| 初代アストンマーティン・ヴァンテージがオークションに登場 |
アストンマーティンは新型ヴァンテージを発表したところですが、その「初代」ヴァンテージがオークションに登場予定。
これは1978年に発表されたもので、今回競売にかけられるのは1983年モデルとなり、ニックネームは「オスカー・インディア」。
このオスカー・インディアはスタンダード版のヴァンテージよりもパワフルなエンジンを積んでいることが特徴で、スポイラーやボンネットが変更され、内装についてもより豪華な仕様に。
もともと「ヴァンテージ」は既存モデルのハイパワー版だった
ヴァンテージ・オスカー・インディアは数百台が製造され、そのうち41台のみがアメリカへ。
この個体はその41台のうちの一台ということになりますが、クラシックカーが高価なことで知られるアストンマーティン、かつ貴重な車両ということもあって予想落札価格は最高で3400万円ほど。
アストンマーティンによってレストアされており、オリジナルの5.3リッターV8エンジンは390馬力を発生し、トランスミッションもオリジナルの5速マニュアルが健在。
走行距離は52,260キロとなっていますが、34歳には見えない美しさですね。
インテリアはホワイト基調。
今見るとアメ車っぽいスタイリング。
ボンネット上のパワードームが「オスカー・インディア」の証。
ホイールはBBSの専用品。
フロントフェンダー横のダクトはこの頃からの特徴のようですね。
正式な社名、「アストンマーティン・ラゴンダ(Aston Martin Lagonda)」のロゴがあるエンジン。
アストンマーティン・ヴァンテージの歴史について
初代は当時アストンマーティンが販売していた「V8」の高性能モデルとして1978年モデル、「V8ヴァンテージ」として登場。
エンジンは上述の通り5.3リッターV8、トランスミッションは5MT。
その後追加されたのが高性能版であり、今回出品される「ヴァンテージ・オスカー・インディア」となります。
もともとヴァンテージは既存モデルの「ハイパフォーマンスモデル」であったこともわかりますね。
なお、この初代に続く二代目ヴァンテージは1993年に登場し1999年まで販売。
エンジンは同じV8ながらも5.3リッター+ツイン・スーパーチャージャーとなり、出力は550馬力(新型ヴァンテージの503馬力よりも大きい)。
トランスミッションは6MTとなり、この時代の車としては「異常にパワフル」であることがわかります。
なお0-100キロ加速は4.6秒、最高速度は時速300キロ。
車体は「ヴィラージュ」と共通で、やはりこの「ヴィラージュ」のハイパフォーマンスモデルとしての位置づけです。
2005年登場の三代目ヴァンテージは(登場初期)V8/4.3リッターとダウンサイジングされ、出力も385馬力と控えめですが、二代目の1990キロという車重から一気に1570キロにまでダイエットしたおかげで高い運動性能を誇ります。
これまでのヴァンテージ」とは異なって既存モデルのハイパフォーマンス版ではなく独立したモデルであること、そしてV12モデルが存在することがこれまでのモデルとの大きな違いとなっていますね。
四代目が先日発表された最新モデルとなりますが、こちらは4リッターツインターボにて503馬力を発生。
排気量が5.3→4.3→4.0、と徐々に小さくなっているのは「世情を反映した」変更だと言えそう。
なお三代目ヴァンテージ登場時(2005)の価格は1500万円で、今回の新型ヴァンテージ(2017)の価格は1980万円。
ランボルギーニ・ガヤルド発表時(2004)の価格が1800万円、その後継モデルであるウラカンの価格が3000万円であることを考えると、ヴァンテージの価格は「あんまり上がってない」と考えていいのかもしれません。
なお、実は二代目と三代目との間には「DB7ヴァンテージ」なるモデル(2000-2003)も存在。
これはDB7のハイパフォーマンスモデルという位置づけで(5.9リッターV12エンジン搭載)、DB7における一つのバリエーションだと考えたほうが良さそうです。