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日産はなぜ「窮状」に陥ったのか!米メディアがその「7つの理由」と「3つの復活の方法」を述べる。なお意図的な「日産タイマー」が本当に仕込まれていた

2020/01/13

| 一定の消耗品は6万キロを境に交換が必要になり、日産に利益を落とす仕組みだった |

ドーナツメディアにて、「なぜ日産はしくじったのか」という動画が公開。
かつて日産は「90年代に世界一に」という高い目標をかかげて邁進しており、実際にR32 GT-RやZ32 フェアレディZという世界に誇るクルマを発売。
そのほかでもS13シルビア、シーマなど日本国内でもヒットを飛ばし、誰もが日産の未来は明るいと考えていたわけですね(この頃の日産は本当に勢いがあった)。

その日産がが今や窮地に立たされ、2019年はじめには(北米での)利益が99%減少し、13,000人を解雇し、1台売るごとに1,000ドルを失う体質となってしまい、既存車種を削る一方で新型車を出せないという状況に。

いったいなぜここまで転落したのかということについて、米ドーナツメディアが「7つの理由」を掲げ、逆に「復活につながる3つの理由」を掲げています。

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1.あまりにコストをカットしすぎた

まず、カルロス・ゴーンが日産のCEOに着任した際、最初に始めたのは「コストカット」。
日産はほかの自動車メーカーに比較して15〜25%ほど多くの部品をクルマに使用していたとされ、日産は多くのパーツについて「品質を落とすことでコストを削る」ことに。
具体的に、動画では「テンショナー」や「タイミングチェーン」を安価なものに交換し、これらのツケは「早い時期にパーツを交換しなくてはならない」という形で消費者がそのツケを払う形となっています(これは訴訟に発展)。

そのほか、コストカットの例としては「下請けいじめ」があり、日産に納入するサプライヤーに対して強烈な値切りを要求し、これに反発して塗料メーカーが日産との取引を打ち切ったという例も。
よって、その時期を境に日産のボディカラーが全て入れ替わっていますね。

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なお、このコストカットによって得たお金を「新型車開発」に投じなかったことも日産衰退の理由だと考えていて、このお金の(おそらく)多くがカルロス・ゴーンの私財として蓄えられてしまったということになりそうです。

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ただ、カルロス・ゴーンの戦略にて「良かったところ」もあり、それはやはりGT−Rの復活。
コストカットばかりではブランドイメージをキープできないと考えたのか、同氏はGT-Rを復活させており、これによって日産のイメージが向上したのは間違いのないところ。
これによってカルロス・ゴーン氏の印象も良くなり、GT-Rが一種の(会社私物化ですら)免罪符となったのは間違いないと考えています。

2.CVT

当時日産がしきりにアピールしていたCVTトランスミッションですが、これは「およそ6万キロで寿命を迎える」という信頼性の低さを持っていて、つまり「6万キロ保証が切れた頃に壊れる」、つまりこれも消費者に負担を強いる形に(ソニータイマーのようなもの)。
これについては「コストカット」の理由のほか、「修理によって日産が利益を得る」という狙いがあったのかも。
もしそうだとするとかなり悪質だとも考えられ、「自動車メーカーとして手を付けてはならない部分に手を付けた」ということになりそうです。
当然これも訴訟という形で日産を苦しめることとなり、日産は6万キロ保証を10万キロに延長し、リコールを行うなど、手痛いしっぺ返しを食らうことに。

3.品質低下

上記のような体質が染み付いてしまった日産は「コストをかけて品質を向上させる」ことができず、動画では”2014年の顧客満足度調査では、22車種のうち14車種が最低もしくは下から二番目の評価”であったといい、テスターの多くが「低品質」「安っぽい」「以前の日産に比較して運転が楽しくない」とコメント。

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4.日産は「魂」を失った

これも上で示されたものと関連しますが、保証が切れた途端にフロアが腐食し、触媒が寿命を迎えることになり、こういった例は大々的に北米でも報道されたために日産を買う人が少なくなった、とのこと。
北米ではJDパワーやケリー・ブルーブック、コンシューマーレポートのような第三者機関による評価が大きな力を持つと言われ、これらからの信頼を失ったことが日産失墜の理由としては大きそう(それもすべて自身が蒔いた種ですが)。

加えて、日産はスポーツカーやプレミアムカーよりもレンタカーや法人向けのクルマに注力するようになり、「安い車、そして車を安く作ることにしか興味がなくなった」ようですね。

実際に日産は法人向けの「フリート販売」を多額のインセンティブとともに強化していて、これによって「不健全」だと評されたことも。
加えて、「北米で最も安く買えるクルマ」はヒュンダイでもアメリカ車でもなく”日産車”だという統計も存在します。

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5.サブプライムローン

これは日産のみならず等しく他の自動車メーカーに響いたと思われ、しかし日産にとっては「弱り目に祟り目」。

6.スポーツカーがアップデートされていない

日産のスポーツカーといえば「GT-R」「フェアレディZ」ですが、これらは両方とも「10歳超え」。
スポーツカーは常に最新の機能を盛り込んだクルマでなくてはなりませんが(ポルシェがそれを証明している)、両方とも登場以降大きなアップデートがなされず、新型の声も聞けないまま(GT-Rに至っては2027年までそのまま販売されるという説も浮上)。

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もちろんアップデートが無い状態だと販売にも影響が及び、その販売台数は惨憺たるものとなっていますが、同じく「高齢スポーツカー」であるダッジ・チャレンジャーは年々販売を伸ばしていて、その理由は「頻繁なバリエーションの追加」だと思われます。
しかしGT-Rではそういった展開もなく、よってズルズルと下がってしまったということになりそうですね。

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7.カルロス・ゴーン

これについてはお察しのとおりで、「会社を私物化してしまった」こと。
北米における日産は、2019年はじめに売上の95%、営業利益を99%落としていると動画では解説しており、にもかかわらず蓄財に精を出していたこと、方針を変えなかったことは問題だと言えそうです。

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どうすれば日産は復活するのか

そこでドーナツメディアの考える「日産復活のシナリオ」ですが、まずは品質を向上させること。
品質の向上は目に見えず、すぐに販売に貢献するとは考えられないものの、これをやらないとはじまらないという重要事項。
今こそこれまでのツケを自身で払う時が来たのかもしれません。

なお、ドーナツメディアはかつての日産の品質がどれだけ高かったかという例として、「30年前のシルビアや180SX(北米では240SX)が今でもドリフトカーとして高い人気を誇り、ハードなドライブや競技に耐えうる車体やエンジンを持っている」ことを挙げています。
これは「保証が切れるとすぐ壊れる」カルロス・ゴーン以後のクルマとは大きな違いでもありますね。

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そしてもう一つの例として挙げているのが「ヒュンダイ」。
かつてヒュンダイはアメリカではもっとも「信頼性の低いブランド」であったものの、品質を向上させたことでその信頼と販売を向上させることに成功し、いまや(北米では)最も成功したブランドの一つにまで成長しています。

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そのほかの解決策としては、上述の「ダッジ」のように確実なファンを獲得すること、そして「S16シルビア」を発売することを述べていますが、現在日本そして北米市場において安定したセールスを誇る86、そしてこれから伸ばしてきそうなGRスープラに対抗する意味でもS16シルビア発売というのは「意外といい戦略」なのかもしれませんね。

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