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まさかの「6輪F1マシン」、ティレルP34が競売に。当時ティレル6輪を駆ったジョディ・シェクター自身がスペアパーツから組み立てた1台が登場

まさかの「6輪F1マシン」、ティレルP34が競売に。当時ティレル6輪を駆ったジョディ・シェクター自身がスペアパーツから組み立てた1台が登場
RM Sotheby's

| ティレルP34がオークションに登場する機会は非常に少ない |

まさにF1史に残る「珍車」である

さて、ジョディ・シェクターがドライブしたティレル(タイレル)6輪F1マシンがオークションに登場予定。

これはジョディ・シェクター自身のコレクションより出品されるもので、F1 史上最も急進的なデザインの1つ、人気の「6輪車」として知られる一台です。

この個体「シャーシ8」は2000年代に未使用のシャーシを使用して構築され、2008年のモントレー ヒストリック ミーティングにて行われたレースにて優勝したという経験を持つ「コレクション価値の高い」一台です。

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ジョディ・シェクターは実際にF1にてドライバーズチャンピオンを獲得したことも

ジョディ・シェクターは1979年のF1世界ドライバーズチャンピオンシップで優勝したことで最もよく知られていますが、同時に(おそらく)史上最も奇妙なF1カーである6輪のティレルP34のドライバーとしても有名です。

ティレルP34はもともと1976年と1977年のシーズンにレースに出場しましたが、このモデルは(上述の通り2000年代に製作されたので)比較的歴史が浅いため良好な状態にある、と説明されています。

RM Sotheby's

このティレルP34の奇妙な6輪デザインはティレルのテクニカル ディレクター、デレク・ガードナーの創造的な思考から生まれ、「ウイングの下に小さなホイールを収めれば空気抵抗が減少する」というアイデアを発展させたもの。

「なぜ6輪なのか」ということについては、「フロントタイヤを小さくすると、4輪のままではフロントタイヤの接地面積が減少するので、2輪増やして6輪にしてみた」からだとされています。

RM Sotheby's

デレク・ガードナーはまた、車輪を2つ増やすことで(6輪にブレーキシステムを内蔵することで)ブレーキ性能がより良くなると推測しており、しかし現実の世界だとドライバーに苦労を強いることになっただけといい、実際にドライブを担当したジョディ・シェクターは 「ブレーキングはもっと良くなるはずだった。たとえば直線でブレーキをかけているとき、すぐに小さなタイヤが滑ってしまい、ペダルから外さなければならなかったので、そこには何のメリットもなかった」 と述べています。

ただ、こういった設計上の問題を持っていたにもかかわらず、ティレルP34はサーキットで成功を収め、ジュディ・シェクターは1976年のスウェーデングランプリにてこのマシンを運転し、唯一の完全勝利を収めることになり、ジョディ・シェクターとチームメイトのパトリック・デパイユはそのシーズン、モナコGPでそれぞれ2位と3位を含む計10回の表彰台を獲得することに(残念ながら1977年はそれほどうまくゆかず、チームの表彰台獲得はわずか4回にとどまった)。

RM Sotheby's

コクピットは通常のF1マシン同様にコンパクトですが、両サイドには「小窓」が設けられ、これによってドライバーはドライバーはコーナリング中にクルマの位置を適切に調整したり、タイヤの摩耗を目視することができるようになっています。

RM Sotheby's

この車両は2008年に「新しく」製作されたものであり、よって「当時、認証を受けた」F1マシンではないものの、1976年の仕様に基づいて組み立てられており、搭載されるエンジンは(当時と同じ仕様の)フォード・コスワースDFV 3.0 リッターV8エンジン。

機能上なんら問題はなく、よって購入者はこのティレルP34をサーキットにて走らせることが可能となるわけですが、購入者は世にも珍しい「6輪のF1マシンをドライブする」という体験を手にすることができるようになるわけですね。

ただしその対価は安くはなく、最高で70万ドル(現在の為替レートにて約1億円程度)だというエスティメイトが出されています。

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参照:RM Sotheby's

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