破産が報じられたケン・ブロック設立の「フーニガン」。債権者そして出資者の助けによって再建の道へと向かい、2ヶ月以内に破産状態から脱却と報じられる

Image：Hoonigan

｜　現在のフーニガンは「自動車用アフターマケットパーツメーカー」であり、市場が縮小したことで売上高が減少　｜

今後は資産の圧縮、販売先の確保など「課題山積」

さて、故ケン・ブロックが設立したフーニガン（Hoonigan）が破産宣告を行ったと報じられ大きな話題となっていますが、最新の報道によると「２ヶ月以内に破産状態から脱することが可能」だとされています。

破産宣告時の情報だと、「12億ドルの負債を抱えた後、デラウェア州で連邦破産法第11章の適用を申請した」とされ、しかし今回「1億1,000万ドルのタームローン債務者保有ファシリティと1億7,500万ドルのABL DIPファシリティの承認を求める動議」がなされ、これによりフーニガンは再編中に取引債権者、顧客、従業員、ベンダー、サプライヤーに影響を与えることなく事業を継続できるとのこと（詳しいことはわからないが、会社の所有権を分割し債務者に与えることにより、債務の返済を留保あるいは相殺してもらえるのかもしれない）。

フーニガンはこれまでに複雑な歴史を歩んできた

このフーニガンは上述の通りケン・ブロックによって設立され、ケン・ブロックはほかにも「DCシューズ（最近は日本で見かけなくなった）」の創業者としても知られ、このDCシューズを売却した資金によってモータースポーツ業界（主にラリー）へと参入を果たします。

そしてこのフーニガンは設立後ながらく独立して運営されるものの、2021年9月にアフターマーケットのホイール、タイヤ、アクセサリーを設計・販売する会社であるホイールズプロと合併することに。

このホイールズプロは2018年4月からプライベートエクイティファームのクリアーレイク・キャピタルによって所有され、ホイールズプロはフーニガンとの合併までの間にゴリラ、レディリフト、MHTラグジュアリー・アローズ、Tブロス、TSWなどを精力的に買収し、フーニガンとの合併後にはスロットル、テラフレックス、4WPを買収していますが、これら買収したブランドの名称をすべて「フーニガン」に統一し一大パーツメーカーへと成長しているわけですね。

Image：Hoonigan

そして合併や買収の甲斐あってフーニガンの売上は2019年には8億4,400万ドル、しかし2022年には15億ドルに増加するものの、2023年には販売が減少に転じ、これがきっかけで破産につながったものと思われます。

一方、今回の同義によってバランスシートと財務状況が「大幅に」改善されると見られ、フーニガンは「我が社が最前線で事業を継続する能力に自信を持っており、2か月以内に破産状態から脱却すると予想している」とコメントし、さらには次のように続けることに。

「本日の発表はフーニガンにとって重要な一歩で、成長を続ける自動車アフターマーケット部門における当社の業界リーダーとしての地位をさらに高めることが可能となり、大幅に強化されたバランスシートと新たな資本によって、当社はイノベーションへの投資と財務実績のさらなる向上を図ることができます。金融パートナーの強力なサポートにより、当社はこのプロセスを通じてパートナーに最先端の製品とクラス最高のサービスを提供することに全力を注いでいます。」

フーニガンの最高経営責任者　ヴァンス・ジョンストン

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