イモラサーキットの「幸運をもたらす猫」、アルトゥーロが16歳で亡くなる。イモラの真のキングと言われ、アルトゥーロを撫でたハミルトンが勝利を獲得したことも

｜　ただしセバスチャン・ベッテルに対してアルトゥーロは幸運をもたらさなかったようだ　｜

アロトゥーロは誰よりもイモラサーキットでは知られた存在でもあった

さて、F1グランプリが開催されるイタリアのイモラ・サーキットのマスコット、「アルトゥーロ」が16歳で亡くなったとの報道。

アルトゥーロはレースウィークになるとピットガレージからピットガレージへ渡り歩き、「訪れたガレージには幸運をもたらす」と言われていた猫であり、実際にルイス・ハミルトンがピットにてアルトゥーロを撫で、その後に勝利を収めたという逸話もあるのだそう。

なお、死因については明かされていないものの、高齢ということもあり、老衰であったのでは、と言われています。

アルトゥーロはこんな猫だった

なお、今回の一件に関してイモラ・サーキットは公式に声明を出し、アルトゥーロを追悼することに。

このような時に適切な言葉を見つけるのは難しい。16年以上の時を経て、私たちが決して来ないでほしいと願っていた日がやってきた。私たちの一部が彼と一緒に連れ去られてしまったような感じだ。彼はフォーミュラ・イモラ・ファミリーの一員であり、オフィスがオープンすると最初にやってきて、タイムカードを押して日没とともに去る最後の従業員だった。

私たちのマスコットであり、セラピストであり、おやつの時間の友であった。モータースポーツが好きな人なら、彼を覚えていない人はいないだろう。

あなたがいなくなるのは、言葉にできないほど寂しい。あなたはいつも私たちのフォルムリーノです。

なお、フォルムリーノ（Formulino）とは「フォーミュラの体現者」的な意味だと思われ、アルトゥーロの公式インスタグラムでは「イモラ・サーキットのオーナー」だとも紹介されているので、イモラのスタッフにはたいへん大切にされていたということもわかります（普段はオフィスにて勤務していたようだ）。

なお、アルトゥーロはF1だけではなく、ポルシェ911カップなどほかのレースが開催されるときであってもパドックに顔を出していたというので、モータースポーツを愛する猫だったのでしょうね。

参考までにですが、ぼくはいつも”動物とモータースポーツ”というと、映画「エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語」を思い出します。

猫のアルトゥーロにはこんなエピソードも

多くのレーシングドライバー、そしてチームに幸運をもたらしてきたアルトゥーロですが、セバスチャン・ベッテルにとってはけしてそうではなかったようで、フェラーリでの最後の契約年となった2020年のインタビューの最中にアルトゥーロが登場し、インタビュワー（スカイスポーツF1のテッド・クラヴィッツ）が「後ろに猫がいるよ。その猫が現れたのは幸運のサインだ」と伝えたところ、ベッテルが返したのがこのセリフ。

「僕は猫が嫌いだけど、この猫は好きになるかもしれないね。ただ、彼はちょっと太り気味のようだ、最近レースが少なかったからかな」

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そしてベッテルはこのレースウィーク中に予選12位、決勝12位という不本意な結果に終わっており、「ベッテルはアルトゥーロを好きになったかもしれないが、アルトゥーロはベッテルを好きになってくれなかった」のかも（あるいは、オーバーウエイトだと指摘したことがマズかったのかもしれない）。

関係者の心中は察して余りあるものですが、”イモラの真のキング”、アルトゥーロには安らかに眠ってほしいと思います。

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参照：formulinotheking（Instagram）