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マクラーレンがピュアエレクトリック/ハイブリッドスポーツ向けの電動アクスル特許を出願!前代未聞の「1アクスル3モーター」にて常識を超えた運動性能を発揮させる?

2023/02/17

マクラーレンがピュアエレクトリック/ハイブリッドスポーツ向けの電動アクスル特許を出願!前代未聞の「1アクスル3モーター」にて常識を超えた運動性能を発揮させる?

| どう考えても2モーターのほうが効率が良さそうだが、マクラーレンには「秘策」があるものと思われる |

今のところ「1アクスル3モーター」は例を見ない

さて、マクラーレンがエレクトリックパワートレインに関する特許を出願。

この特許の内容はほかのスポーツカーメーカーやスーパーカーメーカーには見られないもので、なんと「一つの車軸に3つのエレクトリックモーターを内蔵する」という変わり種。

なお、3つのエレクトリックモーターを採用するスーパーカーだとポルシェ918スパイダー、ホンダNSX、フェラーリSF90ストラダーレ / SF90スパイダーが存在しますが、これらはいずれも「フロントに2つ、リアに1つ」という構成を持っています。

3つのモーターはどう動作するのか

まず先にとポルシェ918スパイダー、ホンダNSX、フェラーリSF90ストラダーレ / SF90スパイダーの構造に触れておくと、これらはすべてハイブリッドカーであり、前輪を2つのエレクトリックモーターにて駆動し、ガソリンエンジンとトランスミッションとの間にエレクトリックモーターを挟み込んで「エンジンパワーを増強する」というスタイルを持っています。※下の画像はポルシェ918スパイダーと同じハイブリッドシステムを持つランボルギーニ・アステリオンLPI910-4の構造図

なお、マクラーレン・アルトゥーラ、フェラーリ296GTB / 296GTSもエレクトリックモーターを持つハイブリッドモデルですが、これらはガソリンエンジンとトランスミッションとの間にひとつのエレクトリックモーターを組み込むという「シングルモーター」。

このほか、スーパーカーではないもののテスラ・モデルSプレッドには「トライモーター」」つまり3つのモーターが採用されており、これについては詳細が公表されていないものの、フロントに1つ、リアに2つのエレクトリックモーターを配置するという構造だと思われます。

このほかリマック・ネヴェーラ、ピニンファリーナ・バッティスタは「4(クワッド)」モーターを採用し、BMWやポルシェ、フェラーリもクワッドモーター搭載EVを開発していると言われるものの、これらについては「各車輪に1つづつ」のエレクトリックモーターを装着するという構造となっていて、つまり「フロントだろうが、リアだろうが、一つの車軸に3つのモーター」を装備するハイブリッドカー、エレクトリックカーは現段階にて存在しないかもしれません。

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なぜマクラーレンは「一つの車軸に3モーター」?

そこで気になるのが「なぜマクラーレンは1つの車軸に3つのモーターを搭載するのかということ。

そのレイアウトを見ると、後輪(下の画像では右側)に3つの「M」があり、これがエレクトリックモーターを指しているわけですが、ディファレンシャル(20)の前に1つ、そしてディファレンシャルの左右にも1つづつ。

1

つまりひとつのモーターがディファレンシャルにパワーを送り、そして左右にトルクを分割した後、さらに左右それぞれのモーターによってトルクをコントロールするということになりそうで、素人考えだと「ディファレンシャル前のモーターと、ディファレンシャルは余分なんじゃないか」と考えてしまいます。

一つの車軸には左右のタイヤしかないので、左右の車輪に対してトルクベクタリングを行うのであれば、「モーターは2つ」で十分なのではないかと思われ、わざわざ重量が重くなって構造が複雑になるような「3モーター」を採用する意味はないんじゃないか、というわけですね。

ただ、マクラーレンが特許を出願するからにはなんらかの意図があるはずで、そこで考えられるのは「強力なモーターを2つ積むスペースがなく、獲得したい馬力を発生させるには3つのモーターで分担するしかない」ということ、そしてそのほうが重量バランスに優れて運動性が向上するであろうこと。

それでもフロントにモーターを2つ搭載し「クワッドモーター化」したほうが効率、そして運動能力的によさそうではあるものの、マクラーレンは「意地でも4WD化したくなく」、そのための解決手法なのかもしれません。

そのほか考えられる要因としては「バッテリーの消耗を最小に抑える」ということで、ディファレンシャル前には小型のモーターを使用し、低速時にはそれを使用することでバッテリーの消耗を抑える可能性もあり、加えてコーナリング時にはいずれのかモーターにて回生を発生させて充電を行ったり、ブレーキング時にはいずれかのモーターに回生を働かせつつ、しかし他モーターを回転させて姿勢の制御などを行うことも考えられます。

今回の特許についてはそのあたり細かくは記載されておらず、しかしこれらモーターは軽量なマグネシウムやアルミニウムのケースの中に収められていること、ピュアエレクトリックモデルのほか、ハイブリッドカーにも使用される可能性があること(マクラーレンがそうするかどうかはわからないが、反転させてフロントに積み、前輪をエレクトリックモーターにて、後輪をガソリンエンジンで駆動することもできそうだ)、さらに電源については一般的なリチウムイオンバッテリー、水素燃料電池、スーパーキャパシタなど複数から得ることができる旨記載されています。

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参照:The Drive

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