| ただし借りたドライバーは泥酔状態 |
例によって「借りたスーパーカーで事故」がラスベガスにて。
ラスベガスでは、パーティーに乗り付けるためにスーパーカーを借りたりリムジンをチャーターすることが珍しくはありませんが、今回はある男性がこのマクラーレン720Sを借り、ホテルに駐車していたところ、トラックに擦られてリアフェンダーからドア、フロントフェンダーにまでおよぶ破損が発生しています。
事故の詳細は不明だが
ただ、このマクラーレン720Sのドライバーは泥酔状態だったとのことで、駐車したストラスフェア・ホテルの従業員はこの男性を車外に出すのに苦労した模様。
修理代金はおそらくレンタカー会社の保険でカバーできる見込みですが、「泥酔状態で運転」をいう違法行為を行っているため、もしかすると保険金が支払われず、そうなると借りたドライバーに請求が行く可能性もあるようです。
加えて、「当て逃げ」したトラックのドライバー(特定できたどうかは不明)についても当然過失を問われることになり、大きなトラブルとなりそうな予感。
問題は修理にかかるコスト
そこで気になるのが、このマクラーレン720Sの修理にかかる費用。
修理を受ける現地のショップ、ロイヤルティ・エキゾチック・カーズによると、リアフェンダー、ドア、フロントフェンダー、ドアミラーの部品価格のみで69,000ドル(約750万円)。※ここは以前、自分たちでブガッティ・ヴェイロンのオイル交換を行う様子を動画にて公開した
この「750万円」にはパーツの脱着、塗装や調整にかかる工賃は含まれず、それらを入れるとあと100万円以上はプラスされることになりそう。
加えて修理にはパーツの取り寄せ含めて3ヶ月以上かかるとされ、かつその間「レンタカーとして稼げない」ため、場合によってはこのクルマを借りた男性に対し、その期間の損害賠償請求がなされる可能性もありそうです。
ドアミラーは吹っ飛び、フロントヘンダーもベッコリ。
フェンダーのインナーも破損していそうですね。
加えてフロントバンパーの位置調整も必要となりそうですが、「カーボン製ルーバーつきフロントフェンダー」でなかっただけ、まだ良かったのかも。
リアフェンダーにも凹み。
まだここは板金で治せる可能性もありそうです。
ドアパネルもまだ修復が容易な方だと思われます。
スーパーカーの修理費用は非常に高額
なお、時々話題になるのがスーパーカーの修理/メンテナンス費用の高額さ。
有名なのはブガッティ・ヴェイロンで、1年一回必須とされるオイル交換には270万円、タイヤ交換を行うと415万円。
【動画】ブガッティ・ヴェイロンを2台所有するオレが維持費を語るぞ。オイル交換は毎年275万円、タイヤは2年に一回で415万円、ホイール交換は1.6万キロごとに550万円だ
マクラーレンF1は「乗らなくても」点検費用などを平均すると年間600万円が必要だとされています。
マクラーレンF1の元オーナーが語る驚愕の維持費。「燃料関係の修理は5年に一回/1200万」「タイヤ570万」「乗らなくても年/600万」
アストンマーティンだと、DB9の修理に1800万円を請求されたことも。
ブガッティ・ヴェイロンのタービンは1個115万円と非常に高価(ブガッティの親会社、フォルクスワーゲンのエンジンに採用されるタービンは15,000円)。
メルセデスSLRマクラーレンのフロントフード価格は900万円。
こういった「異常なパーツ価格の設定」について、すべては”生産数が少ないから”というところに集約。
加えて、パーツによってはカーボンやチタンといった高級素材を使用したり、時速300キロ以上の速度で走行するために、通常のクルマとは異なる次元の精度が追求されている、ということも高額となる主な理由です。
ただ、そういった素材や機能・性能とは関係のない、車体後部に取り付けられている「Lamborghini」「PORSCHE」といった文字についても、10,000円~20,000円もすることがあり、普通のクルマの数倍~十倍以上のパーツ価格を覚悟する必要がありそう。
そのため、仮に「中古で格安に」スーパーカーを購入したとしても、修理に新品パーツを使用すると非常に高く付くことがあり、ここが「中古スーパーカーの購入には注意」と言われる所以ですね。
「借りたスーパーカー」での事故は多い
なお、けっこう多く報じられるのが「借りたスーパーカーで事故」。
レンタカーや友人・知人から借りたスーパーカーで事故を起こしてしまうケースが後を絶たず、しかも「借りた直後」の事故もけっこう多い模様。
やはり「スーパーカーを借りた」ということで気分が高揚していることが主要因かとは思われますが、借りた直後はタイヤが温まっておらず滑りやすいということも関係しているんじゃないか、とは思います。
よって、スーパーカーを借りた後は、はやる気持ちを抑え、クルマに自分が慣れることはもちろん、クルマの油脂類やタイヤを適温に保てるまでは「ゆっくり」走るのが良さそうですね。