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EUが2035年に全面禁止を掲げた「内燃機関車の販売」に例外が認められ、内燃機関に”生き残り”の道が開かれる

EUが2035年に全面禁止を掲げた「内燃機関車の販売」に例外が認められ、内燃機関に”生き残り”の道が開かれる

| 2035年、EUでCO2を排出する新車販売の「完全禁止」そのものは覆らない |

「合成燃料(e-フューエル)限定」にて内燃機関は残りそうだ

「2035年以降、CO2を排出するすべての乗用車の新規販売を禁止する」としているEU(欧州連合)ですが、一部では「現在のEV販売のスローダウンを受け、ガソリン車の販売禁止期限を先送りするのでは」と予想されていたものの、現時点では変更なく「2035年禁止」という路線のまま進められています。

なお、禁止対象はガソリン車、ディーゼル車、さらにはハイブリッド車も含まれ、販売禁止の対象は新車のみで、中古車の取引や既存車の使用は引き続き可能なのだそう。

中間目標と罰則:2025年から段階的に厳格化

この法案はもともと2023年に欧州議会で可決され、2025年から(以下の通りの)段階的な中間目標が設定されていますが、これはEUが掲げる2050年カーボンニュートラル目標の一環として導入されるもの。

期間CO2削減目標(2021年比)
2025年~2029年-15%
2030年~2034年-55%
2035年以降-100%(実質ゼロ)

これらの目標を達成できなかったメーカーには数十億ユーロ規模の罰金が科される可能性があるものの、CO2削減量については「クレジット」として売買できるのはこれまで通りであり、そのため多くの自動車メーカーはテスラやポールスターなどのEV専業メーカーからクレジットを購入することで目標達成を目指すことになりそうです。

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2025〜2027年は一時的な猶予期間に:VWやステランティスが恩恵

そんな中、欧州議会は2025年5月8日、業界の現状を踏まえた一時的な猶予措置を導入すると発表。

これにより、2025年・2026年・2027年の3年間は排出量を平均化して評価できることになり、初年度の超過分を翌年以降の削減で相殺可能になるわけですね。

この措置により、特にフォルクスワーゲン(VW)グループやステランティス、ルノーなど、まだ多くの内燃機関車を販売しているメーカーが恩恵を受けると見られていますが、注目すべきは、例外措置としてe-fuel(合成燃料)車には販売の道が残されたこと。

ポルシェをはじめとする一部の自動車メーカーと石油会社がCO2ニュートラルな合成燃料の開発を推進中ですが、この場合、以下の条件を満たす必要がある、と説明されていますが、この規定により、内燃機関自体の完全消滅は免れる可能性も出てきます。

  • e-fuel専用車両として設計されていること
  • 化石燃料で走行できないよう技術的制限が設けられていること
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EVへの移行にブレーキ?インフラと需要減速が課題

現在多くの自動車メーカーは「EV需要の成長が鈍化している」と警鐘を鳴らしており、この理由については「中国の自動車メーカーの躍進」「EVの車両金額の高止まり」「EV充電インフラの不足」など様々なものがありますが、EUは(2035年までに内燃機関搭載車の全面禁止につき)2026年に進捗状況を再評価し、必要であればルールの再修正を行う可能性も示唆しています。

一方、環境保護団体(Transport & Environmentなど)は、今回の”猶予”がEV投資やインフラ整備の遅延を招くと強く批判しており、中国市場に対して競争力を失う恐れも指摘されているようですね。※ただ、このまま欧州の自動車メーカーがEVを開発し発売しても、中国製EVに対して競争力を発揮できるとは思えず、それを強要すると企業が疲弊する

まとめ:2035年に向けたEU自動車産業の大変革

  • EUは2035年に内燃機関車の新車販売を全面禁止(既定路線)
  • 2025〜2027年は猶予期間として排出平均が許容
  • 充電インフラとEV需要の成長鈍化が今後の課題
  • e-fuel専用車両は例外措置の対象として「内燃機関」存続の可能性あり

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参照:Bloomberg

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