| ホイール軽量化は回転マス軽減、乗り心地向上にも効果がある |
「バネ下重量の軽減は、車体本体の軽量化の3倍の効果がある」。
これは自動車のチューニングにおいてよく言われることであり、たとえばバネ下重量(タイヤやホイール、ブレーキやハブ、ナックルなどのスプリングの下にあるもの)を10キロ軽くできれば、車体を30キロ軽量化するのと同じ効果がある、ということですね。
ただ、これについては「本当にそうなの?」と思うこともあり、そこで今回ユーチューバー”Track Day”が実際に複数重量のホイールを用意し、実際にどれくらい変わるのか、という実験を行っています。
用意したタイヤ/ホイールセットは3種類
そこでホイールの重量によってどれくらい加速が変わるのかということですが、今回の検証にあたってはノーマル含む3種類の重量を用意。
使用するクルマはシボレー・コルベットです。
まずは40-100マイル(時速64キロから160キロ)での加速。
ノーマルホイールだと4.92秒、17.7キロ軽量化できるホイールだと4.76秒、12.3キロ軽量化できるホイールでは4.84秒。
使用するタイヤはタイムの信憑性を得るために「同じ」ものを使用していますが、順番に並べると、ホイールが12.3キロ軽くなれば加速が0.08秒速くなり、ノーマルからホイールが17.7キロ軽くなれば0.16秒も加速が速くなる、という結果となっています。
低速域ほど効果が大きい?
そして次は60-100マイル(時速96キロから160キロ)での加速。
ノーマルだと3.51秒、17.7キロ軽いホイールだと3.35秒、12.3キロ軽くなると3.44秒。
こちらも同じように並べ替えると、ノーマルより12.3キロ軽いホイールを装着すれば0.07秒、17.7キロ軽くなると0.16秒加速が速い、という結果に。
これは40-100マイル時と比較すると、同様もしくは「12.3キロ軽量ホイールだとやや軽量化の効果が小さい」という数値となっていて、おそらくは「一旦走り(転がり)出してしまえば、重量の差がどんどん小さくなってゆく」からだとも考えられます。
そう考えると、停止状態からの加速のほうが差が大きいのかもしれず、しかし今回はあくまでも「サーキットでの影響」を考えたものなので、「停止からの発進」という状況ではなく、サーキットでの「カーブからの立ち上がり」における一般的な速度域を検証の対象としたのでしょうね。
今回の結果をもって「バネ下重量がボディの3倍の効果がある」ということが立証されたわけではないものの、「軽いほうが速い」のは間違いないということに。
なお、ぼくは「ホイールは軽いもの、鍛造を選びたい」というポリシーを持っていますが、これまで乗ってきたクルマでもほぼ例外なく軽量ホイールを(純正・社外とわず)装着しています。
これについて「加速」で体感できるほどの効果はないと考えているものの、「加速しながら車線変更する」といった、複数の動作を同時に行う際には確実に体感できるほどの差があると考えていて、かつ振動や衝撃、走行時のブレについては鍛造ホイールに圧倒的な利がある、とも認識しているわけですね。
「タイヤ」の重量にも気をつけたい
ちなみにいかにホイールが軽くとも、タイヤが重ければ「効果が薄れる」ことになり、そこでタイヤの重量にも気を使いたいもの。
各タイヤメーカーはその重量を公開していないので正確な比較はできませんが、ぼくがタイヤ交換のたびに図っている重量をもとにした経験上だと、もっとも軽いのはミシュラン。
コンチネンタルも意外と軽く、ピレリとトーヨーはちょっと重め、ヨコハマとブリジストンはけっこう重い、という印象です。
ダンロップやグッドイヤーはその中間くらい、というイメージです(ピレリよりはちょっと重い)。
「バランス」についてはコンチネンタル、ピレリがやや甘く、逆に優れるのはミシュランとブリジストン。
真円度に関してはコンチネンタルが優れず、やはりミシュランが優秀だという印象があり、スポーツカーに関しては、選べるのであれば「ミシュラン」が一番だ、という見解を持っています。
それでは動画を見てみよう
そして動画では、コルベットのほか、より非力なアバルト124スパイダーに複数ホイールを装着してのテストも敢行(こちらの数字はなく、インプレッションのみ)。
やはりホイールは軽いに越したことはないようですね。
VIA: Track Day TV