| たしかに犯罪を行う側に非があるのは間違いないが、あまりにクルマが哀れでもある |
できればパトカーに転用したり競売にかけて収益金を人々の役に立てるなどしてほしかった
さて、そのイメージとは裏腹に「過激な行動」で知られるフランス。
大晦日にはクルマを燃やしたり、デモで様々なものを破壊したり、そして映画でもけっこう過激な描写が見られ、ぼくらの思うフランスと実際のフランスとでは大きな相違があるもよう。
そして今回報じられているのがフランスの警察が「違法行為をした2台のBMWを破壊した」というものです。
いったい2台のBMWはなぜ破壊されたのか
この2台のBMWは同国北部のトゥールヴィル=ラ=リヴィエールの公道でドリフト走行を行い、それを撮影していたことが明るみに出て逮捕され、そのまま2台のBMWが押収されてしまうことに。
そして今回は「正義の名のもとに鉄槌を下す」として、その差し押さえたBMWを圧縮機で押しつぶす様子を公開しているのですが、このマルチカラーのBMWにつき、これが・・・
こう。
なお、「違法ドリフト」が判明したのは、この2台のうちイエローのBMWオーナーが自らのSNSへと「違法ドリフト動画」を公開したことがきっかけだといい、その流れで警察がこのオーナーを特定して自宅を訪問→逮捕という流れとなったもよう。
BMWオーナーは警察に対して訴えを起こす可能性も
このイエローのBMWに乗るオーナーは「自分の車が破壊される前に、法的弁護を行う機会を与えられなかったとも主張しており、「罰金を受け入れるつもりだったが、自分の車をつぶすのは明らかに行き過ぎた行為である」とも。
そこで彼は裁判を起こす資金を集めるためにクラウドファンディングを立ち上げていて、そのサイトによると「自身が仕事に出かけている間にクルマが押収され、車内にあった荷物を回収する機会も与えられなかった」と述べており、実際に(クラウドファンディングにて集まった資金にて雇われた)弁護士が2024年1月15日に開かれる審問で持ち主の弁護を行う準備を進めているのだそう。
報道によれば、フランスでは2018年にドリフト含む路上での危険校を厳しく罰する法律が導入されており、その内容にもよるものの、最高3年の懲役と最高7万5000ユーロ(現在の為替レートにて1182万円)の罰金が科されるうえ、ドライバーは最長3年間の免許停止処分を受け、行為に関与した車両は没収されることとなっています。
この罰則強化の導入は、危険運転が(フランスにて)1,400%増加したことを受けてのものだとされ、今回の1件を機に「さらに罰則が厳しくなるのでは」という見方もあるもよう(実際に、フランス内相は実際に警察に対し、危険運転の取り締まりを強化するよう求めているそうだ)。
参考までに、犯罪にて押収したクルマを問答無用で破壊する国や地域もある一方、それらのクルマをオークションにかけて収益金を犯罪の犠牲になった人々に分配したり、押収したクルマをパトカーに改装して国の役に立てる場合など様々なケースが見られます。
たしかに「破壊」はみせしめとしても有効ではあるものの、多くの人の反感を買う可能性も否定できず、であればやはり押収したクルマはパトカーなどに転用して”再利用”したほうがいいんじゃないかともぼくは考えていて、たとえば自分が危険運転をしてクルマを押収されたと仮定し、もし”破壊”されるよりはパトカーに転用されて世間の安全に貢献するようになったほうがまだ「仕方ないな・・・」とあきらめがつくかもしれません。
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