| やはりコネクテッドカーは一種の危険性をはらんでいる |
ただしこういったハッカーの存在によってセキュリティが進化してゆくことも間違いない
さて、ロシアにてハッカー集団アノニマスがタクシー会社の配車アプリをハッキングし、数十台のタクシーを同じ場所に送り込んで渋滞を引き起こしたもよう。
被害を受けたのはロシアのヤンデックス・タクシーなる会社で(なぜここが狙われたのかは声明が出ていないので不明)、同社の配車アプリのセキュリティがアノニマスによって破られてしまい、その結果としてアノニマスが大量の偽注文をアプリに認識させ、「利用可能なタクシーすべて」を一箇所に集めたのだそう。
その様子はまさに異様
なお、本件に関してはいくつかの動画が公開されていますが、タクシーが集合したのはモスクワ中心部から少し離れたクトゥゾフスキープロスペクトのフィリー地区だといい、しかしこの場所が選ばれた理由も現時点では不明です。
ヤンデックス・タクシーの広報担当者によれば、この問題は1時間程度で解決したそうですが、渋滞が発生したのは交通量の多い大通りだったといい、そのぶん注目を浴びたようですね。
ただ、注目を集めるのであれば、もっと人の多いモスクワ中心部にタクシーを集めても良さそうなものですが、モスクワ中心部の渋滞は(トルコのイスタンブールに次いで)世界で二番目にひどいと言われていて、そこへタクシーを送り込み、「一箇所に集める」ことが難しかったのかもしれません。
かといって、人がいないような田舎にタクシーを集めてもさほどニュースになるとは思えず、よって「そこそこタクシー集まりやすく、そしてニュースになりやすい」この場所を選んだ可能性もありそうです。
その動機は「ウクライナIT軍の要請を受けて」
なお、気になるのはなぜアノニマスがこういった行動に出たのかということですが、アノニマスによれば「ウクライナIT軍の要請を受けて」。
つまりロシアの侵攻に苦しむウクライナの支援の一環ということになりそうですが、ある意味では「コネクテッドカーの危険性」をも感じさせる出来事であり、今後カーシェアなどが増えていった場合に起こりうる問題を示唆しているようにも思います。
今回は(先日のアメリカでの事件のように)自動運転車両によるものではなく、しかし人が介在していたとしても同様の問題が起こりうるということを示していて、実際にクルマのハッキングは(カー・ハッキング・ビレッジが開催されるなど)ハッカーにとって大きな関心ごと、そして格好の標的となっているのかもしれません。
ハッキングによって一箇所に集まったタクシーを捉えた動画はこちら
JUST IN: #Anonymous has confirmed that the attack on the Yandex Taxi app was carried out in cooperation with the IT Army of Ukraine, as part of #OpRussia cyber campaign. #SlavaUkraïni https://t.co/VYiD2IDIEJ
— Anonymous TV 🇺🇦 (@YourAnonTV) September 2, 2022
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