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【徹底解説】なぜ高級車やスポーツカーは「アルカンターラ」を採用するのか?本革を超える驚きの性能、そして劣化や手入れ方法は?

【徹底解説】なぜ高級車やスポーツカーは「アルカンターラ」を採用するのか?本革を超える驚きの性能、そして劣化や手入れ方法は?

| アルカンターラは「高級車」「スポーツカー」それぞれに採用される理由を持っている |

この記事の要点まとめ

  • 正体はハイテク素材: ポリエステルとポリウレタンを主成分とするイタリア産の高級人工皮革
  • 選ばれる3つの理由: 「軽い」「滑りにくい」「夏熱くならず冬冷たくない」という圧倒的実用性
  • 日本との深い縁: 東レの日本人研究者が発明し、イタリアでブランド化された日伊合作の結晶
  • メンテナンスが命: 放置するとテカりや固着の原因に。月1回の「ぬるま湯拭き」が美しさを保つ鍵
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フェラーリが内装オプションとして12色のアルカンターラを追加。ますます人気が高まり、フェラーリにとっても重要な素材となったアルカンターラとは
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「アルカンターラ」とは

スポーツカーの運転席に座ったとき、スエードのようなしっとりとした手触りの素材に心躍らせたことがあるかもしれません。

フェラーリやポルシェ、BMW Mモデルなどの「ここぞ」という場所に必ず使われているのが「人工スエード」、アルカンターラ(Alcantara)です。

このアルカンターラ、単なる「高級な布」と思われがちですが、実は本革(レザー)よりも優れた特性を多く持ち、プロのレーサーからも絶大な信頼を寄せられています。

今回は、この魔法の素材の正体、そして(これを採用するクルマの)オーナーが知っておくべきケア方法に迫ります。

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新規オーダーしたフェラーリ「内装」編。メインカラーは「ブラック」そしてアクセントは「イエロー」。レザーを極力排除して「アルカンターラ」を大量投入
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アルカンターラの正体と驚きのルーツ

アルカンターラは、天然のスエードを再現した人工皮革ですが、その出自は非常にユニークです。

1970年代、日本の東レの研究員である岡本三宜(おかもと みよし)氏によって発明されていますが、その後イタリアのENIグループとの合弁会社「アルカンターラ社」が設立され、イタリアで生産・ブランド化されることで世界中の高級車ブランドに採用されるステータスを手に入れたというわけですね。

成分としては「ポリエステル(約68%)とポリウレタン(約32%)」からなる超極細繊維であり、日本では東レが「ウルトラスエード(Ultrasuede)」という名で展開する製品とほぼ同じもの。

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なお、東レが別途合弁会社を設立したのは「世界展開を狙ったから」で、「イタリア発、イタリア生産(1970年代の自動車のトレンドの発信源はイタリアだった)」としたほうが様々な展開において有利になるからだという判断であったとされています。

ちなみにアルカンターラが「高価」なのはその製造方法に由来しており、特別な製造ツールを使用するためで、これによって「天然皮革と同等、あるいはそれよりも高い」製造原価となってしまいます。

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素材の構成と基本スペック

項目詳細内容
成分組成ポリエステル約68% / ポリウレタン約32%
構造極細繊維を絡み合わせた不織布(ニードルパンチ製法)
主な特徴耐久性、難燃性、通気性、高グリップ力
主な採用ブランドフェラーリ、ランボルギーニ、マセラティ、ポルシェ、BMWなど
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なぜスポーツカーは「本革」ではなく「アルカンターラ」を選ぶのか?

多くの高級車でオプション設定されるアルカンターラ。

「人工素材なのに」天然の本革よりも高額に設定されるケースも多々ありますが(本革と同等の価格という例はあるが、本革よりも安価な価格設定がなされることはないと認識している)、アルカンターラには明確なメリットが存在します。

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1. 圧倒的なグリップ性能

サーキット走行など激しいGがかかる場面で、本革は滑りやすいのが難点です。

しかしアルカンターラは表面の微細な起毛が体をホールドし、ステアリングホイールを握る手もしっかり固定してくれるというわけですね。

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2. 過酷な温度変化に強い

真夏の炎天下、レザーシートに座って「熱っ」となった経験があるかと思いますが、アルカンターラは熱伝導率が低いため、夏は熱くなりにくく、冬は座った瞬間から温かみを感じられるという利点も。

