| ミニの「ユニオンジャック」テールランプは北米仕様のみが特殊な光り方をするようだ |
いまだアメリカの法規には不可解なものが多い
さて、北米仕様のミニに装着されるリアウインカーが「ややこしい」と話題に。
ちなみに欧州仕様のミニに装着されるテールランプはオレンジの「バー」のみが点滅するそうですが(日本も同じ?)、北米仕様のミニは矢印のように見えるグラフィックが点滅する仕様を持っており、ユニオンジャックを模したというデザイン上、その矢印の方向性が「行きたい方向と逆」に点滅することとなるようです。
おそらくは何のことを言っているのかわからないと思うので下の短い動画を見ていただきたく、やはりこれを見ると「えっ」となってしまいます。
Seriously?? pic.twitter.com/XEKHdDGdCH
— Tri(Motor) Texan (@TriTexan) September 22, 2021
ブレーキを踏むとさらに話はややこしくなる
そしてブレーキを踏んだ状態でウインカーを出すと、(曲がりたい方の)ウインカーがもちろん点滅するものの、その反対側は点滅ではなく「点灯」することになり、「一体何が起きているのか」わからない状態に。
なお、この現象を発見したカーメディアが英国のミニ広報へと連絡を取ってみると、ミニ自身もこの仕様を把握しておらず驚いた様子だった、とも報じられています。
とにかくこのウインカーはあまりにややこしく、これが「ユニオンジャック」を模したものだと知らない人は、「矢印の指したほう」にミニが曲がろうとしているのだと捉える可能性もあり、ちょっと危険かもしれませんね。
北米では「リアのウインカーはレッドでもOK」となっているためにテールランプとの区別がつきにくくなっているわけですが、さらに地域によっては右左折時にウインカーを出す必要がなく、ウインカーそのものの点滅を見慣れていない人も多いものと思われ、そうなるとさらに危険度が上がってしまうのかもしれません。
参考までに、北米でもミニのテールランプをアフターマーケット製の「ユニオンジャック仕様」へと変更するカスタムが流行っているそうで、しかしサードパーティ製のテールランプではこういった「矢印状」の点滅は行わないといい、しかし純正だと「ややこしい矢印」となって点滅するため、北米仕様化にあたっての「本家ミニの失敗」だとも言えそうです。
実際、レッドのウインカーは「危険」らしい
2008年にNHTSAが行った調査では、レッドのウインカーを装着した車は、オレンジのウインカーを装着した車に比べ、ウインカーを操作をした際に後ろから追突される可能性が22%高いという結果が出ているそうですが、さらにその後行われた「調査結果を歪める要因を排除するために実施された追跡調査」では、オレンジのウインカーによって事故件数が減少することが再度確認されており、やっぱりレッドウインカーは危険だということに。
ただ、そこから15年近くが経過した現在、アメリカでは自動緊急ブレーキなどの複雑な安全装備が当たり前になっているものの、”シンプルで事故減少に効果的な”オレンジウインカーへの変更はいまだに義務化されておらず、北米で販売されている車の多くは「レッドのウインカーのまま」なのだそう。
しかし現代では「マルチカラーLED」が一般化しており、最初からレッドとオレンジの発光色をもつLEDを仕込むことで、コーディングにより簡単にそのカラーを変更できる場合がほとんどだと思われ、これがなかった時代に比較するとメーカー側の「仕様地ごとの仕様変更」コストが下がっているのかもしれません。
アメリカというと「なんでもあり」なイメージがあるものの、実際にはこういったウインカーや「5マイルバンパー」など独特の法規が多く、そしてそれらが「世界標準」へと修正されることは今後もなさそうですね。
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参照:Technology Connections, MINI USA, Jalopnik