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2024年の自動車販売予測では「ハイブリッド一人勝ち」。一方でEVの成長は鈍化し、多くの自動車メーカーがEVからHVへと開発対象をシフトさせる可能性も

2023/12/19

トヨタ

| やはりEVの販売を進めるには様々な問題が山積したままとなっており、これを解決せねば消費者はついてこない |

EV開発に対する投資の「元を取れない」自動車メーカーも少なくはないだろう

さて、ここ数年はコロナウイルスのパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻などによってサプライチェーンが混乱し、エネルギー価格や素材の価格、ならびにパーツ価格が上昇し、それでも部品が不足するということから新車が足りなくなることに。

この現象は新車価格の上昇のみならず中古相場の高騰を引き起こし、同じ原因によって同時多発的に発生したインフレと金利の上昇がさらに状況を悪くしています。

そのため、ここ数年の自動車の販売状況は大混乱の様相を呈しているのですが、今回は「2024年の予想」が公開され、概ね市場は安定傾向に向かうであろうという予測が出されています。

2024年はハイブリッドカーの販売が大幅に伸びる?

この予想を出したのは米自動車ポータルサイト「エドモンズ」で、2024年の新車販売は比較的安定し1570万台が販売されると算出していますが(2023年の新車販売台数1,550万台という予想から1%増加)、1%増加の中で「伸びる勢力もあれば、そうでない勢力」もあり、エドモンズがもっとも拡大すると見る車種は「ハイブリッド」。

同社はまず「EVの販売は完全に減速している」と結論づけ、しかし電動化車両への興味が失われたわけではなく、EVの代替としてハイブリッドが選ばれるようになり、2023年11月では前年の4.9%から9.7%へと新車販売におけるシェアが倍増したことについて言及しています。

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なお、このEVの販売減速については米国のみならず欧州でも大きな問題として報じられていますが、EVを「買わない」2大理由である「高価」「航続距離が短い」という懸念を解決できる選択肢が「ハイブリッド」ということになり、多くの人が(最初に購入する電動化車両として)EVではなくハイブリッドを選ぶようになっているのだと考えていいのかもしれません。

2023年は大量のEVが登場し、そしてニュースとなることで、多くの消費者の目がEVに向くことになったのだと思われるものの、いかんせん「高く、航続距離が短い」ということから購入を諦めている可能性があり、皮肉にも「EVによって電動化車両に興味を持った人々が、EVを買わずにハイブリッドカーを購入している」という構図ができあがってしまっているのでしょうね。

トヨタ
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それでもEVの販売は「微増」

ただしEVの販売が縮小するかというと(予測では)そうではなく、2023年11月では前年比25%伸びたという実績もあり、2024年の新車販売におけるシェアは(2023年の6.9%から)8%になると見込まれているもよう。

しかしながら市場へと投入されるEVは今後どんどん(市場の成長ペース以上に)増えてくるものと思われ、よってEV一車種あたりの販売はこれにあわせて減少し、まだEV事業で利益をあげることができていない自動車メーカーの経営を直撃することになるのかもしれません。

ロータス・エレトレ
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加えてエドモンズはEVが市場に与えるインパクトについても補足しており、それは「ブランドロイヤルティの変化」。

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これは「そのブランドをまた買うかどうか」という指数によって表されるブランドへの忠誠心ですが、2023年にEVを購入したオーナーの13%が高級車を下取りに入れていて、これは全パワートレーン含む自動車業界の「倍」の数字です。

加えて下取りを伴うEV購入者の59%が他ブランドからの移行であり、下取りを伴わないEV購入者の48%が競合他社のクルマではなくそのEVを選択しているとされ、これらが意味するところは「高額所得者が高級ガソリン車を下取りに入れてEVを購入している」「今まで乗っていた、もしくはお気に入りブランドであっても、そこがEVを持たなければ(あるいはEVを持っていても魅力的でなければ)別ブランドのEVを購入している」。

トヨタ
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つまり自動車メーカーにとっては「魅力的なEVを持っていないと他社に顧客を奪われてしまう」「しかしEVを投入しても売れるかどうか分からず、なかなか注力できない」ということになり、よって「投資額がまだ(EVに比較して)大きくはなく、外す可能性が小さい」ハイブリッドに注力するということになるのかもしれませんね。

そうなればEVの参入そのものにブレーキが掛かる可能性も考えられ、EV市場においては、すでに(EV事業で)黒字化を達成しているテスラとBYDの存在感がより強くなる可能性が濃厚になりそうです。

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ポルシェ
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参照:Edmunds

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