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中国・吉利汽車がアストンマーティンの株式を394億円分買い集め「3番めの大株主」に!メルセデスも対抗し持ち株比率を増やす計画が報じられる

2023/05/18

アストンマーティン

| おそらく、吉利汽車は隠れて株式を買い集めることになるものと推測 |

ただし、ボクはアストンマーティンが吉利汽車傘下となるのも悪くないと考えている

さて、中国の自動車メーカー、吉利汽車(Geely)がアストンマーティンの株式を新たに7.6%取得し、合計17%とすることでアストンマーティンにとって3番めに大きな株主になった、との報道。

なお、この吉利汽車の創業者である李書福氏は個人にてメルセデス・ベンツの株式を9.7%まで買い集めて筆頭株主となったことで知られていますが、メルセデス・ベンツの株式取得については、まず先にメルセデス・ベンツへと提携を持ちかけ、しかし無下にあしらわれたことで「メルセデス・ベンツにそれと知られぬよう」水面下で株式を買い集めたという経緯を持っています(メルセデス・ベンツにバレないよう、様々な手段やルートを使用したようだ)。

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吉利汽車はこんな会社

この吉利汽車は中国の自動車メーカーの中ではちょっと特殊な部類であり、というのも外国資本の自動車メーカーとの提携にて勢力を拡大する上海汽車や第一汽車、北京汽車やGACとは異なり、買収によってその規模を拡大してきたから。

そして買収してきた会社はボルボ、ポールスター、ロータスがあり、現在は(これはメルセデス・ベンツとの話し合いにて)スマートの株式の50%を取得して傘下に納め、それらの技術を各ブランド間で共有しつつ、Lynk & CoやZeekrといった自社の有するカーブランドにも反映させています。※実際にZeekr、ボルボ、スマート間でプラットフォームを共有するモデルもある

なお、吉利汽車はもともと冷蔵庫など家電の製造からスタートしたそうですが、現在では中国の自動車業界でも強い勢力を持つ会社の一つにまで成長しており、今後のさらなる成長が期待される会社でもありますね。

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なお、ロータスが「エレトレ」を開発できたのもこういった吉利汽車の「シナジー効果」によるものが大きく、ボルボのSUVに関するノウハウ、ポールスターの持つデザイン、さらに吉利汽車の持つ電動化技術を組み合わせた結果として誕生したものであり、ロータス単体ではなしえなかったのでは、とも考えています。

今回の株式取得に要した費用は約394億5000万円

そして今回、吉利汽車がアストンマーティンの株式を7.6%取得するのに要した費用は2億3400万ポンド(現在の為替レートで約394億5000万円)だと報じられていますが、これによって吉利汽車は(現在のアストンマーティン会長である)ローレンス・ストロールとサウジアラビアのパブリック・インベストメント・ファンドに次ぐ第3位の株主に。

さらには「契約によって、2024年8月までは、これ以上持ち株を増やせない」とも報道されており、その一方でメルセデス・ベンツはアストンマーティンでの持ち株比率を2023年末までに20%にまで増やすというので、結果的に吉利汽車の持ち株比率が下がることになるのかもしれません(つまりアストンマーティン、メルセデス・ベンツはこれ以上吉利汽車の支配力を強めたくない)。

ただ、メルセデス・ベンツの株式を買い集めたように、「あの手この手で」吉利汽車はアストンマーティンの株式を買い集めたり、吉利汽車の会長、李書福氏の個人名義で株式を買い進むこともでき、これまでの例を見る限りではなんとかしてアストンマーティンを手に入れようとするんじゃないかという気もしています。

なお、吉利汽車の最高経営責任者であるダニエル・リー氏は、「このブランドが大好きです。シナジー効果を生み出したいと考えています」とも述べており、「ボルボ、ポールスター、ロータス、スマート」にアストンマーティンを加えることで、これまでに「それぞれのブランド単独ではできなかったこと」を行おうとする計画があるのかもしれませんね。

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一方、ローレンス・ストロール氏はというと、今日発表されたプレスリリースの中で、「吉利汽車は中国という重要な戦略的成長市場への深い理解を持っており、我々は彼らの技術やノウハウを利用する機会を得たのです」ともコメントしており、この発言を見る限りでは両者は(表面上で)敵対関係にはないようにも思えます。

現在アストンマーティンは再建の最中ではありますが、その過程におけるローレンス・ストロールの手腕は一定の評価ができ、しかし吉利汽車もまた(現在のボルボやロータスを見てもわかるとおり)未来に向けた優れた経営ができる会社だと認識しているので、この両者が反目せずにお互いの長所を出し合えば、数年後には世界最強のブランドが出来上がっているかもしれませんね。

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