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3. 軽量化への貢献

1グラムの軽量化を争うスーパーカーにとって、本革よりも軽量なアルカンターラは「性能」そのもの。

内装をすべて本革から置き換えるだけで、数キロ単位の軽量化につながることもある、と言われています。

よって、フェラーリのスペシャルモデル(スペチアーレ)では内装のほとんどが「本革」から「アルカンターラ」へと置き換えることがほとんどです。

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4. サステナビリティ

2009年からカーボンニュートラルを達成しており、環境意識の高いプレミアムブランドの理念に合致するほか、自社もカーボンニュートラル達成を目指す自動車メーカーにとっても「選ばれるサプライヤー」となっています。

これらのほか、ダッシュボードに採用することで「フロントグラスへの映り込み(反射)を低減できる」などのメリットも存在しており、多種多様な、そして様々な方面からの優位性を持つのがアルカンターラであるということがわかりますね。

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【要注意】アルカンターラの美しさを保つためのメンテナンス術

アルカンターラは上記のようなメリットを持ち、耐久性が高い一方、「皮脂汚れ」や「摩擦による寝癖(テカリ)」が最大の弱点です(アルカンターラ巻きのステアリングホイールだと、常に握る部分が固く、かつテカテカになっているのを見たことがあると思う)。

汚れを放置すると繊維が寝たまま固まり、ガサガサの質感になってしまうのですが、特別な洗剤は不要であり、月1回を目安とし、40度程度のぬるま湯に浸して固く絞った布で優しく叩くように表面を拭くというメンテナンスが理想とされ、乾いた後に柔らかいブラシ(エチケットブラシなど)で毛並みを整えれば新品のような質感が長持ちするとされています。

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なお、この「弱点」は天然スエード同様でもありますが、天然スエードに比較すると「色褪せしにくく、水に強く、初期の劣化であればメンテナンスによって復帰できる」ところが異なります。

アルカンターラを採用する自動車メーカーは?

そしてアルカンターラを採用する主な自動車メーカーは以下の通り。

  • ランボルギーニ
  • アストンマーティン
  • ロータス
  • BMW
  • マセラティ
  • マクラーレン
  • ポルシェ
  • レクサス
  • 日産
  • ホンダ
  • スバル
  • フォード
  • ヒョンデ
  • シボレー
  • テスラ
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なお、「アルカンターラ」は製品名であって「素材の名称」ではなく、「アルカンターラ社」以外が製造する、アルカンターラと同様の特徴を持つ素材を使用する自動車メーカーも存在しますが、アルカンターラに引けを取らない性能を持つ、他社の高級人工スエードとしては以下が挙げられます(エクセーヌも人工スエードの一つで、これもやはり東レの開発した素材である)。

  • ラムース (Lamous)
    • メーカー: 旭化成
    • 特徴: ポリエステル超極細繊維を使用したスエード調人工皮革
    • 違い: アルカンターラよりもさらに「柔らかく、なめらか」な質感を持つものが多く、メルセデス・ベンツの内装や、カリモクなどの高級家具によく採用されている
  • ダイナミカ (Dinamica)
    • メーカー: Miko社(イタリア)
    • 特徴: リサイクルポリエステルを使用したエコロジーな素材
    • 違い: アルカンターラよりもわずかに厚みがあり、耐久性が高いと評価される、ポルシェ、BMW、メルセデス・ベンツといった欧州車でアルカンターラの代替としての採用が増えている
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結論|アルカンターラは「走る喜び」を支える最高のパートナー

アルカンターラは単なる装飾品ではなく、ドライバーを支えるグリップ力、過酷な環境に耐える耐久性、そして環境に配慮したサステナブルな側面まで兼ね備えた、まさに「スポーツカーやレーシングカーにおける正装」。

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もし次にクルマを選ぶ際、インテリアの選択肢に「アルカンターラ」があれば、それは単なる贅沢ではなく、より深くクルマと対話するための投資だと言え、それを用意しているメーカーの真意を理解し、(たとえ本革より高価であっても)それを選んでみるのもいいかもしれません。

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参照:TORAY

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