| まさかあの噂が現実になるとは |
中国・吉利汽車(Geely)のオーナー、李書福氏がメルセデス・ベンツの親会社、ダイムラーの株式を合計で9.69%取得し、なんと「最大株主」に。
これまでは「第3位」であったこと、ダイムラーに提携を持ちかけたものの断られて株式市場を通じてダイムラー株取得に動いたことが報じられていますが、ついに筆頭株主に躍り出た、ということになります。※現在は変更されているものの、最近まで吉利のエンブレムは画像左上のような、BMWっぽいものだった
メルセデス・ベンツにとってはまさに悪夢
なお株式取得に要した費用(つまりは株式の市場総額)は約1兆円。
つまり吉利汽車(もしかすると李書福氏個人)がこの金額を動かしたということになりますが、ロイターの報道ではどうやら李書福氏が「個人で」動いた可能性が大。
ダイムラー側はこの事実を受けて「李書福氏がダイムラーの将来性を見越して株式を取得したのは喜ばしいことだ。ダイムラーは李書福氏の中国における起業や競争力、先見性を理解している」とコメント。
ダイムラーは以前に李書福氏から提携を持ちかけられた時に「断った」としていますが、その割には友好的なコメントだといえ、しかし真意はまったく見えないのもまた事実(それだけに不気味)。
ダイムラー側としても李書福氏による株式取得は予期できたはずで、しかし自社株買いなど対策を行わなかったというのもまた不思議。
李書福/吉利汽車はこんな感じ
なお李書福氏の夢は「中国のメルセデス・ベンツと言われるような車を作りたかった」。
そのために1996年、当時のメルセデス・ベンツEクラスのコピーを自分で作ったほどですが(これが吉利汽車の第一号)、母体となるのは1986年設立の冷蔵庫会社。
その後はバイク→自動車と業容を拡大し、2003年には他国に車を輸出するまでに。
2010年にはボルボを買収し、その後ロンドンタクシーも買収。
2017年にはロータスも取得し、今最も勢いのある中国の自動車メーカーだとも言えそうです。
ほか「空飛ぶ車(スカイカー)」も参加に収め、新しく立ち上げたブランド「Lynk&Co」も好調な発進を見せていますね。
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