシェ911の中ではおそらく「もっとも価値が高い」のが911カレラRS2.7。1973年に生産されたことから、日本では通称「ナナサンカレラ」と呼ばれ、その生産台数は1580台のみ。

ナナサンカレラは当時ポルシェがグループ4カテゴリのホモロゲーションモデルとして生産したもので、ベースは911S/2.4。
軽量化、パワーアップ、足回り強化という、現代のRSモデルにも通じる「スポーツカーの基本」を強化したモデルです。

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エンジンは2.7リッターで210馬力、トランスミッションは5速マニュアルのみ。
グレードは「ツーリング」「スポーツ」「レーシング」があり、さらに軽量な「ライトウエイト」バージョンも存在しています。

「911RS」と名がつくモデルは1975年の「911カレラRS3.0」があり、こちらのほうが生産台数105台と圧倒的に少ないものの、やはりポルシェ911にとって「はじめての」RS=レンシュポルトモデルである、1973年の911カレラRS2.7のほうが歴史的な価値が高いと見られ、よってナナサンカレラはオークションにおける「高値常連」。

今回オークションに登場したのはもちろん1973年式の911カレラRS2.7で、走行距離は95,100キロ。
予想落札価格は4000万円~5000万円と見られていたものの、それを大きく超える7282万円で落札されています。

ただ、世界的に見るとコンディションによっては「億」を超える個体も珍しくはないようですね。

シャシーナンバーは9113600924、グレードは「ツーリング」。
なお、日本に入ってきたナナサンカレラは「ツーリング」グレードのみ、そして13台だけだとされています。
この個体は当時ポルシェのインポーターであったミツワ自動車が輸入したもので、最初の納車先は埼玉県のオーナー、とのこと。

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ボディカラーはグランプリホワイト、アクセントにはブルーが採用され、このカラーリングを持つのは世界で205台のみだそう。

なお、最初のオーナーがこの車両を手放した後、二番目のオーナーはこのナナサンカレラ購入後、なんと43年も大事に乗り続けてきたそうで、専用ツール、スペアパーツ、整備記録、その間の記録写真も残るという大変希少な一台。

シャシーナンバー、エンジンナンバー、ギアボックスナンバーが全て一致しており、つまり「載せ替えなし」のオリジナル状態を保っていることも特筆すべき点です。

ホンダNSX Type-Rの走行距離はわずかに850km

そしてこの「ホンダNSX Type-R」も高値で落札された一台。
NSX Type-Rは、言わずとしれた初期型(NA1)のNSXに設定されたスパルタンモデルで、エンジンはベースモデルのNSXと同じ3リッターV6(CA30)ながらも、職人によるクランクシャフト、ピストン、コンロッドのバランス取りが施されています。

同時に徹底的な軽量化(マイナス120キロ)、足回りの強化が施され、レカロ製フルバケットシートやMOMO製ステアリングといった「レース仕様には定番」の装備が与えられていることも特徴。

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もちろんレッドのホンダエンブレム「赤バッジ」、チタンシフトノブが与えられています。

この個体のボディカラーはグランプリホワイト、シートカラーはレッドで、つまり「もっともタイプRらしい」コンビネーション。
そして驚かされるのはわずか850キロという走行距離で、まずこれと同等の条件を持つ個体が出てくることはなさそうですね。

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生産期間は3年、総生産台数は464台のみ。
予想落札価格は2500~3000万円、実際の落札価格は3080万円を記録しています。

NSX-Rは「最終モデル」、走行距離はわずか560キロ

そしてもう一台のNSXとなる、ホンダNSX-R。
初期型NSX(NA1)の「Type-R」に対し、後期型(NA2)では「NSX-R」と呼ばれています。
なおNSXはI型(NA1)、II型(NA2)、III型(NA2)とありますが、II型のNA2には「R」に相当するモデルは設定されず。

NSX-Rは2001年に登場し、2005年までに143台のみが生産されています。

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リトラクタブルヘッドライトから固定式ヘッドライトに改められている他、エアロダイナミクス面での改良が大きく、ダウンフォースが強化されていることが特徴(市販車ではじめてマイナスリフトを達成した)。

エンジンは3.2リッターV6(C32B)で、NSX Type-R同様にバランス取りが施されるほか、クロスレシオを持つトランスミッションが与えられ、ボディ剛性やサスペンションの強化に加えて軽量化も実施されています(ベースモデル比でマイナス70キロ。フロントフード、リアスポイラーがカーボン製に)。

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この個体もやはりボディカラーはチャンピオンシップホワイト、シートはレッド。
2005年式(つまり最終モデル)で走行距離はわずか560キロという新車レベルの一台です。

予想落札価格は3800~4800万円、そして落札価格は4840万円。

一方で「落札不成立」も多数

なお、今回オークションに登場したのは23台。
しかしながらこの中で落札されたのは8台のみで、残る19台は「不成立」。

つまりは最低落札希望価格に達しなかったということになりますが、その中にはカレラGT、フェラーリF355、ロータス3イレブン、日産スカイライン2000GT-R、ルーフCTR、日産フェアレディZ432、ポルシェ911ターボ”シュトロゼック”、ポルシェ356SC、ランボルギーニ・ディアブロSVといったクルマも。

購入した金額が高く、それを超える値付けをしたものの売れなかったのかもしれませんが、希少車や旧いクルマであればなんでも値が上がる、というわけではなさそうですね。

VIA:BH Auction

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