| ただし実際にはどこまでの実用性を持つのかはわからない |
そしておそらく、これを追跡追跡対象車に貼り付けるのは至難の業である
さて、先日はニューヨーク警察(NYPD)が騒音を発するクルマを捕まえるため、街なかに「自動騒音監視装置」を取り付けて規制値を超える爆音車両を取り締まっているという報道がなされていますが、今回はまたニューヨーク警察が新しいハイテク装備を導入する、との報道。
これは「GPSトラッカーを射出するエアガン」なのですが、射出されたトラッカーの先端には粘着性のテープが装着されており、これを追跡対象車両の車体に貼り付けることで「カーチェイスを行わなくても」犯人を追跡できるとしています。
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このGPSトラッカー射出装置はこういった仕組みを持っている
このGPSトラッカー射出装置(ランチャー)はスターチェイスなる会社が開発・製造したもので、その名は「ガーディアンHX」。
同社は「これは通常の警察の追跡捜査に代わるもので、警察が追跡のために迎撃部隊を派遣することなく、逃走する車両を遠隔で追跡できるようにすることを目的としている」と自信を見せています。
公開された動画を見るに、「ペリカンケース」を採用しているようですね。
そしてパカっと開くとランチャーとGPSトラッカー等が整然と収められています。
ベースとなるのはAR-15ライフルで、このガーディアンHXのロアレシーバー(ストック、ピストルグリップ、トリガーアセンブリ、セーフティスイッチ、マガジン装着部含む銃の基本部分)は、AR系ライフルと交換可能なのだそう(ARのロアレシーバーはシリアルナンバーが入る部分なので、法的には、このガーディアンHXはAR-15とカウントされる)。
アクセサリーについてもトリガーアッセンブリーとマガジン本体の2つを除くとAR-15との互換性があるようですね。
なお、このトリガーアッセンブリーとマガジンについてはガーディアンHX固有のパーツということになりますが、トリガーは機械的に発射機能を制御するのではなく「スイッチ」にとどまり(つまりはバイワイヤー)、マガジンに見える部分は「バッテリー」。
ただしGPSトラッカーは「単発式」
そしてこのガーディアンHXはこんな感じでGPSトラッカーを発射でき、しかし予備のGPSトラッカーを収めることができないので単発式となり、一度発射した後はもう一度GPSトラッカーを装填しないと発射できない仕組みです。
スターチェイス社によると、このGPSトラッカーが射出された直後の速度は時速60キロ、そして直線射程距離は1.5メートル(短い)。
ただしまっすぐではなく「弧を描くように」して相手に向けて撃てば8メートルほどの射程距離を確保できるといいますが、初速が時速60キロ、そしてこれが徐々に遅くなって弧を描くように対象に向かって飛ぶとなると「速く走るクルマ」に対しては使用が難しい、ということに。
加えてですが、最近のクルマの車体後部は非常に複雑な形状を持っており、とくに速度を出しそうなスポーツカーやスーパーカーにはそもそもこれが「貼り付く」場所は存在しないかも。
そう考えると、このガーディアンHXが対応できるのは限られた条件そして限られた車種に対してのみということになってしまい、効果は「限定的」である、とも考えられます(ただ、面白い機器ではある)。
スターチェイス「ガーディアンHX」」を紹介する動画はこちら
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