| ここまで「カテゴリや性格の異なるクルマ」がともに競うイベントも珍しい |
そこがまた、グッドウッドの一つの魅力でもある
今年のグッドウッド・フェスティバル・スピード「ヒルクライム」トップ10を集めた公式動画が公開に。
このヒルクライムの面白いところは、新旧、カテゴリ、市販車/レーシングカー/コンセプトカーなどにかかわらず同じコースにてタイムを競うことで、たとえば現行の市販ハイパーカー、未発売のワンオフに近い無名のクルマ、そしてF1マシンやWRC用のラリーカー、耐久レーサーといった「本来であれば同じ土俵で競うはずのない」クルマやレーシングカーがしのぎを削ることであり、おそらくこういった光景はグッドウッド以外で見ることはできないのかもしれません。
2023年のグッドウッド・フェスティバル・スピード「ヒルクライム」につき、タイム順だとマクラーレン・ソルスGT、スバルGL ファミリー・ハックスター、マクラーレン・コスワース M26、ポルシェ911GT3カップ、日産スカイライン GT-R R32、クライスラー・バイパーGTS-R、リマック・ネヴェーラ、フォード・プーマWRC、フェラーリ488チャレンジEVO、ポルシェ911GT2 RSクラブスポーツといった並びとなっていますが、これを見ても「様々な性質の、様々な年代のクルマ」が集まっていることがわかるかと思います。
今年のグッドウッド・フェスティバル・スピード「ヒルクライム」トップ10はこんなクルマだった
そこでざっと今年のグッドウッド・フェスティバル・スピード「ヒルクライム」上位10車種を見てみると、トップはマクラーレン・ソルスGT(45.34秒)。
ただしトップと言えども昨年首位だったマクマートリー・スピアリングのタイム(39.08秒)を破ることはできず、いかにスピアリングが速かったかもわかります(このクルマよりも速く走るのは容易ではないだろう)。
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そして次はスバル GL ファミリー・ハックスター(46:38)。
これはフーニガンが1986年のスバルのワゴンをハードにカスタムしたもので、搭載されるエンジンは862馬力を発生する4気筒水平対向、トランスミッションは6速シーケンシャル、もちろん駆動方式は4WD。
「ファミリー用のワゴンを究極のドライビングマシンに」ということろがいかにもフーニガン、といった感じですね。
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今回のコンテンダーの中でもっとも「古い」のがこのマクラーレン・コスワース M26(46:89)。
1976年のF1シーズンに参戦を開始したものの、チームがさらなる開発を望んだため、その年に走ったレースは1回のみ。
1977年にはジェームス・ハントがこのマシンをドライブし、3度の1位フィニッシュを果たしています。
こういったF1マシンがコースを走るのもまたグッドウッド・ヒルクライムの醍醐味ですが、昨年にマクマートリー・スピアリングが23年ぶりに記録を更新するまでの王者は(ニック・ハイドフェルドがドライブした)1998年のF1マシン「マクラーレンMP4/13」で、やはりオンロードではF1が最強にもっとも近いのかもしれません。
そしてポルシェ911GT3カップ(47:40)に・・・。
日産スカイラインGT-R(R32)は48:18。
バイパーGTS-R(耐久マシン)は昨年に引き続きの参戦であり、昨年の48:96に対して今年は49:29。
そして市販ハイパーカーのリマック・ネヴェーラ(49:32)。
昨年のトップ10では4台がピュアエレクトリックカーでしたが、今年では「唯一の」ピュアEVとなっており、しかし「市販仕様のEV」としてグッドウッド史上最速の記録を打ち立てています。※市販車でなければ、マクマートリー・スピアリング(39:08)、フォルクスワーゲンID.R(41:18)、NIO EP9(44:32)といった記録がある
そしてフォード・プーマWRC(49:17)。
ラリーカーといえども舗装路でも強豪相手に素晴らしい成績を残しており、その基本性能の高さが伺えますね。
フェラーリのレーシングカー、488チャレンジEVO(49:88)。
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最後はポルシェ911GT2 RS クラブスポーツ(51:45)。
今年のトップ10はおよそ6秒の争いに密集しており、例年にないほどの接戦であったと考えてよいかと思います。
今年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード・ヒルクライム「TOP10」ダイジェスト動画はこちら
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