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オフローダーメーカー、イネオスが「EVのみに特化する戦略はいいアイデアではない。失敗するリスクが大きく、破綻を招くでしょう」。最近はこの考え方も一つの主流に

2023/09/22

オフローダーメーカー、イネオスが「EVのみに特化する戦略はいいアイデアではない。失敗するリスクが大きく、破綻を招くでしょう」。最近はこの考え方も一つの主流に

| 現在は数年前とは事情が異なり、中国車という想定外の脅威が登場しており、中国車にすべてを奪われる可能性も |

一見無駄のように思えるが、リスクヘッジをしておかねば取り返しのつかない事態に

さて、現在の自動車業界においてカーボンニュートラルを達成する手段として「BEV(電気自動車)オンリー」を掲げるのがメルセデス・ベンツ、そしてフォルクスワーゲングループ内の(ポルシェ、ランボルギーニ、ブガッティを除く)各ブランド。

その一方で電気自動車以外の手段も検討している、もしくは検討すべきとしているのがトヨタを筆頭にBMWそしてステランティスであり、業界内でもその対応が大きく分けれている状況です。

イネオスが「電気自動車のみの戦略は危険」だと断じる

そして今回興味深い出来事が起こっており、というのもオフローダー「グレナディア」を製造するイネオス・オートモーティブのCEO、リン・カルダー氏が「EVだけのアプローチはうまくいかない」という発言を公然と行ったため。

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イネオスは現在、グレナディアとグレナディア・クォーターマスター・ピックアップのディーゼルエンジン版とガソリンエンジン版を発売していますが、今回自動車製造・販売業者協会(SMMT)の電動化会議にて公演を行い、その場でリン・カルダー氏が「EVのみの戦略では破綻をきたすでしょう。電気、ハイブリッド、水素のミックスがベストなバランスである」とコメントしています。

私たちはいつもEVについて話しています。それはかなり危険だと思います。ミックスが必要だと思う。というのも、今のところ、ただ電気自動車が英国の進むべき道であり、それしかないと言うのであれば、失敗する危険性があり、高くつく危険性があるからです。

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イネオスは上述の通り内燃機関のみのラインアップではありますが、水素燃料電池版も開発しており、さらには小型の電動オフローダーも数年以内に発表するという計画を持っています(つまりは主張通り、内燃機関、水素、エレクトリックのミックスとなる)。

そしてこういった発言には反論がつきものであり、当然のごとく反論された後にもリン・カルダー氏はまったく動じず、むしろ「EVがすべての人のニーズにマッチする解決策ではない」として反論に反論することに。

理論的に電気自動車に適さないクルマも存在します。私たちのクルマはそのひとつで、物を牽引したり、ハードに働いたり、山を登ったり、人里離れた場所で使用されることを意味します。もし本当にそのような使い方をしたいのであれば、現在のインフラを考えると、電気自動車はあまり良い答えとは言えません。

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そのほかにも「BEVオンリー」には大きなリスクが付きまとう

そしてこういった「EVがすべての人にとっての解決策ではない」という理由のほか、ぼくが考える「EV特化型戦略のリスク」も存在し、それはやはり近年叫ばれる「中国製EVの進出」。

現在中国製EVは欧州を中心にそうとうなシェアを獲得しており、このままだとどんどん販売を伸ばして普及価格帯の自動車メーカーのEVだけではなく、ガソリン / ディーゼル車のシェアを食ってしまう可能性が大。

もちろん中国国内ではさらに安価なEVだらけなのでますます欧米のEVは売れず、おまけに(BMWいわく)中国では高級EVが売れないとのことで、そうなると普及価格帯の自動車メーカー、プレミアムカーメーカーともに「中国で売れず、しかし中国車が地元をおびやかす」状況となってしまうわけですね。

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メルセデス・ベンツ
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そういった「お株を奪われた」中でうかつにEVシフトを進めてしまうと後戻りができなくなり、文字通りのジリ貧になってしまうことも考えられますが、もしガソリン車をまだ作っていたならば(それでも中国車に多少はシェアを奪われることにはなるものの)最悪の事態を割けることができ、ダメージを小さく抑えることも可能です。

そういった意味では「保険」として様々な選択肢を残しておくことも考えるべきであり、(中国の脅威という想定外の状況に直面している中で)電動化にすべてを賭けることはあまりにリスキーだとも考えられます。※中国車の進出という問題がなければ、先行者利益を獲得すべく、先陣を切って電動化へとシフトするのも悪い戦略ではなかったと思う

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参照:Autocar

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