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メルセデスAMGがピンチ!このままでは欧州の規制に対応できず、「最大で75%のモデルが販売終了」になる可能性が報じられる

2019/12/25

| 欧州の規制は、想像するよりも遥かに厳しい内容を持つようだ |

現在、メルセデス・ベンツは欧州の厳しい規制に対応するためにモデルラインアップの見直しを迫られており、とくにAMGモデルの多くはその対象になる、との報道。
これは匿名ながら「メルセデス・ベンツ内部」を名乗る人物がFinancial Timesに語ったもので、メルセデスAMGは規制対応によって「ラインアップの75%が消滅するだろう」とのこと。

現在メルセデス・ベンツ(ダイムラー)はラインアップ全体で「基準値」を38%超えているとも報じられていますが、このままでは2021年に多額の罰金を支払う必要が生じ、しかしこれを回避する最適な方法が「AMGシリーズの削減」だということになりそうです。

物事はそう簡単ではない

ただ、これは「AMGモデルを減らせばOK」という問題ではなく、というのもAMGモデルはほかのラインナップに比較して「利益が大きい」から。
加えて単価も大きく、よってAMGモデルを減らすということは「売上高、利益」という”会社の株価を左右する要素”に直結し、会社の価値を下げてしまう可能性があるため。

最近のメルセデス・ベンツはやたらと「コンパクトクラス」に注力しているという印象があるものの、コンパクトクラスを拡充する目的としては「販売拡大」「ブランドの若返り(若年層の取り込み)」のほか、「環境対策」という側面も大きかったのかもしれません。

そして現在メルセデス・ベンツは相当数のコンパクトクラスを保有するに至っているものの、それでも「足りない」ほどに環境規制が厳しいということなのでしょうね(メルセデスAMG含む大パワーモデルの規制オーバー分をカバーすることができていない)。

ただし株主対策という観点からは「AMGモデルを減らして売上、利益を減らすよりは」、AMGモデルを現状維持として「罰金を払ったほうが」いいのではという考え方が出てくる可能性もあり、メルセデス・ベンツ(ダイムラー)がどう動くのかには注意すべきところでもあります。

今後のAMGモデルは「エンジン小型化」も

そして現在であってもどんどん排気量そしてシリンダー数が減ってきているのがメルセデスAMGですが、一説によると次期メルセデスAMG C63はV8エンジンから「半分の」4気筒エンジン(2リッター)にダウンサイジングされるという話もあるほどで、今後はAMGにおける、もっとも大きなエンジンが「3リッター直6」ということになるのかもしれません。

ダウンサイジングのほかに有効な解決策としては「ハイブリッド化」が考えられ、こちらもメルセデス・ベンツ全体で進めてはいるものの、意外にハイブリッド化は困難と見え、ウワサされていた「AMG GT4ドアクーペのハイパワーハイブリッド版」は未だ実現せず。

そう考えると「スマート」を中国の吉利汽車に譲り渡してしまうのはちょっと不思議(グループ内でCO2平均排出量を引き下げる可能性があるブランド)でもありますが、ブランド自体はダイムラーに起きつつ、吉利のネットワークにて販売を増加させたり、吉利に「さらに」効率的なエレクトリックモデルを開発させることでそれを欧州にて販売し、規制に対応したいという狙いがあるのかもしれません。

メルセデス・ベンツが「スマート」の株式過半数を中国・吉利汽車に譲渡したとの報道。これはおそらく「誰もが得をする」取引だ

いずれにせよ、AMGというと大排気量エンジンに膨大なパワー、そして大地を揺るがす轟音というイメージがあったものの、それも時代とともに変わってゆくということになりそうですね。

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